「立飲み たきおか」で飲んだ翌日、しばし立ち飲みラリーを忘れて、新橋へ出没することにした。
スポーツライターM岡さんと友人MJとで、飲みに行くことになったからだ。
仕事を終えたのが19時過ぎ。彼らは先に集って、既に一杯やってるらしい。
連絡すると、店は「まこちゃん別館」であるとのこと。
同店を訪れるのは「居酒屋放浪記NO.0010」以来、約2年ぶり。
19時半、急いで店に馳せ参じる。
新橋烏森口は相変わらず、人いきれ。
そして、「まこちゃん」も満員御礼だ。
やきとん焼く白煙煙る中、狭い店内のカウンター、身を縮めて通り過ぎ、テーブル席にたどり着くと、その一番手前に身長185cmの大男が体をすぼめて座っている。
4人掛けのテーブルだが、店内の通行上、通路側に2人は座れない、とのこと。後に来たのに、わたしは奥の席に座らせてもらった。
駅のキオスクに置いてある夕刊紙は、こぞって西武ライオンズ、松坂大輔投手のボストンとの契約交渉の模様を報じている。
酒の肴はシロ、カシラ、タンと松坂投手だ。
まず、1杯目は生ビールから。
この店の焼き物はとにかく、実が大きい。
通常の1.3倍くらいだろうか。
その昔、我が家が焼き鳥の卸の店をやっていたとき、実を大きくすると、飲み屋からの引き合いが急激に増えた。大衆酒場にとって、焼きものは実の大きさと値段が命。焼き方と素材は、その次だろう。お客はその点、目がよく肥えている。
M岡さんのスポーツライティングの視点はなかなか興味深い。
松坂投手の報道は、ポスティングの落札額や契約金と年俸の話題が先行している。いや、確かに、60億円という落札金額は、それこそ巷間の話題に相応しいが、もっと成熟したスポーツ記事があってもいいのではないだろうか、というのがこの日集った我々の意見であった。
そんな議論が白熱するなか、わたしは、ある一点に目線が釘付けになった。
それは、わたしから見て、やや斜め前のカウンターに座る女性の後ろ姿。もっと厳密に言えば、斜め30度の角度から見えるその女性の胸の膨らみの曲線に、だ。パステル調のカラフルな黄緑色のセーターの上から分かる悩ましい流線型に心の中の狼が叫ぶ。
斜め後ろの姿だから、はっきりとは分からないが、歳の頃は20代後半。髪はライトブラウンのセミロング。背筋をしゃんと伸ばし、印象は清楚だ。
見たところ、(おっさん、かなり執拗に見ている)中肉中背といったところ、いやむしろ線はやや細めなのだが、胸元のカーブは大きい。
腰のくびれが悩ましさを更に助長されているようだ。
店内には30人ばかしの客がそれぞれ飲んでいるが、女性はこの人を含めて2名。もう一人の女性はおばさん。我々のテーブルから2つ奥にいるようで、さっきからやたらと大きな声で会社の噂話に忙しい。
更に、店の平均年齢を推計すると、恐らく40代も後半に差し掛かると思われる中で、恐らく一人20代であるのが、この紅一点(実際にはもうひとりいるけれど)だ。
一体、どんな人と来ているのか、気になってその左隣を見てみると、そこには50代前半の男性が。どうも、2人で飲みに来ているようだ。
怪しい!実に怪しい!
