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遷延性意識障害の夫を見送った後の、私と息子の日常を書いています。

328日。

2013年10月31日 09時56分55秒 | 日記
水曜日、法務局で夫の共済の払い戻しに必要な書類を取ろうとしたら、戸籍抄本がいるとのことで出直し。
その足で世田谷区の出張所へ行ったら、もう息子の帰宅時間なので、慌てて帰宅…したら6時間目までだったのを忘れていたので、時間がもったいなかったかも。
夕方は児童館で、学校からそのまま児童館で預かってもらう手続き。帰宅してから児童館に行くのはだれでもできるのですが、学校からそのまま行くのには手続きが必要なのです。保険などが適用されたりするので。
今度の病院の面会時間が15時からで、どうしても片道1時間はかかってしまうため、息子の下校に間に合わないんですよね…でもこれで安心。
毎日、夕方から病院に行かなくなったら、なんとなく手持ち無沙汰。でもちゃんと夕食を作れるから、今はこの時間を大切にしたいなと思います。つかの間かもしれないし…


翌日木曜日は歯医者で治療してから、法務局へリベンジ。
歯医者の治療、なかなか終わらない…でもこれも今のうちに完治させておきたいので我慢。
昨日も法務局まで行くのに迷ったりしてなかなか窓口まで辿りつけなかったのですが、今日も都営新宿線に乗ったと思ったら京王線の急行で、乗り換えて戻る、というようなトラブル有り…帰りも大江戸線の麻布十番で乗り換えるのに、なぜか地上に出ていたりだとか、息子の帰宅に間に合うだろうかとドキドキしました。
申請書類はそんな苦労はなんだったのかと思うくらい、一瞬で交付…

その足で夫の面会へ。
夫の表情は、心なしかいつもと違う驚き方のような気がしましたが、元気そうなので安心しました。
同室の方はふつうに意識のある方なので、あんまりおしゃべりできないけれど…
爪を切ったりヒゲを剃ったりした後、夫が不意に哀しそうに顔を歪めて目を閉じてしまったので、びっくりしました。こんな反応は初めてだったので。
しばらくすると目を開けたので、iPhoneで音楽を聞かせてあげることに。
私が最近16才だと知って驚いた、LordeというNZの若い女の子のアーティストの曲を手始めに、ポール・マッカートニーの新曲を聴かせると「おっ?」という表情になり、デヴィッド・ボウイの昔の曲で、目が見開かれたままに(考え事をしている時の表情)。
キング・クリムゾンがyoutubeのおすすめに並んでいたのでかけてみましたが、こちらはイマイチの反応(半目。不満そう)なのでやめました(笑)
これからは、夫の手持ちのCDから音楽を入れて行って、日替わりで聞かせてあげようかな…
それにしても、あそこまで哀しそうな顔をされたのは初めてで、私もかなり心苦しくなりました。最低でも数ヶ月は我慢してもらわないと…

325日。やっと転院。

2013年10月28日 14時30分42秒 | 日記
先週水曜の夜から息子と帰省して、日曜日の夕方、夫のところに寄りました。
病室に置いてある物や貼ってある絵や写真を片付けてしまうと、いよいよ退院かーと思って緊張しました。
私が夫の左手を持ちあげて曲げると、自分の手をじっと見ていました。
持ち上げた時の抵抗する力もだんだん強くなっている気がします。
昨日はとっても何か言いたそうでした。

今日、月曜日はいよいよ転院当日。
看護師さん、師長さんに見送られ、介護タクシーで新しい病院へ。
途中ちょっと混んでいたので40分くらいかかりましたが、すいていれば30分ちょっとかな。車だと近いです。
電車ではともかく、やっぱり夜中になにかあっても駆けつけられる距離じゃないと…

新しい病院では、とりあえず二人部屋に入れて様子を見るようです。
同室の方は行った時には寝てらしたのですが、ふつうに起きて食事をされたりしていました。
様子を見て、大部屋に移る予定です。

以下はメモのために…
レントゲンやCTによると、脳の呼吸器系に関係する部分に障害があるけれど、大脳は異常無しとのこと。
肝臓に嚢胞がいくつか。(悪性ではない)
膀胱に沈殿物有り。
もしかしたら胸水or腹水があるかも。
肺炎はない様子。

病室に入って着替えや処置をしてもらった後、部屋に入れてもらうと、夫が少し涙ぐんでいるような…
しばらく部屋にいましたが、息子が帰るまでに戻らないといけないので、
「じゃあ帰るね」と言ったら、悲しそうな顔をするので、大変後ろ髪を引かれましたが…
私も決して転院で楽になるわけではなく、50過ぎて両親の元で甘えていられる人は違うので(笑)、頑張らないと!

