黄昏が近づくとフクロウは飛び立つ準備を始めます。暗闇で木に激突。最近は夜目、遠目が効かなくなって来ました。
黄昏れたフクロウ
やれ打つな蠅が手を摺り足を摺る
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宇宙飛行士がぐるぐる回るリングの中で宇宙遊泳の訓練を受けているのを見たことがありますか。そうそう、今アメリカのストリート・マジシャン、デビッド・ブレイン氏が空中生活で使っているようなやつです。それをごく小さくした装置にハエが縛り付けられています。ハエの飛行能力を調べようと言うのです。
今ハエはコンピュータ科学の注目すべき研究テーマになっています。既に述べたようにハエの飛行能力は生物界随一と言われています。垂直上昇、垂直下降、後進、宙返りしたまま天井に着地などお手のもの。窓ガラスや壁にぶつかって墜落し始めたとしても10万分の1秒以下で体勢を立て直し逆方向に飛んでいくことができるのです。
それがどうしたと言うかもしれませんが、注目すべきはその飛行制御命令を出しているのが、ほんの数百しかない神経細胞だということです。これは今時のトースターに入っているコンピュータよりはるかに簡単なものです。現在、最先端の戦闘機、ロッキード・マーチン社のF-35統合戦闘攻撃機には靴箱ほどの大きさのコンピューターに、飛行制御だけで110万行のプログラムが使われています。それなのに出来ることはハエの足元にも及ばないのです。
これを解明しようと言うのが先の実験です。ハエの神経細胞に電極を差し込んで実験していると聞くと、なにか浮世離れした科学者を想像するかも知れませんが、MAVの開発が目的と聞くと、のん気な事は言ってられなくなります。MAV、マイクロ・エアー・ビークル訳すると超小型無人機かな。アメリカの国防省防衛高等研究計画局(DARPA)が、カメラを載せて索敵や、最終的には爆弾を搭載するために使おうとしているものです。
あなたに箸で捕まるのろまなハエがいたら、すぐさま踏み潰したほうがよさそうです。MAVである可能性が限りなく高いからです。
REF: IEEE Spectrum Nov.2005 P40-45 FLY LIKE A FLY
IMAGE: EYE OF SCIENCE/PHOTO RESEARCHERS INC.
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