コマメディア ー史上最弱の仏弟子 コマメー

仏教ファン、瞑想バカのフリーライター森竹ひろこ(コマメ)の仏系ブログ。最弱なので、おてやわらかに!

プラムヴィレッジ滞在記13 スポーツ観戦もマインドフルに

2015-04-09 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記


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                                   →ティク・ナット・ハン関連


「プラムヴィレッジ滞在記」のブログ未掲載の後半は、前半と合わせて構成して「サンガジャパン19号 ティク・ナット・ハンとマンドフルネス」に掲載しています。よろしければ、ご覧ください。

     ――   ――   ――   ――   ―― 

昨年からお休みしていた「プラムヴィレッジ滞在記」、久しぶりの更新です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、仏教カルチャー雑誌「サンガジャパンvol19 ティク・ナット・ハン特集」に、すでに4週間に渡る滞在記を掲載しています。こちらは人文系雑誌ということで、わりと真面目な長文を書かせていただきました。そこでブログでは、もう少しラフなスタイルでやっていこうかなと思います。


7月16日(水) 第2週・6日目


アッパーハムレットのグランドでは、子どもたちがサッカーを楽しんでいます。
みんな、かなり上手!言葉が通じなくてもサッカーは世界の共通語です!!



前日は、サッカーワールドカップの決勝戦だったようですね。
私の滞在したニューハムレットは尼僧院ということもあるのか、
話題に出ることがなく、
私もすっかり忘れていましたが、
アッパーハムレットでは、テレビ中継を見ていた人もいるようです。

  *    *    *    *    *


「昨日、ワールドカップをみましたか?」
今日のティク・ナット・ハン師の法話も、
その話題を子どもたちに優しく語りかけるところから始まりました。

「ワールドカップをみるときは、自分の感情と、まわりの人の感情をみます。
そして自分の感情にひきずられないように、楽しい一時をすごします。
『ワールドカップを見た?』とは、『ちゃんと自分の感情を見守っていましたか?』ということです」

仏教の学びやプラクティスをはじめると、
なかには楽しむことに罪悪感を覚えてしまう人もいるように感じます。
でも、楽しむのが悪いことではなく、
問題はその感情にひきずられることなのでしょう。
スポーツ観戦中は楽しみだけでなく、怒りや欲などの感情も出てきやすく、
しかもそのまま強化されてしまう傾向があるようです。
時にはそれが暴力や差別、対立の種を生み出すこともあります。
スポーツ観戦も自分の感情を見守る余裕をもって、
マインドフル&ピースフルに楽しみたいです、ね。




プラムヴィレッジでもいろんな国の子どもたちが参加して、
巨大ボールでワールドカップ開催!
サッカーじゃなくて大玉転がし?
っていうか、ゴールよりボールが大きい!?





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「プラムヴィレッジ滞在記」は12月末ごろまで、更新をお休みします。

2014-11-30 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
コマメディアを読んでいただきありがとうございます。
「プラムヴィレッジ滞在記」ですが、諸事情があり12月末ごろまで更新をお休みします。
楽しみにしている方がもしいらっしゃいましたら、ごめんなさい。
再開後、さらにパワーアップしていく予定です。

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プラムヴィレッジ滞在記12 シスター・チャンコンの超絶タッチング・ジ・アース

2014-11-10 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記

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                       →ティク・ナット・ハン関連


7月15日(火) 第2週5日目

 今日は、夕方からシスター・チャンコンによるタッチング・ジ・アースが、メディテーションホールで行われました。これは、ひれ伏して大地に触れるプラクティスです。大地にしっかり触れることで、私たちは大地であり、大きな命の一部であることに気づくとともに、血縁の先祖や、精神的な先人の大いなる流れとつながっていることに気づきます。

