コメちゃんの悪性リンパ腫闘病日記

悪性リンパ腫になってからの生活の様子と病気についての考え方を書いていきます。

BNPについて(ちょっと難しいかも?)

2017-12-08 08:12:06 | 日記
今回は血液検査項目にあるBNPについて考えてみた。
BNPは「B-type natriuretic peptide」の略で
日本語にすると「脳性ナトリウム利尿ペプチド」となる。
ペプチドはアミノ酸がいくつか繋がったものである。
最初に豚の脳から発見されたため「脳性」となっているが
心臓(主に心室)から分泌されるホルモンである。
ナトリウム利尿ペプチドは他にも
「心房性ナトリウム利尿ペプチド」(ANP)や
「C型ナトリウム利尿ペプチド」(CNP)
がある。
「脳性ナトリウム利尿ペプチド」は
「心室に圧負荷(伸展ストレス)がかかった時に
血管拡張作用、交感神経抑制作用、利尿作用、レニン・アルドステロン分泌抑制作用
心肥大抑制作用などの作用で
心臓への負担を減らすように働く。
心不全の診断や心不全の予後予測指標として有用などの利点があり
心筋の繊維化抑制作用も合わせ持つので
心臓関係では、心不全の状態把握のためによく行われている血液検査項目の一つとなっている。
ではその血液検査でよく行われるという意味を見ていこう。
BNPは通常の状態では70%~80%が心室由来で
残りは心房由来となっている。
心房では顆粒として貯蔵されているが
心室に圧負荷がかかると
134アミノ酸からなるpre-proBNP1-134の合成が直ちに開始される。
preproBNP1-134は
切断(一連の物質の変換をプロセッシングと言う)されてproBNP1-108となった後に
血中に流出する際
BNP1-32とNT-proBNP1-76とに分かれるが
血中にはproBNP1-108自体も存在する。
さらにBNP1-32は
BNP3-32と一部はBNP7-32になる。
BNP1-32とBNP3-32は生物学的活性を持っているが
(BNP1-32は一部がジスルフィド結合することでできた特殊な環状構造を持っている)
NT-proBNP1-76は生物学的活性を持っていない。
(環状構造を持っていない)
BNP1-32とBNP3-32は血液循環にのり
目的の組織に運ばれ
その組織のナトリウム利尿ペプチド受容体(GC-A型、GC-B型、クリアランス受容体がある)に結合することで
先に述べた作用を発揮すると考えられている。
BNP測定値はこれらの分子のいくつかの総和を計測していると考えられており
BNP測定系は
BNP1-32,BNP3-32,proBNP1-108を測定する。
基準値は18pg/mL以下である。
このBNP検査の他に
最近はNT-proBNPの検査も行われるようになってきた。
NT-proBNPは
先に述べたように
proBNP1-108が血中に出る際に分かれた
BNP1-32(C末端側が活性型ホルモン)の片割れであるNT-proBNP1-76ということになるので
日本語に直すと
「脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体のN末端側」ということになる。
NT-proBNP1-76は特異的受容体を持たないので
ANP,BNP(半減期20分)に比べて半減期が長く(120分)、より安定である。
このことを利用して、新たな心不全診断法として
血液検査項目に取り入れられたようだ。
NT-proBNP測定系は
NT-proBNP1-76とproBNP1-108を測定しているとされている。
健常人の95%が含まれるNT-proBNP上限値 pg/mLは
男性では年齢によって90~850と大きな差があり
女性でも年齢によって180~620と差があるので
心不全の状況を正確に反映しているとは言い難く
数値によって心不全の状態を正確に判断はできないと思われる。
これから色々なデータが揃うことによって
もう少し心不全の状態を数値で判断できるようになるかもしれない。
NT-proBNP測定検査の注意点としては
BNPが腎排泄される蛋白質(ペプチド)であるため
腎機能が低下すると血中濃度は上昇する。
腎機能に影響を受けるため
NT-proBNPでの心機能評価には注意を要する。
こうした新しい血液検査項目が出てくるのはいいことだが
生半可な理解で使うと判断を間違える恐れがあるので
ちゃんと勉強する必要がある。
これを使いこなすのは中々難しいようである。
日々勉強していないとついていけないなあ!