318日。

2013年10月21日 23時38分16秒 | 日記
今日はやっと晴れたので洗濯を二回してから区役所に行くつもりでいたら、学校より電話。給食に卵焼きが出る日で、本当は代替食を持たせないといけないのをすっかり忘れていて…
慌てて作って、洗濯を終えてから学校へ。ちょうど体育の授業が終わったところで、靴箱のところで息子や担任の先生とバッタリ。渡せて良かったのですが、息子の着ている体操服がピチピチ…一年生の時に買ったきりだから、来シーズンは全部、買い替えかな…

区役所では福祉タクシーの申込み。申請すると番号がもらえて、区が委託している業者に予約すると通常料金の4割負担で乗車できるので、転院の時に使おうと思ったのですが…
福祉の窓口で、区で3台しかないと聞いた時点で、「あっ、だめだ」と思って、区役所の中ですぐに電話してみたけれど、やっぱり朝から予約が詰まっているということでだめでした。
もうちょっと早く転院がわかっていたらよかったんですけどね…
仕方ないので、その場で検索して、介護タクシー専門の業者さんに予約を取りました。ストレッチャーのレンタルもするし、1万円くらいかかるのかな。
オムツの支給も停止して、現金で支給してもらおうと思ったら、転院先で「指定のオムツしか使えない」という証明をもらわないといけないらしく…転院したらそれをもらって、また区役所に行かないといけないわけで…

その次はすぐに本籍のある区役所の出張所。戸籍謄本が必要なので。いつもお昼時になってしまうからか、混んでました。
お昼を食べてバスに乗って帰って来て、セーフ!と思ったら、今日に限って息子が早めに帰宅したらしく、鍵が開いてなかったので、そのへんぶらぶらしてたよ~と帰って来て、「もれそう!」とトイレに駆け込んでいました。

夕方、尿とりパッドを2つ抱えて夫の面会へ。
今日の夫はなぜか私や息子のことをしげしげと見ている時間が多かったような…
テレビに夢中になっていたから??
こういう日は話をすごく聞いている感じもあります。
帰る時にも、いつもは目をそらすのに、今日はずっと見ていました。
転院すること、夫も不安なのかな…

314日。

2013年10月17日 22時27分04秒 | 日記
昨日は台風で小学校は休校。
でも午後には風もやんで晴れたので、色々手続きすることがあったので、息子を連れて区役所へ。
すると転院先のソーシャルワーカーの方から電話があって、ベッドが空きますので、今入院している病院と相談して転院の日を決めますとのこと。
再度、救急時の搬送ができないこと、人員不足で十分なケアができないかもしれないことに関して納得しているかの念押しをされました。ご本人の体力や免疫力に任せた療養生活になりますと。
納得するしかないですよね…他に手はないんですから。
同病の家族を抱えた人が、入院費を抑えた病院はおすすめしないと言っている人がいたのは、こういうことなんだなとわかりました。
区営住宅に当選して、一刻も早く引き取ってあげたいとは思いますが…

夫の病院へ向かっていると、今度は今、入院している病院のソーシャルワーカーからで、◯◯日でって言って来ていますが…と言われたのが、私が再び実家へ帰らなくてはいけない日で…
夜行バスで帰るつもりだったので、まあ朝、転院しても大丈夫だったのですが、東京に戻ってきた翌日でお願いしたところ、OKが出てホッとしました。