 プラクティスはシスター・チャンコンの慈愛にあふれた美しい言葉のリードによって進められますが、私は英語が苦手で半分ほどしか意味がとれませんでした。先週は日本人がたくさんいて通訳が入りましたが、今週は、私以外は英語で大丈夫な数人だけ。それに気づいたナオキさんが、ありがたいことにマンツーマンの通訳をかってでてくれました。
 「お父さん、お母さん自身も問題を抱え、言葉ではうまく伝えられなくとも、私をいつでも愛していたことを知っています」「有名な人も、無名な人も、その能力、忍耐、愛をもって、国を人が住める場所にしました。そのエネルギーは私の血と心の中にみなぎり、私を受け入れ、支えています」 昨日、心の大掃除が終わったばかりの、ガードの外れたむき出しの心と体にシスターの言葉がグイグイと染み込み、涙があふれて止まらなくなりました。
 そして、最後のシスターの言葉「大いなる愛の中で、また別の私となって会いましょう」で号泣。ここにいる人達とは、きっと別の私の時にもお会いしていたのでしょう、そしてまた別の命となってもお会いすることでしょう、大いなる愛の中で……。いえ、ここにいる人だけでなく、仏縁で結ばれた人たちとはみんなそうなのかもしれません。
 涙の浄化作用のせいか心はスッキリ、晴れ晴れとしました。

 その後、なんとシスター・チャイから、「ピース・フェスティバル」の会場に飾る絵を描くオファーがきたことを伝えられました。しかも、お絵描きのワークショップもお願いできるかという打診も!私の絵がプラムヴィレッジに飾られるなんて、世界中の子どもたちとお絵描きができるなんて、考えただけでワクワクします。
 私のプラムヴィレッジの生活は苦しみの浄化を経て、新しい章に入ったようです。しかも新章は、より明るく楽しくて、でも学びも深くなりそうな予感です!!

いかにも日本人的、もしくは乙女座のA型的な気の使い方をしてしまいました……



ナオキさんの絵が似ているか、似ていないかは微妙です
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プラムヴィレッジ滞在記11 苦しみと向き合ったレージーディ(のんびりする日)

2014-10-28 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記

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7月14日(月) 第2週4日目




 苦しみと向き合う
 今日は週に一度のレージーディ。夕方まではアクティビティがなく、のんびり過ごせます。
 プラムヴィレッジでの第1週は、生活に慣れるのがやっと。しかもニューハムレットは日本人が多く、慌ただしくもにぎやかに過ごしました。

 でも2週目になると、少しずつここでのやり方に慣れてきました。また、日本人は私をふくめて4人だけに。(うち2人はボランティアスタッフ、1人は長期滞在者です)
 1人で静かに過ごす時間が増え、またプラクティスの効果もあり、自然と気づき(マインドフルネス)が深まっていきます。すると様々な感情や思いグセが、心身の苦しみとともに次々に認識されるようになりました。
 これ、かなりキツいです。今まで無意識と顕在意識の狭間で流していたネガティブなものたちや、なんとなく気がつきながらも目をつぶっていた自分の問題点が、次々と波のように打ち寄せてくるのですから。
 でも、苦しみと向き合うのも、プラムヴィレッジの大切なプラクティス。今日は、自由な時間がたっぷりあります。自分が長い年月をかけて溜め込んでしまったものと、じっくり向き合うチャンスです。

 心身に現れてきた苦しみを抱きしめて、プラム畑を歩き、ブッダホールで座り、座るのさえ辛い時はリラクゼーションスペースとして解放されているメディテーションホールで横になり、それでも呼吸とともに心を静め、苦しみにアクセスし、深く潜り込んで洞察することを続けました。

 すると、その苦しみを作り出してきた過程や、その苦しみの奥にある思いに対する理解(気づき)を得たとき、フッと心身が楽になり、苦しみのエネルギーが、他のエネルギーに変わっていくのを感じます。私が長い年月をかけて作りあげてきた、いくつかの大きなしこりも溶けていきました。
 苦しみのケアを一通り終えた時には、険しい縦走登山から無事に下山したような、達成感と爽快感が残りました。


苦しみの変容
ティク・ナット・ハン師はこの苦しみを変容する過程を、こう表現されています。


苦しみの本質を深く見つめることで、初めてその原因が見つかり、それを生んだ根本要因を確定することにつながるのです。瞑想をある程度続けていれば、意識の根底でつねに変容が起こり続けていることがわかります。~深く見つめることから得られた洞察は、私たちを解放し、種のかたちで保存された苦しみを変容させます。
                  「リトリート ブッダの瞑想の実践」野草社


