システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

(2016.6.11)大学教育学会 ラウンドテーブル これからの大学における教育・学修支援の専門性

2016-06-11 14:02:19 | イベント参加
(所感)
・短時間なので、"能力"の議論は深まらないのは仕方ない。
・だが、竹内氏、井上氏などの指摘は、興味深い。
・一足飛びに「ボーダレス」にはならないとしても、職員も学習を支援する要員だとの位置づけ、FDプログラムへの参加、人事の運用で、変えていける部分は多いのではないか。

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■■挨拶(千葉大・竹内)
○コンテンツ
○空間
 → 一定の調査をしてきた

○人的支援
 →誰が、どのような役割

・大学院生のサポート 一定の成果
 相談者が悩みがあるという前提。
 それ以外の面も意識しつつ。

○ニーズとプログラム立案

■■教育学習支援に求められる専門性(千葉大・白河)
■1.背景
○大学教育の現代的特徴
・構成
 幅広い教養教育
 各領域の専門教育
 (積み上げ型/広がり型、学際領域、入学後の専門選択)

・求められる様々な教育
 高大接続、初年次教育、

○「専門性」の必要性
・「大学教育の質的転換」(中教審2012)
 学修成果の向上、学習時間、組織的な教育課程

■2.現状
○専門的職員の配置状況
・学修支援 全体で25.2%(国立30.2%)  ◆そんなに?
 他の分野と比較すると、真ん中くらい

○実践事例
・ICU アカデミックプランニングセンター
・関大 学修コンシェルジュ(SDプログラム)
・愛知みずほ大学 学修コンシェルジュ(教職員)
・北大 ラーニングサポート室
・千葉大 SULA

 → 共通する能力・専門性は? 「スキル標準の可能性」

■3.専門性の可視化
・文献調査
 35項目の能力抽出
・職員へのインタビュー調査、アンケート調査

・必要な能力項目(第一次案) ◆

・ニーズ調査
 年齢層、研修の参加度でニーズにも差がある。

■まとめ
・大学職員としての能力を基盤
・対人能力
・教育課程、内容など「大学教育」の知識 →先行研究ではほとんど出ない

・ニーズの差 ◆
 能力高度化の希求への応答

○質疑
・職員を対象?
 →Yes。今回は、新しいテーマとしても検討した。
  それ以外を排除するわけではない。

・若手も含めて、広くという目的?
 →Yes

■■コメント
■山崎(玉川大学)
○ルーブリック「C」でも全てできたら、スーパー職員!?

○一人が全て習得?

○"大学職員"想定だが、一般社会人として?
 「だれでもやれる、誰でもできない」

○第三の職

○玉川大では、学位に学習指導のエビデンスという考え
○職員の場合は、適正やOJTにて。

○日本の大学の場合、教育学習支援の専門職はあまりない
 →雇用、勤務形態など制度の課題

■井上(同志社)
○白河発表について
・現場スタッフだけでいいのか。教員等にも調査して、そのギャップを「ニーズ」と見るべきでは。


「教育・学習」支援専門職
 →支援という脇役

「教育=学習支援」専門職
 →教育(授業)=学習支援なので教育専門職

 これを数年言ってきた ◆

○教員と職員の二分法がナンセンス、ボーダレスに…


○「直接の関与」
橋を架けるのではなく、埋め立てて地続きにする。

  教員 ||  教育・学習支援職員

・地続きにするための能力は?
 ドメイン1に特化すべきでは。

○イギリス事例
PGCHE(新任教員の資格課程)プログラム
Post Graduate Certificate in Higher Education
 国の資格を受けて、教員資格に。

・UKPSFのプログラム内容
 領域、レベルを整理している。

 制度でなく、「中味」に興味がある。

・図書館職員が教員と同じプログラムを受けている大学も

・Worwick 大学、Learning and Development Centre

■■ワークショップ
<<あなたの考える教育学習支援に必要な能力は何か>>
 コンセンスが得られたものを3つ発表

○1班
コミュニケーション力 など

○2
学生を理解する力
つなぐ力
大学独自の状況・特性を知る

○3
知識理解
社会人としての基礎力

○4
支援の設計能力
つなげる能力

○5
学生に聞く能力
ツールの活用力
専門性が必要とされている状況を知る

そういう人が孤立しないように大学全体として◆

○6
覚悟と努力継続
知識
コミュニケーション力

○7
学生を対応スキル(ライティングなども)
コミュニケーション、つなぐ、他部署のこと
大学の戦略を知っている
本人の態度

○8
傾聴力
高等教育事情
学習や研究に打ち込んだ経験

■コメント
・山崎 コミュニケーション? ベースは?
・井上 学生は支援を受ける側。職員は縮こまらず。

■討論
・久保山:「そういう人が孤立しないよう」というのは、能力の議論を続けていくと必ず課題になるのではないか。
 →司会:何かコメントは? →10秒くらいシーーン
 →、安東:そういうことはある。

 *この場に仕事できている人、この学会が職場で話題になっている人の数を聞いても面白かったか。

・竹中:白河発表の「若手のニーズに応えられていない」
 →新しいテーマなので、プログラムが成立していない
  組織の中で、誰がやるのか。

・教員:職員を「先生」と見る学生。学生のニーズをどうカバーするか。教員は自分の専門に閉じこもりがち。
 「覚悟」。下からと上から、両方が大事だと。
 山崎:教育機関に勤める時点で、その覚悟はいるだろう。

・井上:学習支援の話。上岡さんなど、情報リテラシー教育でやってきた。
 これがやっと議論できる環境に(ラーコモなど背景に)

・竹内:2008年の答申以降、図書館の「片思い」が変わってきた。
 日本の教育が「教室」に閉じこもっていたのが、場所・人が混在してきた。
 図書館業界の人は、この機会に広げてほしい。
 それ以外の人には、図書館のリソースを活用してほしい。
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