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葉酸について(昔の人はえらいなあ)

2017-11-20 19:17:28 | 日記
今回は葉酸(ビタミンB9)について考えてみた。
葉酸という名前は、乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの葉から発見された為
付けられた名前らしい。
葉酸はビタミンB群の中の一つで水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。
構造は狭義ではプテリジンにパラアミノ安息香酸とグルタミン酸が結合した構造の
モノグルタミン酸型のプテロイルモノグルタミン酸を指すが
広義では補酵素型(還元型、一炭素単位置換型)、
およびそれらのポリグルタミン酸型も含んでいるものとなる。
通常の食品中の葉酸 (プテロイルグルタミン酸) は
ほとんどが「ポリグルタミン酸型」 (複数のグルタミン酸が結合した形) なので
実際の葉酸は葉酸活性を持つ構造類似体が多くあり
生体内や食品中に多様な形態で存在している。
その機能はヌクレオチド類の生合成、アミノ酸の代謝、タンパク質の生合成、ビタミン代謝などで
ホルミル基 (−CHO)、ホルムイミノ基 (−CH2NH-)、メチレン基 (>CH2)、メチル基 (−CH3) など
1つの炭素原子を含む断片をドナー分子から受け取り
それをアミノ酸や核酸合成の中間体へ渡す役割を担うなど
主にアミノ酸および核酸(アデニンやグアニンなどのプリン体やチミジン)の合成に働いている。
よって葉酸が不足するとDNA生合成に支障を来し
分裂の活発な血球合成に障害が起こるので
赤血球障害や悪性貧血などの症状を生じさせることになる。
葉酸を触媒的に回復させる働きを持つビタミンB12が欠乏しても同様の症状を生じる。
体内ではビタミンB12が葉酸の再生産に利用されており
多くのビタミンB12の機能は十分な量の葉酸によって代替されるので
ほとんどのビタミンB12欠乏症状は実際には葉酸欠乏症状である。
葉酸の動態を考えてみると
食品中の葉酸の多くはポリグルタミン酸型として
糖やタンパク質と結合した状態で存在している。
それらのポリグルタミン酸型葉酸を摂取すると
まず消化酵素のアミラーゼで糖が切断され
また消化酵素のプロテアーゼでタンパク質が切断され
ポリグルタミン酸型葉酸が遊離する。
遊離したポリグルタミン酸型葉酸は
小腸粘膜にある酵素(葉酸コンジュガーゼ)によって
モノグルタミン酸型葉酸に分解されてから
小腸細胞内へ吸収され
粘膜細胞内に取り込まれたモノグルタミン酸型の葉酸は
門脈に入る前に
還元されてテトラヒドロ型 となり
さらにメチル化や ホルミル化が生じる。
その後、門脈を経由して肝臓へ輸送される。
葉酸の代謝について説明すると
葉酸は還元され、ジヒドロ葉酸になり
さらに還元されてテトラヒドロ葉酸が生成される。
テトラヒドロ葉酸は
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸や
10-ホルミルテトラヒドロ葉酸にも変化して
10-ホルミルテトラヒドロ葉酸は
DNAであるアデニンやグアニンのプリン体の生合成で
2個所のホルミル化の反応に関わり
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸は
dUMP(デオキシウリジン一リン酸)から
dTMP(チミジル酸=チミジン一リン酸)への
合成に関わっている。
最終的にこのチミジル酸に相当する部分が
DNA鎖のデオキシリボースの3'位に結合すると
核酸塩基(ピリミジン塩基)のチミンになる。
これらの反応ではリボフラビン(ビタミンB2)から誘導されるFADが必要である。
このように葉酸は核酸塩基のプリン塩基、ピリミジン塩基の
両方の生合成に関わっているので
