今私の手元に、谷本真由美著「日本が世界一貧しい国である件について」という本があります。表紙に書いてある言葉に彼女の論点はおおむね言い尽くされています。
「日本人が世界で尊敬されてるってのは嘘」
「日本人が勤勉で責任感があるというのも大嘘」
「何か考えを突き詰めて議論するよりも空気に合わせることの方が重要」
「不幸の押し付け合い」-それが、今の日本
いかがでしょう。これは彼女がネット上に書いた雑文を一冊の本にまとめた物なのですが、日本人の一部の若者の間では、「そうだそうだ」とか「良く言ってくれた」という大好評を博しているのだ(と著者は言っています。)そうです。
本論で彼女の言いたいことをまとめると、要は日本人は無意味に働き過ぎており、ほとんどの企業は国際基準で言うとブラック企業であり、外国の勤め人は定時でかえってのんびり暮らしているのに日本人だけががむしゃらに働いている、日本はどんどん落ちぶれており、海外からは最早注目されていない、尊敬もされていない、これからもどんどん落ちぶれて行くから、一人ひとりが頑張って他人にはないスキルを身につけて行かないといけない、といった流れで話は進んでいます。
この本を読み進む中で、最初の内はふむふむと納得する部分が多かったのですが、途中から私はお前は何様のつもりなんだと言いたくなって来ました。彼女の筆先からは日本と日本人に対する愛情というものが全く感じられなかったからです。失業したら政府から補助金をもらってのんびり暮らせばいいのだ、イタリア人なんかみんなそうしてる、という言い方には、情けなささえ覚えました。みんながそんな生き方をしていたらあっという間に国家が財政破綻してしまいます。
とにかく全般を貫いているのが、お前ら日本人は本当に駄目な奴らだ、という、筆者の勝手な思い上りなのです。日本人をバカにするばかりで、日本経済が行き詰まった途端、日本から関心を失ってしまった功利主義だけの西洋人の浅薄さを非難することはありません。
筆者はイギリス人と結婚して、(多分のほほんと)イギリスで暮らしています。頭の中は悪しき西洋人、といった感じです。しかももっともらしい理屈を並べた最後の結論が、だからお前ら頑張れよな、としか言っていないのです。(恐らく著者は自分がそう言っていることに気が付いていません。)
私なりの見解を述べてみましょう。著者は西洋かぶれで脳味噌が腫れあがっていますが、肝心の日本の歴史とか地理については全く知識と認識に欠けているように思います。何がむしゃらにやってんだよ、仕事なんか適当でいいじゃないか(そんな口調に読めます)と言いつつ、今後日本は世界の国に追い抜かれ、置いて行かれ、貧しくて社会保障もままならぬ国になると確信を持って予言しているのです。これほどの自己矛盾があるでしょうか。
著者は、「すっかり枯れた国」「決してあくせくしない国」「日本がが学ぶべき国」として、イギリスを一つの模範として書いています。しかし、筆者は肝心なことに気が付いていないのです。同じ島国でもイギリスを脅かす国はありません。イギリスには正規の軍隊があり、自前の核を保有しています。誰も核保有国にちょっかいを出したりはしません。だからこそのんびりと余暇を楽しむ生活もできるというものです。
一方、核も航空母艦も無く、正規の軍隊も無い日本の周囲は、日本を敵視する国ばかりです。既に島をかすめ取って開き直っている国、これから手始めに島を奪ってやろうと虎視眈々と狙っている国、日本人を誘拐し、核実験をし、ミサイルまで開発中の国。未だに日本を占領下において知らんぷりしている国。そうした国に囲まれながら、日本は生き延びていかなければならないのです。
しかも日本には人間以外何の資源もありません。人間があくせく死に物狂いで働き、経済力で勝負して来たのが戦後の日本の歴史に他なりません。多分これから何百年先も、このことは変わりようがないでしょう。過労死その他、改善しなければならないことは山ほどあります。しかし、こんな人に頓珍漢な指摘をされるほどどうしようもない国だとは思いません。
先に予告した、西洋かぶれの悪しき一例として、この人を挙げてみました。
「日本人が世界で尊敬されてるってのは嘘」
「日本人が勤勉で責任感があるというのも大嘘」
「何か考えを突き詰めて議論するよりも空気に合わせることの方が重要」