普通に考えて、この新橋の大衆酒場に夫婦では来ないよなぁ。どう、見てもあのお互い楽しそうに談笑する姿は夫婦ものではない。
それとも、親子か?いや、やはりこんなに楽しそうに、おっさんの鼻の下が下がっている顔を見れば、親子関係も否定したい。それならば、叔父と姪の関係か?もし、そうだとしたら、もう少しおしゃれなところで食事をするだろう。
とにかく、完全に怪しいオーラにこの2人は包まれているのだ。
「どうした?」というMJの声がして、わたしは我にかえった。
気がつけば、MJとM岡さんは、松坂投手からメジャーリーグの話題で盛り上がり、しかも、生ビールも空になって、飲み物を頼もうとしている。
「オレ、ホッピーね」とMJ。
うむぅ、MJがホッピーならわたしも譲れない。
我々のテーブルには、ホッピーが2本、そして中身の入ったジョッキが3つ運ばれた。
ホッピーを飲み始めても、わたしは斜め前の豊かな曲線が気になって仕方なかった。ある意味、凝視していたと言っても過言ではない。
果して、この2人の関係や、いかに!と考えれば考えるほど気になってくる。
暫くして、わたしはトイレに立った。
戻って席について、曲線美のほうに目をやると、もう2人の姿はなかった。
一体この後どこへ?
おっさん、しっかり家へ帰したか?それとも、もしかして!もしかして!「もしかしてPARTⅡ」(唄 小林幸子、美樹克彦)!
♪2人の行く先はひとつ~♪か?
うっ、いかんいかん。オレ疲れているのか?
それとも、既に3杯も中味を飲み干して、いよいよ酔いが回ってきたのか。
妻と娘が山口に帰省して、はや3日。
やっぱり、寂しいのかな。
最後、1杯飲んで帰ろう、という段になった。
つまみも最後一品頼むということで、物色すると壁に「たこマヨカレー」との文字が。試しに頼んでみて、びっくり。これがバカうま。
生蛸の足にカレー風味のマヨネーズをあえたものなのだが、一見ゲテモノのようだが、なかなかオツな味がする。これはホッピーにお奨めの一品。
値段は510円と高いが、もやもやとするわたしの心を、見事に吹き消してくれた。
スポーツライターM岡さんと友人MJとで、飲みに行くことになったからだ。
仕事を終えたのが19時過ぎ。彼らは先に集って、既に一杯やってるらしい。
連絡すると、店は「まこちゃん別館」であるとのこと。
同店を訪れるのは「居酒屋放浪記NO.0010」以来、約2年ぶり。
19時半、急いで店に馳せ参じる。
新橋烏森口は相変わらず、人いきれ。
そして、「まこちゃん」も満員御礼だ。
やきとん焼く白煙煙る中、狭い店内のカウンター、身を縮めて通り過ぎ、テーブル席にたどり着くと、その一番手前に身長185cmの大男が体をすぼめて座っている。
4人掛けのテーブルだが、店内の通行上、通路側に2人は座れない、とのこと。後に来たのに、わたしは奥の席に座らせてもらった。
駅のキオスクに置いてある夕刊紙は、こぞって西武ライオンズ、松坂大輔投手のボストンとの契約交渉の模様を報じている。
酒の肴はシロ、カシラ、タンと松坂投手だ。
まず、1杯目は生ビールから。
この店の焼き物はとにかく、実が大きい。
通常の1.3倍くらいだろうか。
その昔、我が家が焼き鳥の卸の店をやっていたとき、実を大きくすると、飲み屋からの引き合いが急激に増えた。大衆酒場にとって、焼きものは実の大きさと値段が命。焼き方と素材は、その次だろう。お客はその点、目がよく肥えている。
M岡さんのスポーツライティングの視点はなかなか興味深い。
松坂投手の報道は、ポスティングの落札額や契約金と年俸の話題が先行している。いや、確かに、60億円という落札金額は、それこそ巷間の話題に相応しいが、もっと成熟したスポーツ記事があってもいいのではないだろうか、というのがこの日集った我々の意見であった。
そんな議論が白熱するなか、わたしは、ある一点に目線が釘付けになった。
それは、わたしから見て、やや斜め前のカウンターに座る女性の後ろ姿。もっと厳密に言えば、斜め30度の角度から見えるその女性の胸の膨らみの曲線に、だ。パステル調のカラフルな黄緑色のセーターの上から分かる悩ましい流線型に心の中の狼が叫ぶ。
斜め後ろの姿だから、はっきりとは分からないが、歳の頃は20代後半。髪はライトブラウンのセミロング。背筋をしゃんと伸ばし、印象は清楚だ。
見たところ、(おっさん、かなり執拗に見ている)中肉中背といったところ、いやむしろ線はやや細めなのだが、胸元のカーブは大きい。
腰のくびれが悩ましさを更に助長されているようだ。
店内には30人ばかしの客がそれぞれ飲んでいるが、女性はこの人を含めて2名。もう一人の女性はおばさん。我々のテーブルから2つ奥にいるようで、さっきからやたらと大きな声で会社の噂話に忙しい。
更に、店の平均年齢を推計すると、恐らく40代も後半に差し掛かると思われる中で、恐らく一人20代であるのが、この紅一点(実際にはもうひとりいるけれど)だ。
一体、どんな人と来ているのか、気になってその左隣を見てみると、そこには50代前半の男性が。どうも、2人で飲みに来ているようだ。
怪しい!実に怪しい!
