・発表者 :
入江伸氏(慶應義塾大学メディアセンター本部)
・テーマ :
インターネットへ対応するための図書館・システム:Aleph+Primoの導入について
・参加者数:50名程来られていたでしょうか
http://www.tezuka-gu.ac.jp/public/seiken/meeting/news.html#201006
●個人的な問題意識(参加前)
・海外パッケージの導入事例
他の大学図書館で使えるかは、やや疑問だが、何か発想のヒントが得られるか。
・ちょうど NACSIS-CAT の講習会のお手伝いをしたところでもあるので、CAT-P形式のレコードについて考える材料が出てくるか
●個人的なまとめ
・紙媒体と電子リソースを扱う部署は分けるべきか(分けた方がいいという印象を持ちましたが、現実的なあたま数でどうできるかということも含む)
・NACSIS-CATの書誌レコード形式の、あり方、周囲との連携方式などについて、まずは議論してみるのが大事ではないか。(この点は、懇親会の席で入江さんからも強く訴えられました)
以下、例によって私の独断や誤解もあるであろうメモです。
――――――――――――――――――
タイトル= 海外パッケージ導入のわけ: 次世代OPACではありません
■お断り
・今日は入江さんの私見
■自己紹介
・慶応に1997年に入る前は、汎用機系のシステム屋さん
・慶応(図書館?)は、システム担当を外から数年おきに採用している。
・1998.10 MARC21フォーマットに移行
(偶然、早稲田も同じタイミング)
・2010.4. KOSMOSⅢ稼働 (Aleph, Primo)
■全文検索実験の問題意識
○時代認識
「もの」:紙のアカデミック資料をインターネットアクセス可能に引っ越しさせ、紙を保存する
「でんし」:
○図書館の役割変化
○図書館が存在できる基盤
・著作権を制限できる権利、書庫(場所)、予算の集約
・デジタルでこの基盤を維持できるか(認証などの技術基盤)
■メタデータのトピック
○MLA連携で思ったこと
・データのマッピング
・「連携」がキーワード
○リポジトリ
・図書館でのサービス統合を目指してMODSをマッピング
○GLP
・物理単位への傾斜
・データで大事なのはコード!
国際的に通じる番号は、ISBN, LCN, [??] 。これらが入っていないレコードは無意味。
#記述部はどっちでもいい、という発言は、目録講習会後の身としては、苦笑しました。
・データ容量(慶応の例で)
メタデータ 4G、 全文テキストデータ 90G
■システムリプレース
・「E」とシステムで、「紙」と対抗する組織
#入江さん仰るように、紙の目録担当、購入担当の数があまり変わっていないところって多いのではないではないでしょうか
○KOSOMOS2の時
システム分散(一つのサブシステム=一つのサーバ)、業務集中
○システム選択のポイント
・コストの構造の変化
資料費 電子リソースへの傾斜
運営費 モノ管理のために維持
・システム導入コスト
10年前は汎用機撤退コストでやったけど、今回は、4年リースのサーバを1年の再リース
○何で海外パッケージか
・前提
Eリソースの管理は国内パッケージでは無理!
・システム選択肢
モノ管理の部分をコストダウン; デジタルリソース管理の充実
・いろいろあって、Alephに
組織もデジタルと紙を分けた
○開発、カスタマイズ
・職員だけの開発室で日本語化(5-6人)。Aleph側とも交渉
・困ったのは、MARC21を扱える業者がいないこと
○海外パッケージでの開発手法
・業務的に”絶対”譲れないことをはっきりさせる;要望;できるだけ業務フローを変える
○Primo
・Aleph OPAC が貧弱
・N-gramエンジンでOPACができるか (など)
(*)FRBRは、データ作成手法ではなく、加工技術(見せ方の工夫)
データフォーマットの変更は相当大変なので、それ以外に労力を投入するべきという考え方
○モノとデジタルのサービス構造
MyLibrary (紙の)Catalogue 電子リソース管理
(Converter)
Primo
(*)紙のCatalogueの部分のコストをいかに下げるか
○結局できたこと
・認証を中心としたサービスシステム構造
(MyLibraryもよく利用されている)
・Aleph Primo で業務とサービス
・(モノに対抗する)電子とシステムのグループの組織化
#一橋大図も図書館のシステム担当と基盤センター系の組織を変えて、最近、元に戻したという話もあるらしい。
○これからの課題
・安定運用確保
・デジタルリソースから見た図書館システムの再構築
#これは大事だなぁ。どうするのか。
・ハイブリッドはデジタルへの過程
・ハイブリッドは、モノからデジタルへの移行を促進しなければダメ
・アカデミック資料をインターネット上に広げる努力が必要
○トピック
・NDLのOCLC登録/MACC21への適用をどう考えるか
メタデータのフォーマットは誰でも分かるように
・標準とは何か
無駄が多くきたないけど、話すことができる
集団でやるときは
・CAT-Pはなぜダメなのか
出島戦略; 護送船団; コストのばらまき
(OCLCのデータをNII経由でないともらえない? 直接K書店経由で契約しないのはなぜ? 国際的にも大学も戦わないといけないのに)
グローバルで話すことができない
NACSISへのOCLC Z39.50 実装の経緯
=====================
(討論)
■ExLibris社とのやり取りの具体例
→一番多いのは、発注/支払と閲覧。閲覧は規則の細かさがネック。
○経理部門とのやり取りは?
