原題:The Young Victoria(G)
2009年・イギリス/アメリカ(102分)
製作:マーティン・スコセッシ
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
脚本:ジュリアン・フェローズ
音楽:アイラン・エシュケリ
衣装:サンディ・パウエル
出演:エミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニー、
ミランダ・リチャードソン、ジム・ブロード・ベンド ほか
鑑賞日:2011年4月23日 (自宅)
鑑賞前の期待度:★★★
『英国王のスピーチ』が連日盛況で観られなかったことと、
4月29日には、
英国ウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式ということもあり、
自宅でゆっくりと英国王室の物語に触れてみようかと思い、
昨年から気になっていた本作を鑑賞してみることに。
果たして・・・。
1800年代の英国。
ケント公爵夫妻の娘アレクサンドリーナ・ヴィクトリアは、
病弱なウィリアム王の姪として、
次期王位継承者として権力争いの渦中にいた。
実母であるケント公爵夫人は愛人のコンロイと共に摂政政治により娘を操ろうとするが、
ヴィクトリアは拒否する。
かわりに、わずか18歳で即位したヴィクトリア女王が頼りにしたのは首相のメルバーン卿だった。
さらに、政略結婚を企むベルギー国王が従弟のアルバートを送り込むが、
仕組まれた出会いは、ふたりにとって本当の恋の始まりだった。
「ふむ、ふむ。なるほど、なるほど。」
「そうか、そうか。なかなか、いいじゃないか。」
「おや、意外と大変。」
「母上、それってどうなの?」
「面倒くさいな、王室というのは。」
「あっ、こいつ悪いやつだ。」
「あっ、こいつ賢いヤツだ。」
「あれれ、どうなの?信用できるのか?」
「まったく、いつの時代もマスコミというヤツは。」
「なんと!民衆の暴動だぁ!!」
「あっ、アルバートォォォ~!!」
「そうなんだぁ~。」
「???・・・えっ、もう終わり?」
気楽に観始めたら、意外に面白く、
あっという間だった102分の王室物語。
この映画が描くのは、原題の通り、
歴代最長の64年に及ぶ在位の若き日々でしかないけれど、
イギリス王室の歴史を知る上で、観て良かったと思いました。
この映画をきっかけに色々と興味がでてきました。
英国王室では初めて恋愛結婚だったヴィクトリア女王。
「世紀の愛」という副題を大仰に思っていたけれど、
当時にしてみれば、まさに歴史的な出来事。
彼女が世界に与えた影響は、
様々な形となって日本にも及んでいました。
日本でも馴染みの純白のウェディング・ドレスだって、
はじまりはヴィクトリア女王から。
良妻賢母の象徴であったり、
核家族という新しい家庭像をつくったのもヴィクトリア朝。
クリスマスにツリーを飾って祝う習慣も、彼女の時代からとは知りませんでした。
多くの子供に恵まれ女王は、世界史への影響も多大でした。
後に、その子供たちが欧州各国に嫁いだことで、
欧州全体にネットワークができ、比較的安定した時代となったこと。
英国が世界の4分の1を支配した時代であり、
「太陽の沈まぬ国」とよばれるほど繁栄した時代だったこと。
映画では描かれませんが、
1901年、20世紀を向かえると同時に女王が亡くなり、
やがて長らく安定していた欧州で第一次世界大戦が勃発したというのも象徴的であり、
「ヨーロッパの祖母」と呼ばれた彼女の存在が、
いかに大きなものであったかが伺えます。
エミリー・ブラントがいい:★★★★★★★★★★★★★★
ルパート・フレンドもいい:★★★★★★★★★★★★★★
権力争いにハラハラ:★★★★★★★★
好きですとは言えない身分のもどかしさ:★★★★★★★★★★★★
ヴィクトリア朝に興味が湧く:★★★★★★★★★★★★★★★★★
鑑賞後の総合評価:★★★★
<My Memorable Scene>
はじめて純白のウエディング・ドレスを着て行われたロイヤル・ウェディング。
世の女性が一度は着たいと憧れるウェディング・ドレスのはじまりだけに、
歴史的な意味においても印象的でした。
果たして、
この度のロイヤル・ウェディングは、どう行われるのか?
ケイトさんは、いったいどんなウェディング・ドレスを着るのか?
いよいよ今週、世界が注目するウェディングをむかえます。
本作で、ヴィクトリア女王を演じたエミリー・ブラントは、
5月27日公開の『アジャストメント』で、
マット・デイモンと共演。こちらも楽しみです。
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