普通に考えて、この新橋の大衆酒場に夫婦では来ないよなぁ。どう、見てもあのお互い楽しそうに談笑する姿は夫婦ものではない。
それとも、親子か?いや、やはりこんなに楽しそうに、おっさんの鼻の下が下がっている顔を見れば、親子関係も否定したい。それならば、叔父と姪の関係か?もし、そうだとしたら、もう少しおしゃれなところで食事をするだろう。
とにかく、完全に怪しいオーラにこの2人は包まれているのだ。
「どうした?」というMJの声がして、わたしは我にかえった。
気がつけば、MJとM岡さんは、松坂投手からメジャーリーグの話題で盛り上がり、しかも、生ビールも空になって、飲み物を頼もうとしている。
「オレ、ホッピーね」とMJ。
うむぅ、MJがホッピーならわたしも譲れない。
我々のテーブルには、ホッピーが2本、そして中身の入ったジョッキが3つ運ばれた。
ホッピーを飲み始めても、わたしは斜め前の豊かな曲線が気になって仕方なかった。ある意味、凝視していたと言っても過言ではない。
果して、この2人の関係や、いかに!と考えれば考えるほど気になってくる。
暫くして、わたしはトイレに立った。
戻って席について、曲線美のほうに目をやると、もう2人の姿はなかった。
一体この後どこへ?
おっさん、しっかり家へ帰したか?それとも、もしかして!もしかして!「もしかしてPARTⅡ」(唄 小林幸子、美樹克彦)!
♪2人の行く先はひとつ~♪か?
うっ、いかんいかん。オレ疲れているのか?
それとも、既に3杯も中味を飲み干して、いよいよ酔いが回ってきたのか。
妻と娘が山口に帰省して、はや3日。
やっぱり、寂しいのかな。
最後、1杯飲んで帰ろう、という段になった。
つまみも最後一品頼むということで、物色すると壁に「たこマヨカレー」との文字が。試しに頼んでみて、びっくり。これがバカうま。
生蛸の足にカレー風味のマヨネーズをあえたものなのだが、一見ゲテモノのようだが、なかなかオツな味がする。これはホッピーにお奨めの一品。
値段は510円と高いが、もやもやとするわたしの心を、見事に吹き消してくれた。
しかし、スケベって、ホントに『いらやしい人』っていう響きだよね。
しかし、赤裸々に書いてていいでしょ。
オレはかっこつけないよ。
酒は心の思うままに飲んでるんだからね。
考えたくとも、そんな環境にないんじゃないかしら。
でも、わたしは結構気が散ってるかも。
ムラムラしてるよ。常に。
子供が生まれて騒がしい日々にポツリと一人で家に帰るのは
なんだか寂しそうです~~。
大衆居酒屋でも小料理屋でも、
ペアを見ると、「明らかにアヤシイ関係」に見える二人って妙に気になっちゃいますよね。
あらぬ想像をしたりしてて、結局「あ、親子なのね」なんてこともありますが(笑)。
毎日飲んだくれていたので、なかなか全てをアップできて
いない状況です。
まき子さんも、飲み中は案外きょろきょろしてるんですねぇ。