→それは1998年時点にしている。
○採用してもらったカスタマイズは?
→目録の日本語部分は割とやってくれた。
それ以外は自分たち(3人)で。
■MARC21の問題点とは?
→EJ, EB もMARC21で来るので、それでいいのでは。
■(入江さんから) なんでNIIのやり方を抜けないの? 疑問を感じないの?
→(K大のNさん) 諸々の理由。「政治」の部分。
→(入江さん)目立たないと生きていけない。それを容認してくれる大学。外を知っている教員、ライブラリアンの存在 (情報が入ってくる)。
#ここはさんざん入江さんから参加者に話が振られましたが ”返す言葉もなく” という状態で(言い訳のような現状説明はできたでしょうが)私も黙っていました。
よく似た状況が昨年6月のサンメディア社のセミナーでもありました。
その場で議論白熱の方がいいですが、蒔かれた種は育てないといけません。
http://blog.goo.ne.jp/kuboyan_at_pitt/e/b784039d5ca39bd87626b7c2180dab6c
■ILLはどのように?
→NII+iLisWaveで。
(以上)
入江伸氏(慶應義塾大学メディアセンター本部)
・テーマ :
インターネットへ対応するための図書館・システム:Aleph+Primoの導入について
・参加者数:50名程来られていたでしょうか
http://www.tezuka-gu.ac.jp/public/seiken/meeting/news.html#201006
●個人的な問題意識(参加前)
・海外パッケージの導入事例
他の大学図書館で使えるかは、やや疑問だが、何か発想のヒントが得られるか。
・ちょうど NACSIS-CAT の講習会のお手伝いをしたところでもあるので、CAT-P形式のレコードについて考える材料が出てくるか
●個人的なまとめ
・紙媒体と電子リソースを扱う部署は分けるべきか(分けた方がいいという印象を持ちましたが、現実的なあたま数でどうできるかということも含む)
・NACSIS-CATの書誌レコード形式の、あり方、周囲との連携方式などについて、まずは議論してみるのが大事ではないか。(この点は、懇親会の席で入江さんからも強く訴えられました)
以下、例によって私の独断や誤解もあるであろうメモです。
――――――――――――――――――
タイトル= 海外パッケージ導入のわけ: 次世代OPACではありません
■お断り
・今日は入江さんの私見
■自己紹介
・慶応に1997年に入る前は、汎用機系のシステム屋さん
・慶応(図書館?)は、システム担当を外から数年おきに採用している。
・1998.10 MARC21フォーマットに移行
(偶然、早稲田も同じタイミング)
・2010.4. KOSMOSⅢ稼働 (Aleph, Primo)
■全文検索実験の問題意識
○時代認識
「もの」:紙のアカデミック資料をインターネットアクセス可能に引っ越しさせ、紙を保存する
「でんし」:
○図書館の役割変化
○図書館が存在できる基盤
・著作権を制限できる権利、書庫(場所)、予算の集約
・デジタルでこの基盤を維持できるか(認証などの技術基盤)
■メタデータのトピック
○MLA連携で思ったこと
・データのマッピング
・「連携」がキーワード
○リポジトリ
・図書館でのサービス統合を目指してMODSをマッピング
○GLP
・物理単位への傾斜
・データで大事なのはコード!
