コメちゃんの悪性リンパ腫闘病日記

悪性リンパ腫になってからの生活の様子と病気についての考え方を書いていきます。

葉酸について(昔の人はえらいなあ)

2017-11-20 19:17:28 | 日記
今回は葉酸(ビタミンB9)について考えてみた。
葉酸という名前は、乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの葉から発見された為
付けられた名前らしい。
葉酸はビタミンB群の中の一つで水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。
構造は狭義ではプテリジンにパラアミノ安息香酸とグルタミン酸が結合した構造の
モノグルタミン酸型のプテロイルモノグルタミン酸を指すが
広義では補酵素型(還元型、一炭素単位置換型)、
およびそれらのポリグルタミン酸型も含んでいるものとなる。
通常の食品中の葉酸 (プテロイルグルタミン酸) は
ほとんどが「ポリグルタミン酸型」 (複数のグルタミン酸が結合した形) なので
実際の葉酸は葉酸活性を持つ構造類似体が多くあり
生体内や食品中に多様な形態で存在している。
その機能はヌクレオチド類の生合成、アミノ酸の代謝、タンパク質の生合成、ビタミン代謝などで
ホルミル基 (−CHO)、ホルムイミノ基 (−CH2NH-)、メチレン基 (>CH2)、メチル基 (−CH3) など
1つの炭素原子を含む断片をドナー分子から受け取り
それをアミノ酸や核酸合成の中間体へ渡す役割を担うなど
主にアミノ酸および核酸(アデニンやグアニンなどのプリン体やチミジン)の合成に働いている。
よって葉酸が不足するとDNA生合成に支障を来し
分裂の活発な血球合成に障害が起こるので
赤血球障害や悪性貧血などの症状を生じさせることになる。
葉酸を触媒的に回復させる働きを持つビタミンB12が欠乏しても同様の症状を生じる。
体内ではビタミンB12が葉酸の再生産に利用されており
多くのビタミンB12の機能は十分な量の葉酸によって代替されるので
ほとんどのビタミンB12欠乏症状は実際には葉酸欠乏症状である。
葉酸の動態を考えてみると
食品中の葉酸の多くはポリグルタミン酸型として
糖やタンパク質と結合した状態で存在している。
それらのポリグルタミン酸型葉酸を摂取すると
まず消化酵素のアミラーゼで糖が切断され
また消化酵素のプロテアーゼでタンパク質が切断され
ポリグルタミン酸型葉酸が遊離する。
遊離したポリグルタミン酸型葉酸は
小腸粘膜にある酵素(葉酸コンジュガーゼ)によって
モノグルタミン酸型葉酸に分解されてから
小腸細胞内へ吸収され
粘膜細胞内に取り込まれたモノグルタミン酸型の葉酸は
門脈に入る前に
還元されてテトラヒドロ型 となり
さらにメチル化や ホルミル化が生じる。
その後、門脈を経由して肝臓へ輸送される。
葉酸の代謝について説明すると
葉酸は還元され、ジヒドロ葉酸になり
さらに還元されてテトラヒドロ葉酸が生成される。
テトラヒドロ葉酸は
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸や
10-ホルミルテトラヒドロ葉酸にも変化して
10-ホルミルテトラヒドロ葉酸は
DNAであるアデニンやグアニンのプリン体の生合成で
2個所のホルミル化の反応に関わり
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸は
dUMP(デオキシウリジン一リン酸)から
dTMP(チミジル酸=チミジン一リン酸)への
合成に関わっている。
最終的にこのチミジル酸に相当する部分が
DNA鎖のデオキシリボースの3'位に結合すると
核酸塩基(ピリミジン塩基)のチミンになる。
これらの反応ではリボフラビン(ビタミンB2)から誘導されるFADが必要である。
このように葉酸は核酸塩基のプリン塩基、ピリミジン塩基の
両方の生合成に関わっているので
葉酸欠乏ではDNA生合成に支障を来すと考えられている。
抗がん剤のメトトレキサートは葉酸代謝を阻害して
細胞分裂を行えないようにするので
葉酸欠乏に注意する必要がある?が
逆に葉酸過剰摂取ではメトトレキサートの効きが悪くなってしまうことになる。
葉酸と関係の深いビタミンB12について少し述べてみると
ビタミンB12は
5-メチルテトラヒドロ葉酸を
テトラヒドロ葉酸(補酵素型)に戻す働きがあるので
ビタミンB12欠乏でも葉酸欠乏と同じ症状が出る。
ビタミンB12は胃から分泌される内因子と結合して
腸から吸収されるので
胃全摘手術を受けた場合にはビタミンB12欠乏に注意する必要がある。
腸からの吸収が悪い場合は、筋肉注射でビタミンB12を補うことになる。
ただビタミンB12は貯蔵されるので
何年間(3~5年?)かは貯蔵ビタミンB12で賄えるようである。
葉酸は貯蔵されにくいので、毎日摂取する方が良い。
ビタミンB12は貯蔵分で賄えるとはいっても
全然摂取しないと、いずれ底をついてしまうし
ビタミンB群は皆で協力して働くビタミンなので
葉酸もビタミンB12も毎日一緒に摂取するのが賢明だと思う。
DNA生合成の際にはNADPHも必要なので
ナイアシンも不足しない方が良い。
先に述べたようにリボフラビンも必要。
結局はビタミンB群を満遍なく摂るというのが正解のようだ。
昔から言われている「好き嫌いなしで何でも食べな、あかんよ」
というのが、一番理に適っているらしい。
経験則だけで、一番理に適っている結論を導き出す
やっぱり「昔の人はえらいなあ!」
追記
葉酸もビタミンB12も一緒に摂れる食材は
個人的には枝豆と鶏レバーがお薦め食材である。



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