三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
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嘆きのブルーチーズ

2012-06-05 08:34:43 | 作りました。
〈5月9日の食事〉
朝:ブルーチーズとハチミツのトースト コーヒー
昼:お弁当(白米、ゴーヤと豚肉の炒めもの、卵焼き、キャベツコチュ和え)
夜:フルーツグラノーラ+ヨーグルト スモークチーズ

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青山のファーマーズマーケットで買ったハチミツが、当たりなのであった。
「海辺ラベンダー」という詩的な名前のついた(って、実際そんな場所で採集されたんだろうけど)それは、味わいもまた可憐。
といってもそんなに味の差が分かる人間でもないのたが、実は苦手だなと感じるハチミツが多く、普段から好き!と思えるハチミツがあまりないのは確か。
単体でも味わえるって、そうそうないことなのである。

そんなハチミツと出会えたなら、これを試さないわけにはいかないだろう。
ブルーチーズとの組合わせである。
これとの組合わせに限っては、どんなハチミツも好きなのだから、うまいハチミツでやったらさぞかしなものだろう。
とはいえ朝だ、それだけ用意して、酒が飲みたくなっても困る。
ならば以前出前をとって美味しかったピザよろしく、ピザトーストとして対峙しよう。

そのピザは、ブルーチーズ単体が使われていたわけではなかった。
ブルーチーズを始めとする数種の混合チーズである。
けれど他のチーズはないし、同じものを作りたい訳ではないからまあいいかと、先を進める。
ブルーチーズは室温で戻していたものの、それでもまだパンに塗りたくるには固い。
トーストして溶けて広がるのを狙い、ダイス状にカットしたものを食パンに乗せ、オーブンで温めることにした。

今にして思えば、トースト後に乗せて、余熱で溶けるのを期待すればよかったのだ。
ブルーチーズもろとも過熱するとどうなるか。
といえば、匂いもまた熱と共に広がることを意味する。
ブルーチーズの匂いが大丈夫な私すら、ちょっと臭いなと感じるほど。
また、まんべんなく薄く塗ったときに比べたら、ダイスで置いてしまうとどうしたってパン一枚に対してのチーズの量が多い。

結果、みだりにしょっぱくて臭いトーストが出来上がってしまった。
そういえば、味も匂いも、温度が高い方が感知しやすいんだっけ、と思い出す。

それでもまあ、美味しいと思う組合わせである。
過剰ではあるけど、まあ美味しいベクトルは向いているよ。
ハチミツも沢山使わないと太刀打ちできないけど。
更にいえば、合わせるのはコーヒーじゃないけど。
ビールだったらバッチリだなあ。
言い聞かせるように完食する。

本当の悲劇はこれからだった。
のそのそと起きてきた同居人が、キッチンのそばを通るなり、「なにこれ!?」と顔をしかめる。
…そうだ、この人はブルーチーズの臭いが嫌いなのであった。
もうトーストは私の胃の中だったが、嫌いな人には残り香だってたまらないに違いない。
だって、温められた空気に乗って蔓延してるもの…

「いやね、ブルーチーズを使ってトーストをね…」と弁明したときの、彼の嫌そうな顔と、遠巻きにしか確かめようとする様は忘れられないだろう。
うん、私が悪かったよ、ごめんね、もうしないよ、だって私もきつかったもん…

苦笑いで場を濁しながらも、脳裏を横切るのは紛れもない本音。
されどこのまま引き下がるのは悔しいので、どうにか改良点を加え、ブルーチーズとハチミツのトーストを完成させたいと思っている。

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