 このヘビーなプラクティスをするのに、プラムヴィレッジを満たすマインドフルネスのエネルギー、慈悲のエネルギーが、大きな助けとなってくれました。ここでなら安心して、自分の深いところまで入っていくことができる……ティク・ナット・ハン師がサンガの大切さを強調されていることが、身を持って納得できました。
 また、タイ(ティク・ナット・ハン師)はサマーリトリート中の法話で、苦しみについて以下のように話されたことが、強く心に残っています。最初の一行はちょっとショッキングですが、最後まで読んでみて下さい。私たちに苦しみと向き合う勇気を与えてくれます。


私は子供たちを、苦しみのないところに送りたいとは思いません。
苦しみのないところでは、理解や慈悲を育むことができないからです。
天国には喜びや幸せなど素晴らしいものがあります。苦しみもその素晴らしいものの一つです。
天国は苦しみのないところではなく、苦しみの対し方を知っている人の場所です。


  

 その後、たまっていた洗濯物を手洗いし、ゆっくりシャワーをあびました。ここでは洗濯は手洗い、バスタブもありません。ドライヤーもないので、洗った髪は自然乾燥です。
 文字通り心身ともにさっぱりとして、ハーブティーを飲みながら野外でくつろいでいると、プラム並木が続く丘、大アザミ、見慣れた風景の輪郭がいつもよりクッキリ見えました。濡れた髪を風が揺らす感覚も、スローに感じます。
 「必要なものは全て、今ここにあるんだなあ」、静かで満ち足りた時間が流れていきました。


     *   *   *   *   *   *   *


 今回は本来、瞑想指導者だけに伝えるような瞑想における深い体験を、どこまでオープンにしていいのか、またティク・ナット・ハン師の文脈から外れずにどのように伝えたらいいのか、悩みながらの執筆になりました。抑えた語り口になりましたが、それでもなにか伝えることができたら幸いです。
 
 苦しみを深く洞察するプラクティスはプラムヴィレッジに限らず、テーラワーダ(上座部仏教)でもマハーヤーナ(大乗仏教)でも伝統的に行われていますが、心の深くまで踏み込むため独学でするのは危険がともないます。どうぞ、信頼できる指導者と環境のもとで行ってください。



滞在中の一番ヘビーな1日を書き終えて、ホッとしています
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プラムヴィレッジ滞在記10 美しい偈と、女の園のテント生活

2014-10-15 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
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8月13日(日) 第2週・3日目
この一歩に、自分の100%を投資する
 今日のティク・ナット・ハン師の法話はローハムレットで行われ、ブッダの教えのセンターとするマインドフルネスの実践について、呼吸をすること、歩くことを中心に話されました。

 タイ(ティク・ナット・ハン師)は、滞在中は時間を大切にして、歩くことと呼吸のトレーニングをつねに習慣とするように指導されました。「一歩一歩、この瞬間にたどり着けるようにトレーニングして下さい」、「心口意を一つにしてその一歩に集中し、その一歩に100%自分を投資して下さい。まだ100%になっていないと思ったら止まって、歩くのをやめて100%になるまで待って下さい」とかなり高度な指針を掲げられます。そして10代で出家した時に師から授かった偈を紹介し、私たちを励まされました。

朝、目を覚ましてほほえむ(息をすってほほえむ)
私には二十四時間の新しい一日がある(なんてすばらしいプレゼントなんでしょう)
この一日をしっかりと無駄にしないで生きることを誓う
そして人々を慈悲の目で、愛の眼差しで見ることを誓う



テント生活
 私は前半の2週間はテントで、後半の2週間はジット(民宿)で寝起きしました。テントはレンタルで、積んである順に渡され、私が支給されたのは1~2人用の簡易テント。これを一人で使いました。
 設置したニューハムレットに隣接する「香しき井戸寮」は、シスターもふくめ女性だけが生活するエリア。母親と参加した子どもは男の子もOKだけど、父親もいっしょの場合はNGなようです。洗濯物ものびのびと干すことができました。
 
 私はガールスカウト出身で、大学時代はアウトドア系のサークルにも参加していたので(メインで活動していたのは漫画研究会ですが……)、キャンプ生活はなじんでいます。薄いテントの生地1枚をへだてて自然のなかにいる開放感や、団体生活から離れて一人になれる寛ぎを感じながら、眠ることができました。
 そして朝は鳥の声を聞きながら、今日教えていただいた偈を唱えてふとんから起き上がります。これは、日課になりました。リトリート中のしんどい時、この美しい偈がどれだけ心のブレを整えてくれたことでしょうか。



テントを設置した女の園「香しき井戸寮」エリア。寮にも宿泊できます


右端の青い小さなテントが、私のテントです(どれが支給されるかは、運次第?)