葉酸欠乏ではDNA生合成に支障を来すと考えられている。
抗がん剤のメトトレキサートは葉酸代謝を阻害して
細胞分裂を行えないようにするので
葉酸欠乏に注意する必要がある?が
逆に葉酸過剰摂取ではメトトレキサートの効きが悪くなってしまうことになる。
葉酸と関係の深いビタミンB12について少し述べてみると
ビタミンB12は
5-メチルテトラヒドロ葉酸を
テトラヒドロ葉酸(補酵素型)に戻す働きがあるので
ビタミンB12欠乏でも葉酸欠乏と同じ症状が出る。
ビタミンB12は胃から分泌される内因子と結合して
腸から吸収されるので
胃全摘手術を受けた場合にはビタミンB12欠乏に注意する必要がある。
腸からの吸収が悪い場合は、筋肉注射でビタミンB12を補うことになる。
ただビタミンB12は貯蔵されるので
何年間(3~5年?)かは貯蔵ビタミンB12で賄えるようである。
葉酸は貯蔵されにくいので、毎日摂取する方が良い。
ビタミンB12は貯蔵分で賄えるとはいっても
全然摂取しないと、いずれ底をついてしまうし
ビタミンB群は皆で協力して働くビタミンなので
葉酸もビタミンB12も毎日一緒に摂取するのが賢明だと思う。
DNA生合成の際にはNADPHも必要なので
ナイアシンも不足しない方が良い。
先に述べたようにリボフラビンも必要。
結局はビタミンB群を満遍なく摂るというのが正解のようだ。
昔から言われている「好き嫌いなしで何でも食べな、あかんよ」
というのが、一番理に適っているらしい。
経験則だけで、一番理に適っている結論を導き出す
やっぱり「昔の人はえらいなあ!」
追記
葉酸もビタミンB12も一緒に摂れる食材は
個人的には枝豆と鶏レバーがお薦め食材である。

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「ボランティア」について

2017-07-24 14:28:41 | 日記
今回は健康とは全く関係のない「ボランティア」について考察してみた。
「ボランティア」とは
一般的に「自発的な意志に基づき他人や 社会に貢献する行為」とされており
活動の性格として「自主性(主体性)」、「社会性(連帯性)」、「無償性(無給性)」があげられる。
自分からボランティア団体に所属し、その団体の活動目的に沿ったボランティア活動を行っている場合
当然「自主性(主体性)」、「社会性(連帯性)」、はクリアしている。
問題は「無償性(無給性)」である。
ボランティア活動を行い
それに掛かる実費や交通費、さらにはそれ以上の金銭を得る活動を
「有償ボランティア」と 呼ぶ例もあるが
「ボランティア」は基本、無償であり、有償のものは「ボランティア」ではない。
私自身、20歳から40歳まで所属できる青年のボランティア団体に所属し
ボランティア活動に勤しんできた。
年間10万円ほどの年会費を払い
時には休みも返上し(家族には文句を言われ)
ボランティア活動をしてきた。
役職についていた時は1か月の内、何も用事のない休みは4日間だけというような
ハードなボランティア活動の時もあったが
若さの特権?で、そんなに苦にもならず、やっていた気がする。
40歳でそのボランティア団体を卒業してからは
音楽のステージ運営のボランティア活動をした(現役の時のイベントの継続)。
そんなボランティア活動の中で考えさせられたのが、やはり「無償性(無給性)」であった。
ステージ運営の場合
ステージ設置、音響・照明設置など1ステージに何十万円かの費用がかかる。
もちろん個人で負担できる額ではなく
ステージを開く主催者(私の場合は市)が、その費用を出す。
個人的な報酬は一切なく、そういう意味で私はボランティア活動であった。
そんな中、ある団体がステージ運営に参加してきた。
ボランティアの顔をしていたが
実際は色々なイベントを企画しては
市からの助成金が貰えれば、イベントを行うという(無報酬でも顔を売るためにやることもある)
いわゆる「イベント屋」だった。
