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居酒屋さすらい 1041 - 徹夜明けの一杯 - 「鉄板酒場 鐵一」(北区赤羽)

2016-07-21 23:00:00 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

ボクはただただビールだけを目指して赤羽岩淵の駅を降りた。

あまり記憶がない。

これは飲酒後の話しではなく、まだ飲酒前である。

 

達成感はなかったが、燃え尽きた手ごたえがある。

まだまだいいものができたであろうという後悔もある。

卒業論文。

ボクはこの日、2日の完徹を経て、卒論を提出した。

提出期限の2分前。いや、もしかすると1分前だったかもしれない。ちょっとサーバーがビジー状態になっていたら、完全にアウトのきわどいタイミングだった。

卒論はあまりいい出来とはいえないものだった。

指導教員曰く、「理論が破綻してい」た。

だから、この日も会社を休み、期限ぎりぎりまで悪戦苦闘したのだった。

 

いや、もうこれ以上言うのはやめよう。ともかく、ボクは卒論を提出したのだから。

午後3時の赤羽は空いていた。

1番街を目指して歩いたが、「まるます家」の前を通り過ぎ、ボクはその近くにある「鐵一」という店に入った。

気兼ねなく飲めそうな店だった。しかも平日の昼下がり、店は空いていた。肩を寄せ合いながら飲む店ではなく、ボクは文字通り店に吸い込まれるように入った。

 

「生ビール」(463円)。

キンキンに冷えた中ジョッキをボクは数秒で飲み干した。

「もう一杯」。

八名信夫のような声でボクは店員に告げた。

その一杯も僅か数十秒で文字通り泡と消えた。

 

後のことはもうよく覚えていない。

手元にあるレシートを見ると、

「牛モツ煮込み」(299円)、「ねぎぶくろ」(308円)、「ハムカツ」(390円)をオーダーしたらしい。

飲み物は「ホッピーセット」(411円)、「中 焼酎」(206円)×2。

意識はなくても、思いっきり自分の好物のものを頼んでいるのが面白い。

多分、居心地がよかったのだろう。

2,746円、しっかりと食べて飲んだ。

 

長い長い闘いだったなと思う。

この5年間、ほぼ毎晩遅い時間まで勉強を続けたものだと思う。勉強が嫌いだった少年だったのに。

そんな思いに浸りながら、自分だけの時間を過ごした。

どこをどう帰ったのか、帰路も全く記憶がない。

 

ただ、家に帰った頃はもうとにかく眠くて、テレビの前でうとうとしていたら、そのまま後ろに倒れて頭を打った。それで、頭がおかしくなったのか、娘が言うには、おかしな言動もしたという。

その日は19時には寝てしまった。

やけに布団が柔らかく、優しさに包まれているような気がした。

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