国際的に通じる番号は、ISBN, LCN, [??] 。これらが入っていないレコードは無意味。
#記述部はどっちでもいい、という発言は、目録講習会後の身としては、苦笑しました。
・データ容量(慶応の例で)
メタデータ 4G、 全文テキストデータ 90G
■システムリプレース
・「E」とシステムで、「紙」と対抗する組織
#入江さん仰るように、紙の目録担当、購入担当の数があまり変わっていないところって多いのではないではないでしょうか
○KOSOMOS2の時
システム分散(一つのサブシステム=一つのサーバ)、業務集中
○システム選択のポイント
・コストの構造の変化
資料費 電子リソースへの傾斜
運営費 モノ管理のために維持
・システム導入コスト
10年前は汎用機撤退コストでやったけど、今回は、4年リースのサーバを1年の再リース
○何で海外パッケージか
・前提
Eリソースの管理は国内パッケージでは無理!
・システム選択肢
モノ管理の部分をコストダウン; デジタルリソース管理の充実
・いろいろあって、Alephに
組織もデジタルと紙を分けた
○開発、カスタマイズ
・職員だけの開発室で日本語化(5-6人)。Aleph側とも交渉
・困ったのは、MARC21を扱える業者がいないこと
○海外パッケージでの開発手法
・業務的に”絶対”譲れないことをはっきりさせる;要望;できるだけ業務フローを変える
○Primo
・Aleph OPAC が貧弱
・N-gramエンジンでOPACができるか (など)
(*)FRBRは、データ作成手法ではなく、加工技術(見せ方の工夫)
データフォーマットの変更は相当大変なので、それ以外に労力を投入するべきという考え方
○モノとデジタルのサービス構造
MyLibrary (紙の)Catalogue 電子リソース管理
(Converter)
Primo
(*)紙のCatalogueの部分のコストをいかに下げるか
○結局できたこと
・認証を中心としたサービスシステム構造
(MyLibraryもよく利用されている)
・Aleph Primo で業務とサービス
・(モノに対抗する)電子とシステムのグループの組織化
#一橋大図も図書館のシステム担当と基盤センター系の組織を変えて、最近、元に戻したという話もあるらしい。
○これからの課題
・安定運用確保
・デジタルリソースから見た図書館システムの再構築
#これは大事だなぁ。どうするのか。
・ハイブリッドはデジタルへの過程
・ハイブリッドは、モノからデジタルへの移行を促進しなければダメ
・アカデミック資料をインターネット上に広げる努力が必要
○トピック
・NDLのOCLC登録/MACC21への適用をどう考えるか
メタデータのフォーマットは誰でも分かるように
・標準とは何か
無駄が多くきたないけど、話すことができる
集団でやるときは
・CAT-Pはなぜダメなのか
出島戦略; 護送船団; コストのばらまき
(OCLCのデータをNII経由でないともらえない? 直接K書店経由で契約しないのはなぜ? 国際的にも大学も戦わないといけないのに)
グローバルで話すことができない
NACSISへのOCLC Z39.50 実装の経緯
=====================
(討論)
■ExLibris社とのやり取りの具体例
→一番多いのは、発注/支払と閲覧。閲覧は規則の細かさがネック。
○経理部門とのやり取りは?
→それは1998年時点にしている。
○採用してもらったカスタマイズは?
→目録の日本語部分は割とやってくれた。
それ以外は自分たち(3人)で。
■MARC21の問題点とは?
→EJ, EB もMARC21で来るので、それでいいのでは。
■(入江さんから) なんでNIIのやり方を抜けないの? 疑問を感じないの?
→(K大のNさん) 諸々の理由。「政治」の部分。
→(入江さん)目立たないと生きていけない。それを容認してくれる大学。外を知っている教員、ライブラリアンの存在 (情報が入ってくる)。
#ここはさんざん入江さんから参加者に話が振られましたが ”返す言葉もなく” という状態で(言い訳のような現状説明はできたでしょうが)私も黙っていました。
よく似た状況が昨年6月のサンメディア社のセミナーでもありました。
その場で議論白熱の方がいいですが、蒔かれた種は育てないといけません。
http://blog.goo.ne.jp/kuboyan_at_pitt/e/b784039d5ca39bd87626b7c2180dab6c
■ILLはどのように?
→NII+iLisWaveで。
(以上)
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