市には、そういった「イベント屋」は入れないで欲しいと言ったが
こういったステージ運営は
経験やノウハウを持たない個人では運営は無理である。
私の場合でも何年かボランティア団体に所属していたから、出来るのであって
そういう意味では
全くの個人ではステージの企画・運営に参加出来ない(参加しても何も出来ない)。
市としては
ステージの企画・運営の出来る「イベント屋」が居た方がいいと判断したようだ。
「イベント屋」は当然利益を得る為の団体なので
本来イベントに費やされるべき助成金(皆の税金)が
イベント屋(個人)に流れることとなる。
助成金だけで利益を得にくいとなると
参加費や出店料(他のイベントでは)で利益を得ていたようだ。
皆が手弁当で無報酬でイベント運営に出ているのに
「イベント屋」は個人の利益を得ている。
すごく腹立たしく思ったが
市が黙認しているので仕方がなかった。
「イベント屋」の関係者には時々言ったが
「イベント屋」なら「イベント屋」らしく
最初から「私はイベント屋なので、イベント屋として、このイベントに参加させて下さい」と言うべきだ。
(当然、この場合イベント屋としての参加なので報酬を貰っても良い)
卑怯な手(正体を隠す)を使ってまで、イベントに入ろうとするのではなく
何で正々堂々とイベントに入ろうとしないのか?
理解に苦しむ。
あるイベントではボランティアの顔をし、あるイベントではイベント屋の顔をする。
見る人が見ればすぐに分かる。
私の関係していた市のステージイベントでは、
イベント業(企画・運営・司会など)を生業とする専門の方がちゃんと入っていた。
本来ならこの方がステージの統括を行うべきであったが、それが出来ずにいた。
今思えば、それが出来なかったのが残念だ。
現在、長い間所属し、このイベントを主管していた音楽関係の団体から抜けたが
それもボランティアの「無償性(無給性)」が関係がある。
市から助成金を貰っているイベントの決算で、この「無償性(無給性)」が守られなかった。
一生懸命やっていれば何でも許されるというものではない。
これを見てくださっている方で
何かの団体に所属し(所属していなくても、イベントに協力している)ボランティア活動を行っている方は
団体のトップに「このイベントは市から助成金を貰っていますか?」と一度尋ねてみて下さい。
助成金を貰っていて、団体のトップだけでお金の管理をしている場合、
案外それはボランティア活動ではなくて
イベント屋の自分が利益を得る為のイベントかもしれませんよ。


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癌治療についての考察

2017-06-27 08:53:51 | 日記
そろそろ癌治療についての考えをまとめていこうと思う。
今回はまず癌というものがどういうものかを考えてみる。
生命は単細胞生物から我々のような多細胞生物に進化してきたのだが
多細胞生物は人間で言えば細胞1個の受精卵から60兆の細胞で出来た個体を形成するまでに
数限りない細胞分裂を行う必要がある。
その細胞分裂において個体を形成、維持していくための設計図であるDNAを
正確にコピーしなければならない。
中には細胞分裂の際に正確にコピーできない場合もあり(一億分の一の確率?らしい)
DNAの修復機構はあるものの
修復機構が及ばないほどDNA損傷が大きい場合には
身体の排除機構によりアポトーシス(自然死)させられ排除される。
その排除機構から逃れた細胞(DNA損傷が残ったままの細胞)が癌細胞となる。
ヒトは外部環境から自然放射線や化学物質により
常にDNAが損傷される危険の中で生活しており
内部環境では好気呼吸の電子伝達系で発生する活性酸素により
DNAが損傷しやすい環境にいることになる。
それ故にDNA修復が追い付かず
癌細胞は一日5000個ほどが生まれているとされているが
そういった身体にとって役に立たない(害を成す)細胞は
通常では免疫機構によって排除される。
