海外の車の番組などを見ていて、ほとんどが車は左ハンドルで、右側通行の国が多い。道路総延長距離にして、世界の9割にあたる道路が右側通行ということだ。日本だけではないが、何故、そのような大勢と逆なのか?
日本では、車というものがない時代から左側通行をしていたとのこと。武士が刀を左わきにさしているため、体の左側へ、刀の鞘が少し幅をとる形で外へはみ出る。そのため、お互いに右側を歩行すると、刀の鞘同士が、こっつんこっつん当って、面倒だったようだ。実際、それで小競り合いになっていた模様だ。これは道理にかなっていると思う。また、右ききにとって、右側へスペースを作るほうが、争いごとには対処しやすいとの面もあったようだ。そうしたことは、日本以外の諸外国でも同じ状況にて、大昔は同じような理屈で左側通行だったようだ。ナポレオンがあえてそれを右側へ変えたという説などもあるが、事実は確認されていない。ナポレオンに占領されていない、英国と、英国の植民地(オーストラリア、インドなど)については、そういえば日本と同じ左側通行で、一見、なるほどと思える説ではあるが。
しかし、世界の大勢が、クルマについては右側通行が多く、ハンドルの位置も左側となっている。これは、航空機の機長の座席も左側で、右側はサブ。右側通行が世界での取り決め。船舶の航行についても、右側通行でそれぞれすり抜けるのが世界のルールとなっている。現時点での世界での共通のルールから言えば、日本は少数派に属すると言わざるを得ない。
その昔、日本では、「車は左、人は右」 といった標語めいた言葉もあったが、人の往来について右側と決めたのは、アメリカのGHQ(日本占領軍司令部)が、自国では右側ですれ違うので、日本で歩いていると頻繁にぶつかるので、無理矢理、右側へ変えるように通達が出たのが始まりだ。それゆえ、これはそんなに古い話の出来事ではない。
鉄道は英国のものを輸入したため、左側での交差となっている。他国は反対の状況だ。
( その昔、輸入してくる電気製品の販売事業にも関わっていたが、自分が見聞きしたかぎりで、電力がジャスト100ボルトという国に出会ったためしがない。アメリカは、110-120ボルト。韓国は220-240.欧州も、ほとんど200-240だったと思う。
日本語ではコンセントとなるが、英語表現ではプラグ。その形状も違うし、日本の100ボルトというのは、まさにガラパゴスだ。それに加えて、西日本は60ヘルツ、東日本は50ヘルツと周波数も2分する状態にて、昔は、個人の引越しにもサイクル変換という手間が加わる不便があったものだ。引越しの見積もりの中にも、周波数変換費用という項目もあった。現在は、電化製品のほうで、50-60ヘルツ共用ということで対応しているため、そのようなことは必要なくなったが、2分している状況に変化はない。
電圧、周波数について、昔から結局のところ、国として本気で対応に取り組まなかったことが根本の原因だ。事情はいろいろあった。
下水道のインフラ整備や、電柱の地下埋設化など、ようはその場しのぎ、場当たり的、近視眼的な対応策しか取ってこなかったために、余計に対応が難しい環境になってきて、電圧や周波数については、もう策が講じられないくらいまで、世の中が進んでしまったというわけだ。狭い日本ゆえ、何か策を講じる、そのいっとき、暫定避難する場所を確保することすら困難な状況でもあり、良いとわかっていても対応できなかったということもあろう。はたまた、先を見越して、今のうちに実施する予算を確保して、思い切った決断の下、計画的な街づくりなどを常に念頭に置けばよかったところを、パッチワーク的な対応しかとれなかった面も多かろう。 )
車の右ハンドル、左ハンドルに対して、駐車場の精算機など、両方に対応できるなど、「お・も・て・な・し」 が、日本ほど行きとどいている国もない。それだけ、日本では左ハンドル車も、それなりの数があるということだろうが、そういった他国(お客さま)に対する配慮には頭が下がるぐらいだ。それに比して、海外で、そういった配慮しているところは、ついぞ見たことがない。