コマメディア ー史上最弱の仏弟子 コマメー

仏教ファン、瞑想バカのフリーライター森竹ひろこ(コマメ)の仏系ブログ。最弱なので、おてやわらかに!

森林の高僧、智慧の贈り物を残して逝く。

2014-08-29 | 仏系(わりと真面目)
(本来は合宿の続きを書くところですが、期間中の出来事でもあるため先に掲載させていただきます)



 日本人のタイの僧侶プラユキ・ナラテボーさんの師匠である、スカトー寺の前住職、ルアンポー・カムキアン師が8月23日午前4時45分、スカトー寺にて逝去されました。
写真はプラユキ師と、元気なころのカムキアン師です。


 坐禅合宿の3日目の8月24日は、日の出を拝むため早朝に起床し、お寺のある山の頂上に向かいました。私の携帯は本堂付近では電波が弱く、頂上で前日分のメールをまとめて受信したのですが、そのなかにカムキアン師の訃報を知らせる関係者様からのメールが。ちょうどのタイミングで東の雲を赤く染めて昇る朝日を見ながら、師の冥福を祈るとともに、生きとし生けるものの幸せを祈ることができました。
 もしカムキアン師がいなければプラユキさんも、スカトー寺のパイサーン住職も出家されることはなく、またカンポンさんがあのような境地に行かれた可能性も少なかったかもしれません。すると、現在のように日本でタムレンレン(遊ぶように)と明るいタイの上座仏教を身近に学ぶことはできなかったでしょう。そういった意味ではお会いすることはかないませんでしたが、師は私の大恩人でもあります。



ルアンポー・カムキアン師の死のニュースを伝えるバンコク・ポスト(タイで最も権威のある英字新聞)のウエブサイトです。
「森林僧は智慧の贈り物を残した」


また、スカトー寺と長い交流がある、タイの大学教師の浦崎雅代さんが、カムキアン師の死を偲んで関連の記事を連続でアップされています。

なかでも、師の素晴らしい最期と、笑顔溢れる葬儀の紹介をされたエントリー
「ルアンポー最期の瞬間-自ら死に水を取る。」はぜひお読み下さい。

 ・ルアンポー・カムキエン師、最期の説法。
 ・ふたりの手-師が支え、師を支える。
 ・葬儀は、自らの気づきを試す場。
 ・ルアンポーの育成術-徳をもって、叱る。
 ・ジャータカ物語に、死の受け止め方を学ぶ。
 ・開発の意味-ルアンポー・カムキエン師のドキュメンタリー。
 ・ルアンポーは、もう逝くよ ー気づきをもって去っていく。
 ・何ものかである、ものはない ーマイ・ペン・アライ・カップ・アライ
 ・心を開いて辛抱する ールアンポー流、危機の過ごし方。
 ・必ず当たる宝くじ ールアンポーが遺したもの。
 ・ルアンポー最期の瞬間-自ら死に水を取る。
 ・気づきは高尚な理想ではなく、ただ率直に知ること。




ルアンポー・カムキアン師のご冥福を心よりお祈りいたします。






ワクワク夏休み1 蓑輪顕量教授P「仏教体験・坐禅合宿」に参加しました

2014-08-28 | (報告・感想)気になるイベント、講演会


会場の妙法生寺は別名「あじさい寺」。
盛りの時期は山の斜面をこぼれるほどあじさいが咲き誇るそうです。




 「仏教瞑想論」などの著書があり、「実践!仏教瞑想ガイドブック」の監修者でもある蓑輪顕量教授(東京大学大学院)が、本格的な仏教瞑想の体験をしてもらおうとプロデュースされた2泊3日の「仏教体験・坐禅合宿」に参加しました。坐禅となっていますが、実践するのはサマタ、ヴィパッサナー系の仏教瞑想です。

 会場は教授の実家でもある、千葉県外房の山あいに建つ日蓮宗・妙法生寺。建長5年(1253年)に日蓮上人が朝日に向い、「南無妙法蓮華経」と初めてお題目を唱えたという伝説を持つ寺です。住職は蓑輪教授のお兄さまが務めています。



1日目
 初日は夕方4時からスタート。参加者はお寺に縁のある方から、学生、研究者、OBなど東京大学の関係者、他宗派のモンクス、さらに編集者や、日本マインドフルネス学会の理事、ティク・ナット・ハン師来日招聘委員の方々などバラエティに富み、蓑輪教授のお顔の広さがうかがえました。


 開会の記念講義は来日中のバングラディシュの僧侶、ギャナ・ラトナ・テーラ先生が行いました。ギャナ先生は日本に16年ほど滞在し、愛知学院大学の講師をされていたこともあり、流暢な日本語を話されます。講演は「私たちは人間として心のケアが必要です。心の問題を解決するためには瞑想が一番いいです」と、「清浄道論」や「四念処経」などにふれながら、仏教瞑想の修行方法をわかりやすく語られました。
 なかでも「シーラ(戒律)は守るものではなくて、外側から私たちを守ってくれるものです。シーラを守ることで外側から守られるようになると、瞑想をやるベストな状態になります。サマディー(三昧)に入りやすくなり、サマディーは内側を守ってくれるので、パンニャ(智慧)も生まれてきます」という三学の説明が、個人的には新鮮でした。戒と三昧は内外を守る補完的関係という見方もできるのですね!


 合宿中はハ斎戒にのっとり温石(夕食)は液体だけ。この日は野菜を裏ごししたポタージュ風スープをいただきました。一口飲むと、濃厚な海の香りが広がります。出汁はお寺に寄進された伊勢エビを使用したそうです。なんて贅沢な!
 食事の前には以下の文言の日蓮宗の食前作法「食法(じきほう)」を読み上げ、天地の恩恵や、食材の命に感謝を捧げました。
「天の三光に身を暖め、地の五穀に魂を養う。皆これ本仏の慈悲なり。たとえ一滴の水、一粒の米も、功徳と辛苦によらざることなし。我らこれによって心身の健康を全うし、仏祖の教えを守って四恩に報謝し、法師の浄行を達せしめ給え。 南無妙法蓮華経 いただきます」


 夜7時からギャナ先生の指導のもと歩く瞑想と座る瞑想に取り組み、9時半に就寝。それ以降も本堂である「持仏堂」は小さな灯りがついたまま、いつでも瞑想の自修ができるようになっていました。
 ええ、もちろん私は深夜近くまで座る瞑想や歩く瞑想をしていましたよ。瞑想バカですからね!                                    (続く)

ワクワク夏休み2
ワクワク夏休み 3





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