正常細胞では自己を表す標識(MHC分子)が正常に発現しているが
腫瘍細胞などの異常細胞では
MHC分子の発現が減少または消失している。
例えば異常細胞を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞は
MHCクラス1分子の発現している細胞は自己とみなして攻撃しないが
MHCクラス1分子の発現が減少または消失している癌細胞は
役に立たなくなった細胞(非自己)とみなして攻撃する。
また癌細胞では癌抗原をMHCクラスⅠ分子に結合させて細胞表面に出している。
これが癌細胞であるという標識になるが
抗原提示細胞(樹状細胞など)やヘルパーT細胞によって活性化したキラーT細胞は
この標識をTCR(T細胞受容体)で認識して
「パーフォリン・グランザイムまたはFasリガンド」(説明は省きます)によって
癌細胞をアポトーシスさせる。
このように癌細胞ができたとしても
通常は色々な免疫細胞によって排除されるが
癌細胞のできる数が多ければ当然免疫細胞によって排除しきれなくなります。
また癌細胞は免疫細胞からの攻撃を逃れる方法もいくつか持っています。
一つは細胞表面に出している癌抗原の一部を切り離して
癌抗原を攻撃の目印にしている免疫細胞に認識されにくくする方法です。
他には癌細胞から発現しているPD-L1を
T細胞上にあるPD-1に結合させることで
T細胞を弱らせ、攻撃をブロックする方法も持っています。
またTGF-β(トランスフォーミング増殖因子ベータ)を産生することによって
Th1細胞(ヘルパーT1細胞)およびCTL(細胞傷害性T細胞)の活性抑制も行います。
他にも免疫からは外れますが
癌細胞は放射線治療や抗がん剤などの酸化ストレスに対して
一酸化炭素(CO)を生成し細胞を死に難くすることが知られています。
これは一酸化炭素(CO)が臓器における血流の制御や
炎症を抑える作用を持っているからです。
一酸化炭素(CO)は取り込んだブドウ糖を
解糖系から一時的にペントースリン酸回路へう回させます。
核酸合成に重要な経路であるペントースリン酸回路へ一度う回して
後で解糖系の下流に戻ることにより
増殖に必要な物質を合成しつつATP合成量も維持するという
細胞増殖に有利なように巧みに代謝経路を切り替えています。
またペントースリン酸回路は核酸の合成に必要なだけでなく
NADPHの合成経路でもあります。
NADPHは、細胞内に存在するグルタチオンという解毒物質を還元することにより
還元型グルタチオン量が増加するので
その還元型グルタチオンを使って
放射線治療や抗がん剤などの酸化ストレスに対して抵抗するのです。
こうして癌は抗がん剤に耐性を持ち、効かなくなってきます。
これまでに述べたことで
癌がどのようなものか分かってきました。
身体が細胞分裂を行っている中で細胞分裂が上手くいかない細胞が出来てきます。
通常は排除機構により排除されますが
排除機構で取り除けなかったものが癌細胞になります。
癌細胞がある程度の大きさになってしまうと
細胞増殖に有利なように代謝経路を切り替えてしまいます。
それにより酸化ストレスにも抵抗するようになります。
このように癌はほおっておくと後になるほど対処に困るようになる
本当に悪賢い厄介者なのです。
今回は癌がどのようなものかを考えてみました。
次回は予防や治療について考えてみます。
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糖について考えてみた その2

2017-06-15 10:03:42 | 日記
前回は糖がエネルギー代謝において重要であるということを簡単に述べてみた。
今回は糖が身体を形作ることにおいても重要であるということを述べてみたい。
まず初めに生命誕生のことを考えてみると
生命とはその内部での物質交換と外部との物質のやりとり(代謝)ができて
同じ型の個体の再生産(遺伝と生殖)ができるものということになる。