テントの中はふとん(レンタル)とスーツケースで一杯です。狭いけれど楽しい我が家、でした




我が家の居心地の良さに、虫さんたちもいっぱい訪ねて来ました
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プラムヴィレッジ滞在記9 ここでは話すことも、聴くことも全てが瞑想です

2014-10-11 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
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8月12日(木) 第2週・2日目

ビギニング・アニュー
 今日はノーカーDay、一日ニューハムレットで過ごしました。
 シスター・チャンコンの講話のテーマは、人間関係をフレッシュにするためのプラクティス「ビギニング・アニュー」。これはブッダの時代のサンガでも行われていたものを、ティク・ナット・ハン師が現在の生活に合うようにアレンジされたものだそうです。

 「ブッダの幸せの瞑想」(ティク・ナット・ハン著 サンガ刊)では、「ビギニング・アニュー」は次のように説明されています。
 自分と自分の過去の行動や言葉、思考を正直に深く見つめ、自分自身と人との関係の中で新たにやり直していくのがこの実践です。この実践の目的は、自分の心のよどみを晴らし、いつも新鮮な気持ちで実践をつづけることです。


 やり方は、まず互いの花に水をあたえ合い(感謝し合い)、自分が誰かを傷つけたり迷惑をかけたりしていないかを聴き、そして自分が傷ついたことや辛かったことを話します。コミュニティの一人ひとりのあいだに、慈しみと理解を取り戻すことが、この実践のエッセンス。そして心を込めて話し、思いやりをもって深く聴くプラクティスでもあるそうです。

 プラムヴィレッジでは他にも、ファミリーで行う「ダンマ・シェアリング」やお仕事瞑想など、人とのコミュニケーションに重点をおいたプラクティスが充実しています。これは一般的な仏教瞑想合宿ではまず重視されないため最初はとまどいましたが、「これは『話す瞑想』であり、『聴く瞑想』でもあります」という説明を受けて納得。私たちの日常の生活では、話すことも聴くことも欠かせないことです。瞑想的に生きる(”マインドフルネスに生きる”と、ここでは言い換えられますが)には、それらの行為も瞑想的であるように修練をする必要があるのでしょう。

 現実生活では人との関わりが得意とはいえない私ですが、日常をマインドフルネスに生きることを学ぶためにプラムヴィレッジに来たのですから、コミュニケーションの修練も避けては通れないこと。ここでは話すこと、聴くことに、もっと意識的であろうと心しました。


 ところで「ビギニング・アニュー」は、自分自身に対して行うのも大切なことだとアドバイスを受けました。今週はニューハムレットの日本人滞在者は4人だけ。静かに自分自身の内面とも向き合う一週間になりそうです。




話すことも、聴くことも、クリックすることも全てが瞑想です
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プラムヴィレッジ滞在記8 朝食は沈黙とともに

2014-10-09 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
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8月11日(金) 第2週・1日目

今日はDEPARTURE&ARRIVAL DAY
 プラムヴィレッジに来て一週間がたちました。第二週の一日目の今日は、DEPARTURE&ARRIVAL DAY(旅立ちと到着の日)。一週間単位での滞在になるリトリートでは、第一週のみの参加者がここから離れ、これから滞在する新しい人がやって来ます。
 私も午前中は、プラムヴィレッジを去る人たちと、ひまわり畑を散歩し、プラムヴィレッジのBookショップ(オリジナルグッズやお菓子なども販売しています)でおみやげを物色し、ちょっとしたシェアタイムをして過ごしました。


プラムヴィレッジの朝食
 ところで、プラムヴィレッジに滞在した話をすると、必ずといいっていいほど聞かれるのが食事についてです。そこで今回は、朝食について、書いてみます。

 プラムヴィレッジでは食事はビッフェ形式で用意され、自分の心身の状態に気づきながら、食べたいものを必要な量だけとります。朝食のメニューはフランスパンや雑穀パン、玄米粥、果物、ナッツ類、豆乳などが用意されています。毎日だいたい同じメニューですが、不思議なことに四週間全く食べあきることがありませんでした。
 食事は一噛み一噛み、ゆっくりといただきます。オリエンテーションではシスターが、食事について「食べている対象をしっかり味わえている時、マインドフルな状態といえます」とレクチャーされました。