「不幸の押し付け合い」-それが、今の日本
いかがでしょう。これは彼女がネット上に書いた雑文を一冊の本にまとめた物なのですが、日本人の一部の若者の間では、「そうだそうだ」とか「良く言ってくれた」という大好評を博しているのだ(と著者は言っています。)そうです。
本論で彼女の言いたいことをまとめると、要は日本人は無意味に働き過ぎており、ほとんどの企業は国際基準で言うとブラック企業であり、外国の勤め人は定時でかえってのんびり暮らしているのに日本人だけががむしゃらに働いている、日本はどんどん落ちぶれており、海外からは最早注目されていない、尊敬もされていない、これからもどんどん落ちぶれて行くから、一人ひとりが頑張って他人にはないスキルを身につけて行かないといけない、といった流れで話は進んでいます。
この本を読み進む中で、最初の内はふむふむと納得する部分が多かったのですが、途中から私はお前は何様のつもりなんだと言いたくなって来ました。彼女の筆先からは日本と日本人に対する愛情というものが全く感じられなかったからです。失業したら政府から補助金をもらってのんびり暮らせばいいのだ、イタリア人なんかみんなそうしてる、という言い方には、情けなささえ覚えました。みんながそんな生き方をしていたらあっという間に国家が財政破綻してしまいます。
とにかく全般を貫いているのが、お前ら日本人は本当に駄目な奴らだ、という、筆者の勝手な思い上りなのです。日本人をバカにするばかりで、日本経済が行き詰まった途端、日本から関心を失ってしまった功利主義だけの西洋人の浅薄さを非難することはありません。
筆者はイギリス人と結婚して、(多分のほほんと)イギリスで暮らしています。頭の中は悪しき西洋人、といった感じです。しかももっともらしい理屈を並べた最後の結論が、だからお前ら頑張れよな、としか言っていないのです。(恐らく著者は自分がそう言っていることに気が付いていません。)
私なりの見解を述べてみましょう。著者は西洋かぶれで脳味噌が腫れあがっていますが、肝心の日本の歴史とか地理については全く知識と認識に欠けているように思います。何がむしゃらにやってんだよ、仕事なんか適当でいいじゃないか(そんな口調に読めます)と言いつつ、今後日本は世界の国に追い抜かれ、置いて行かれ、貧しくて社会保障もままならぬ国になると確信を持って予言しているのです。これほどの自己矛盾があるでしょうか。
著者は、「すっかり枯れた国」「決してあくせくしない国」「日本がが学ぶべき国」として、イギリスを一つの模範として書いています。しかし、筆者は肝心なことに気が付いていないのです。同じ島国でもイギリスを脅かす国はありません。イギリスには正規の軍隊があり、自前の核を保有しています。誰も核保有国にちょっかいを出したりはしません。だからこそのんびりと余暇を楽しむ生活もできるというものです。
一方、核も航空母艦も無く、正規の軍隊も無い日本の周囲は、日本を敵視する国ばかりです。既に島をかすめ取って開き直っている国、これから手始めに島を奪ってやろうと虎視眈々と狙っている国、日本人を誘拐し、核実験をし、ミサイルまで開発中の国。未だに日本を占領下において知らんぷりしている国。そうした国に囲まれながら、日本は生き延びていかなければならないのです。
しかも日本には人間以外何の資源もありません。人間があくせく死に物狂いで働き、経済力で勝負して来たのが戦後の日本の歴史に他なりません。多分これから何百年先も、このことは変わりようがないでしょう。過労死その他、改善しなければならないことは山ほどあります。しかし、こんな人に頓珍漢な指摘をされるほどどうしようもない国だとは思いません。
先に予告した、西洋かぶれの悪しき一例として、この人を挙げてみました。
日本人は働きすぎだと言われるが
そこから学ぶものや得るものは多い
(的な文でしたがもっと理論があり立派な内容だったと思います)
というほうが私の価値観には合いますね。
生まれと育ちの関係で
私は母国愛や国に関する地理歴史、
想いも薄いので、
どこの国から見てどーとかこの国よりこの国が優れてるー
とか良くわからないのですがね
よくわかろうとしてない、の方が適切かしら。
年はとっても、無関心のままでは大人になれませんね。