区営住宅ですが…同じ区内とはい言え、あちこちに点在していて、希望のところに当たるかどうか…
希望のところですら、もしかしたら転校を余儀なくされるかも。子供の足だと徒歩20分強。
息子は当然転校は「いやだ」と言っていますが、実は私も…
人間関係をまた作りなおさないといけないのは親も同じで、今は幼稚園からのお付き合いのお母さんたちと色々情報をやりとりしたり、親同士がメールして示し合わせて子供を遊ばせたりして非常に助かっているのが、また一からやらないといけないと思うと…

あとはPTA問題。どこでもそうだと思いますが、【一人一役】という決まりがあって、子供一人につき、6年間のうちに一度は必ず、PTAの役をやらないといけません。兄弟の場合は、兄弟の人数分。
私は2年生の時に済ませているので、今となっては良かったなと思うのですが、それでも毎年、やらないで済ませることを後ろめたく思うような雰囲気。
転校したら当然、リセットされます。
夫を自宅で看ていると言えば免除されるかもしれませんが、今はお母さんも仕事をしているのはほぼ当たり前の時代で、さらにはシングルマザーも何人もいて、皆それぞれやりたくない、やれない理由がある上に、児童数が少ないので…
私自身はどういう状況でも我慢できるんですが、そういうことが子供同士の関係にも影響したら…という思いもあるので、できれば転校しないで済めばいいのですが。

312日。

2013年10月15日 12時22分36秒 | 日記
そろそろ転院に関してなにか動きがありそうな…
ソーシャルワーカーがお話したいようなのですが、なかなか昼間の時間に病院に行けなくて。

新しい研修医の先生が入って来たらしく、ご挨拶に来られたのですが、なんとこれがまた美人!
夫に声をかけられた時、夫が激しく反応していて思わず笑ってしまいました。
正直すぎる!

最近、【延命】について考えされられることがあったので、またこの頃よく考えています。
夫の場合は、ICUに入った翌日だったと思うのですが、呼吸が弱まったと言われて、気管切開の同意書にサインをして、手術となりました。
誰のせいという訳ではないのですが、主治医の先生からそれが延命だという説明はなかったと思います。
もしかしたら医師にとっては当たり前のこと過ぎて説明するまでもなく、でも延命として承諾をもらったと思っているかもしれません。
でもほとんどの人が、この段階で延命に同意したと思うことはないだろうと思います。
もしも家族が間に合わない場合、医師ですら延命と思わずに気管切開してしまうことだってあるんじゃないでしょうか。

後になって、脳外科の部長医師から、私が延命をしたように言われましたし、夫の知人の方などにも私が無理矢理、命を引き留めたように言われて、かなり遺憾でしたし、自分を責めて苦しみましたが、確かに振り返ると、あれが延命だったんだなと思います。
でももう一度あの時間に戻ったとして、【延命】としての気管切開を断れるかどうかは、正直言ってわかりません。

夫は本当に辛いと思います。意識があれば尚更。
それを一番に考えれば、延命させるべきではないと思いますが…夫が亡くなることで、おそらく一番悲しいのは息子。
突然、父親を亡くすことと、どんな姿であっても生きてくれていて、手にぬくもりを感じることができることは、雲泥の差があります。
私は夫の尊厳よりも、息子の気持ちを第一に考えるので…夫は犠牲になってもらった、ということになるのでしょうか…
時々、できることならそろそろ解き放ってあげたいと思うけれど、それはもうできないのです。

医師は、こういうリスクがあることを、後になって安楽死だと延命だの言い出すのなら、その場ではっきりと説明するべきだと思います。
もし問題にすれば言った言わないの争いになるでしょうし、私は自分が勉強(経験)不足だったと思うし、それで今の夫になにか良い影響があるかと言えばないし、不毛なのでなにもすることはありませんが…

ただこのブログを読んでくださっている方の中に、もしかしたら、この選択を迫られる場面に出会う方もおられるかもしれません。
その時に夫のことを思い出してくだされば、もし延命をしなかったとしても、夫のようにならなくて幸せだったと思って自分を責められることがないと思うので…そうやってお役に立てれば嬉しいです。
でも、こういう考えは、夫が可哀想だというのを認めてしまうことになるので、私としては本当に辛いです。