 リトリート中は夜の10時から、翌日の朝食のお皿を洗いを終えるまでは「聖なる沈黙(ノーブルサイレント)」で過ごします。そこで朝食も沈黙のうちにいただきますが、 どこで食べるかは自由です。
 楽しいピクニックランチや、ファミリーで囲むディナーもいいですが、私は朝食の時間が特に好きでした。朝の澄んだ空気のなか野外で1人食べるのは清々しく、またともにプラクティスをする仲間と沈黙のなかで向かい合い、心を込めていただくのもいいものです。とりとめのないおしゃべりをしながらする食事よりも、互いの心に安らぎのスペースができて、より豊かな繋がりを感じることもありました。



用意されてるものを、一通りよそってみました。玄米粥に温かい豆乳をかけて、ナッツ数種類をトッピング。パンは左からマクロビ系植物性バター、手作りプラムジャム、ゴマペーストを塗っています。この日の果物はリンゴとオレンジ、それにパンにほとんど隠れていますが、プラムヴィレッジで採れたプラムを煮たものです。



この日は体調を整えるため、玄米がゆに豆乳がけヒマワリの種トッピングと、果物だけです。



西洋系の人でときどき見かける、果物とナッツだけの炭水化物抜きの朝食をまねてみました。マグカップはノンカフェインのコーヒ入り豆乳です。
メロンも取り放題ですが、遠慮して2切れにするところが日本人、です。




遅れて行くと、メロンがすでになくなりスイカだけのことも……
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プラムヴィレッジ滞在記7 私の内なる命にほほえむ~盛りだくさんの週の最終日

2014-10-03 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
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8月10日(木) 第1週・7日目

今日は第一週の最終日、アクティビティも盛りだくさん
 早朝はプラムヴィレッジ流の五戒ともいえる“ファイブ マインドフルネス トレーニング”を正式に受ける儀式「5MT Transmission Ceremony」がおごそかに行われました。これは受けるのも受けないのも自由です。また仏教の「戒」と同じように、個人の自由意志によって守るものであり、「律」のように規則として強制されるものではありません。希望者にはダルマネーム(法名)も授与されますが、これも日本の戒名のように料金はかかりません。純粋に、プラクティスを進めていくのを励ますもの、勇気づけるものとして勧められていました。
 日本人で受けたのは明日ここを出る人が中心で、私は参列者として一週間ともにプラクティスをした仲間の清々しい姿を見守りました。

 昼間は、アッパーハムレットでティク・ナット・ハン師の法話と歩く瞑想、おいしいベジタリアン・サンドイッチを持ってピクニックランチ。そしてニューハムレットに戻ってお馴染みのお仕事瞑想です。このファミリーでする最後の共同作業、クッションを置く動作の1つ1つにも、いつもにも増して心がこもります。


満月の祝典・フルムーン・セレブレーション
 最後のディナーをファミリーで食べたあとは、またバスでアッパーハムレットに向かい、野外フェスティバル「フルムーン セレブレーション」に参加。子供やティーンを中心としたリトリートの参加者や、シスター&ブラザーの歌や踊り、寸劇などが披露されました。
 なんだか、子供のころ入っていたガールスカウトのサマーキャンプみたい。自分の幸せだった子供時代が、目の前の子供たちと重なります。たしかに、この子たちのなかに私はいて、私のなかにこの子たちがいる……タイ(ティク・ナット・ハン)の教えのインタービーイング(相互存在)がふと実感でき、子供たちのこれからの長い人生が幸せであるようにと願う気持ちが、自然とあふれてきました。



元気いっぱいの、子供たちの歌とお遊戯。


何と、ブラザーたちのラップバンドも登場!観客、総立ちです。
いろいろとツッコミたいところですが、よしとしましょう……



そして、〆は座る瞑想
 夜10時の消灯時間後、日課となった瞑想をするためにブッダホールに行くと、10人ほどの日本人参加者全員が、申し合わせたわけでもないのに次々と集まってきました。
 今、このメンバーで南フランスのプラムヴィレッジにいる奇跡(もしくは必然)を思い、暗闇のなか灯りでブッダ像だけが浮かび上がったホールで、輪になって座る瞑想をしました。

