システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

(2014.9.6)Code4Lib JAPAN カンファレンス 2012

2014-09-07 21:04:47 | イベント参加
鯖江市図書館にて。

※例によって、本記事の記述は私の個人的メモであり、不正確・不十分なところがあり得ます。

■■基調講演 文化資源のデジタル化とその課題(京都府立総合資料館 福島)

■1.文化資源という捉え方
○文化資源の定義
「ある時代の社会と文化を知るための手がかりとなる貴重な資料の総体」(文化資源学会 設立趣意書)

「その時代をともに生きる人々が心豊かに生きるための精神的な共有財産としての「文化」をつくるための資源」(文化資源の広域的活用に関する研究」)

 要は、全て


「パッケージ化」された文化資源
 既に整理された 書籍・絵画・仏像・古文書など

「プレ文化資源」
 未整理の 紙の束・書簡の固まり・雑多なプリント...

○東日本大震災の衝撃
 文化資源に対する大きな打撃

■2.東寺百合(ひゃくごう)文書のデジタル化 
○百合文書
・奈良時代~江戸初期までの1000年にわたる25,000通近くの文書
・茨城県~熊本に散らばる荘園
・「東寺」の事務書類の集積

○1967年に東寺から購入、修理や整理を開始
 写真帳、利用に手続きが必要

○デジタル化へ 2013~
 DB構築チーム
○撮影作業、84,000カットのデジタル化

○使えるデータ
・「使えるデジタルデータ」の作成と流通を重視
・特に工夫しようとしたのが利用規則等の仕組み
 「クリエイティブ・コモンズ 表示2.1 日本ライセンス」
 なにより「自由に使ってもらいたい」という発想

東寺百合文書Web
http://hyakugo.kyoto.jp/

○成果還元の「特段のお願い」
・成果物を提供依頼 → 収集方針に合うものを蔵書として保存、次の世代に

○反響
○周囲の状況

○挑戦のポイント
・短期間でのデジタル化、40年間の整理・マイクロ化の蓄積

○デジタル化の諸段階
・以下の 1,2,4が大事ではないか(3が注目されるが)

1)対象資料の決定
・受容の指標?? 「事業目標」からの展開?
・資料の価値判断が立場で異なる
・撮影自体の「容易さ」
・準備状況とのかねあい("貯金"がどこまであるか。百合はマイクロがあった)

2)資料の整理・メタデータ付与
・プレ文化資源の整理
・深さと広さのバランスを考えたメタデータ付与
 メタデータの形式標準化は当面困難

3)コンバート

4)公開
・アクセス と 利用・再利用 は別概念
・ccにこだわらずとも、ともかくライセンス表記を

○人材の問題
 コンテンツが解る
 データベースが解る
 Webの状況が解る
 社会状況が解る

「(一人でできなくても))チームとして組み合わされないと、デジタル化できない」
 ↓
(質問/久保山)
・チームを作る時にそれが配慮されたのか、進む中でそうなったのか、今後チームを作る時にそれができるか考えることがあれば。
 ↓
・最初はDB化の話に注力してしまう。
 DB化とWeb公開のギャップに気付いたのは、割と最終
・何が必要か、何が足りないかが分かるように。
 分かれば聞くことができる。

○諸課題


■■ライトニングトークから
○図書館司書課程授業におけるウェブサイト評価の実践の試み(天理大学・古賀)
・リサーチナビ、レファ協など
・評価視点は提示
・高校までの「情報」授業でも、大学の他の授業でも、Webサイトの評価を習っていない様子。

○鯖江市図書館の空席状況が分かるシステム
・JK課のメンバーから、現在の一部の一人座席だけじゃなく、館内全体の空席状況が分かるといいとの発言。

確かに。
(PC利用状況は国内実績あったはず。個人ロッカーはどこかの国の温泉施設で見た記憶)。
韓国の大学図書館では見られるそうです。

行き過ぎ?
一方でそこまで投資するか、座席自体の使いやすさ設計(横との間隔や、仕切り方)も大事か。

■■余談
○鯖江市図書館
・高校生の自習は特に制限していない。他のお客さんに影響が出るほどでもない。繁忙期は会議室を開放することもある。

・とても居心地いい感じがした。
理由は、静かさ、間接照明、エリアごとの明暗、タイプの異なるイスなどだろうか。
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