まず生命は脂質二重層(リン脂質)で出来た細胞膜で周りと隔離して
生命活動を行える独自の空間を確保した。
その中の化学反応を触媒する酵素をタンパク質で作り
そのタンパク質を作る設計図として
或いは個体の再生産をするための設計図としてDNAを持った。
そのDNAを構成する基本分子であるヌクレオチドは
核酸(アミノ酸他で作られる)とリボース(5炭糖)とリン酸でできている。
ここでも糖(ペントースリン酸経路で作られる)が使われている。
初期の生物である細菌のような微生物は
リン脂質でできた細胞膜の他に細胞壁を持っており
例えば真正細菌の細胞壁は
糖鎖とペプチドの化合物であるペプチドグリカンでできている。
糖鎖のグリカン鎖はN-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸が
交互にβ(1→4)結合している糖鎖で
その糖鎖と糖鎖の間を
テトラペプチド(4つのアミノ酸がペプチド結合したもの)で架橋している。
このように外界と隔離する為の構造物にも糖が使われている。
ちなみに細菌を死滅させる抗生剤の多くは
この細菌の細胞壁の合成を阻害することでその作用を発揮する。
細胞壁がなければ、細菌の細胞内に水が流入してくるようになり
その結果、細胞が膨張して破裂し、細菌が死滅するという仕組みだ。
また我々がよく目にするグラム染色も細胞壁が関係する。
グラム染色性の違いは細菌の細胞壁の構造の違いによる。
グラム陽性菌の細胞壁が
一層の厚いペプチドグリカン層から構成されているのに対し
グラム陰性菌では
何層かの薄いペプチドグリカン層の外側を
外膜と呼ばれる、リポ多糖(LPS)を含んだ脂質二重膜が覆う形となっている。
このため、アルコールなどで処理すると
グラム陰性菌の外膜は容易に壊れ
また内部のペプチドグリカン層が薄いために
細胞質内部の不溶化した色素が容易に漏出して脱色される。
グラム陽性菌では
脱色されないまま色素が残るので青く(クリスタルバイオレットの青)見えて
グラム陰性菌では脱色されるので赤く(サフラニンの赤)見える。
また糖鎖の大事な役割として
細胞膜にタンパク質と結合した糖タンパク質として埋め込まれている糖鎖は
細胞の顔とも言えるもので
細胞膜の外側にアンテナのように突き出していて
その先端が触れることで様々な情報を細胞内に取り入れ
細胞の増殖や発生と分化、炎症、免疫など様々なことに関わっている。
ちなみにヒトの血液型は
赤血球表面にある糖鎖の末端のわずかな違いによって分類されており
ある基本となる糖鎖に修飾がされてなければO型
N- アセチルガラクトサミンが修飾されているのがA型
ガラクトースが修飾されているのがB型
両方の型を持っているのがAB型となる。
生命の体を形作る構成材料としての糖は
植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分であるセルロースがよく知られている。
セルロースはベータグルカンの一種で
β-グルコースがβ1→4結合で重合したものである。
体を形作っている糖(炭水化物)の成分比率を見ると
動物は0.4%だが植物では23.8%と大きな差がある。
セルロースは天然の植物質の1/3を占めるので
地球上で最も多く存在する炭水化物となっている。
他にも糖由来の大事な生体物質について言えば
解毒に関係するグルクロン酸や
タンパク質を強くしたり抗酸化の働きをするビタミンCのアスコルビン酸は
グルコースから作られる(霊長類はできない)。
このように糖はエネルギーを作る元になるだけではなく
身体を形作ったり、身体の色々な所で使われる大事な栄養素ということになります。
糖化反応を起こすからというだけで毛嫌いするのではなくて
糖の大事さを分かった上で
身体に良い糖の摂り方をもっと考えるべきだと思います。
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