息を吸いながら 息を吸っていることを知る
息を吐きながら 私の内なるいのち、まわりのいのちにほほえむ

     「ブッダの幸せの瞑想」より ティク・ナット・ハン著 サンガ刊




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プラムヴィレッジ滞在記6 質疑応答「あなたの人生は、そのままあなたのメッセージです」

2014-09-29 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
                      
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8月9日(水) 第1週・6日目
 今日のティク・ナット・ハン師の法話はアッパーハムレットで、質疑応答形式で行われました。
 最初は小さな子供たちが、そのあとティーンエイジャー、大人と希望者が順番にタイ(ティク・ナット・ハン師)の横に座って質問をします。
 タイ(ティク・ナット・ハン)は質問をするにあたって、こんな内容のアドバイスをされています。

 「よい質問はみんなのためになるものです。だから仏教に関する質問はやめて下さい。サマーリトリートは仏教の勉強会ではないのです。マインドフルネスの実践の場です。心からの質問をして下さい」

 質問のための質問、知識の多さを誇示するような質問もよくある日本の瞑想会でも、参考にしたいアドバイスです。いや、個人的にはマニアックな仏教に関する質疑応答も好きなのですが……

 質問は小さな子供の「幸せってなんですか」といったピュアなものから、大人のパレスチナ問題に関するヘビーなものまで幅広く出ました。
 タイの素晴らしいところは、質問を表面的にとらえず、質問者がその質問をした奥にある苦しみや願いまで深く洞察して、回答されるところです。そして質問者にとどまらず、聞いている他の人の学びとなるように語られます。だから、「その質問は、私には関係ないわ」とはならないのです。その苦しみ、悩みは質問者だけのものでなく、ここにいる全ての人につながっているのです。まさに、タイの教えであるインタービーイング※1が体現されたような質疑応答でした。

※1インタービーイング:相互存在。 innter とbeingを合わせてタイの造語。あらゆる存在は単独では成り立たず、他のものと不可分につながっているという意味を表す。漢訳では相即相依に相当する。


 今回は私たちのファミリーの一員、トレイシーとの質疑応答を紹介します。
 彼女はアメリカ南部のアラバマ州から参加した若い白人女性。オーガニック料理のシェフをしていて、完全菜食主義者です。いつも元気に声をかけてくれて、彼女の明るさに私は何度も励まされました。
 また、ニューハムレットの近所を歩く瞑想で巡ったとき、食用の牛が放牧されている牧場で彼女は立ち止まり、みんなが先に行っても祈るような姿で、ずっと牛とともに留まっていた姿が忘れられません。
 そんな、心優しいトレイシーの切実な質問です。


トレイシー
 「人間は動物の苦しみに気づいていません。動物を助ける、もっといい方法はないでしょうか?」

ティク・ナット・ハン師(要約)
 「私たちは苦しみすぎると、だれかを助けたいと思っても、助けることができません。まずは自分の苦しみを和らげるためにも、幸せを育みましょう」
 「『私はベストを尽くしていますか?』と、自分自身に問いかけてみて下さい。自分の生き方は苦しみを増やさないようにしているのか。消費の仕方、職業、全てを通して世の中の苦しみ、動物たちの苦しみを減らすベストを尽くしているのか自問してみましょう。あなたの人生は、そのままあなたのメッセージです



トレイシーと放牧牛



これからは、タイと呼びます
 ところでティク・ナット・ハン師の呼び方ですが、日本にいる時の私は、タイ(ベトナム語で先生)と呼ぶことに抵抗がありました。サンガのメンバーではない自分がそう呼ぶには慣れ慣れしいように感じていたのです。
 でも今週、師から直接お話を聴き、歩く瞑想をするなかで、師はあえて特別の近寄りがたい存在ではなく、みんなと同じ人間である「先生」と呼ばれることをよしとされているのではないかと感じました。実際、法話や質疑応答では、聞き手を導くのではなくて、伝えていこう、育てていこうという思いがひしひしとと伝わりました。
 そこでこの頃から、私も尊敬と親しみを込めてタイと呼ぶようになり、このブログでもそう書くようにいたします。



初めて「タイ」と口に出した時は、ドキドキしました
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プラムヴィレッジ滞在記5 今日は週に1度のレージーディ(のんびりする日)

2014-09-27 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
       
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7月8日(火) 第1週・5日目
 今日は週に一度のレージーディ(LAZY Day のんびるする日)。夕方のお仕事瞑想まではアクティビティが入らず、時間を気にせずに好きなことをしてくつろぐ日です。

 午前中は瞑想の自修と、お世話になった人や家族に手紙(プラムヴィレッジのオリジナルポストカード使用)を書きました。
 ランチタイムは日本出身のシスター・チャイや、今年5月に来日されたシスターたちと過ごすため、日本人参加者は鐘楼に集合。普段の食事は沈黙とともにいただきますが、この日はお話をしてもOKです。鐘撞き台の上に輪になって座り、プラクティスの質疑から、プラムヴィレッジでの生活の微笑ましいエピソードまで、おしゃべりがはずみました。
 午後からは丘の上にある集落に向かい、郵便局で手紙を出したり、Wi-Fiが使えるカフェでメールチェックや仕事を少々したりして過ごしました。
 瞑想の修練やカフェでのお仕事はレージーディではふさわしくないのではと指摘を受けそうですが、どちらも好きなことだから、いいのかな、と。




郵便局の近くで、おしゃれな南フランスの建物と調和した、毛並みの美しいネコちゃんと遭遇。瞳はブルーです。



声をかけると、近づいてきました。カワイイ……


 カフェでネットをし続けているのは、見渡すと日本人と韓国人、フロム香港や、インドネシアのチャイニーズなどなど、東アジア系列の人たちばかり。他の地域の人たちは、さっと携帯でメールチェックをしてもすぐにしまい、会話や、一人の時間を楽しんでいます。それは、この日に限らず、いつカフェに行っても同じような傾向がありました。
 日本にいる時は違いが気になっていたのですが、世界という大きな視点で見ると、私たちは似た者同士なのかもしれません。ご近所の国の人たちに親近感を覚えました。実際、フランス人のカフェのマダムには見分けがつかず、みんな同じ国の人に見えたかもしれません……



週に一度はプラムヴィレッジに習って、レイジーに過ごしてみませんか?
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プラムヴィレッジ滞在記4 団体行動は苦手ですが……

2014-09-24 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
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7月7日(月) 第1週・4日目
 リトリート中の月曜日は、ティク・ナット・ハンがニューハムレットに来られて法話(ダンマトーク)を行います。他のハムレットからも多くの人が法話を聴きに来るため、私たちファミリーは会場作りで昨日から大忙し。本来のお仕事瞑想の時間を超えて作業が続きました。
 大型のメディテーションホールだけでは足りずに、中型のブッダホールにもめいっぱい座布を並べ、さらに屋外にもテントを張り椅子を並べて、700~800人ほどの来場者に対応します。法話はメディテーションホールで行われますが、それを撮影してリアルタイムでブッダホールのスクリーンにも映し出されるのです。



メディテーションホールには、ぎっしりと座部と椅子が並べられました



ホールの外にも、窓から法話の様子が見えるように椅子が並べられます


 
 実は私は団体行動が大の苦手。だって、気は使うし、自分のペースは乱されるし、同調圧力を感じることもあるし、めんどうなことばかりじゃないですか……。だから私は職業がフリーランスのライター(という名の何でも屋)という個人事業なのをいいことに、団体行動はなるべく避けて今まで生きてきました。でも、お仕事瞑想をはじめリトリートの多くのアクティビティは、集団で調和を保ちながら行います。
 しょうがないなぁ……望んでプラムヴィレッジに来たのだから、ここでのやり方を素直に受け入れて学んでいこうと、私は腹をくくりました。初日のオリエンテーションでは、お仕事瞑想は互いに奉仕し合い、サポートし合うプラクティスだという説明を受けましが、それも私にはあまり得意ではない分野です。でも、今こそ逃げないで、手も抜かないで、それらと向き合う時だと課題が示されたように思えました。
 お仕事瞑想中、慣れない集団作業にブツブツと心の中で文句を言い出したら、呼吸に気づき、作業をする手の動き、足の動きに気づき、心を今ここに戻すことを繰り返しました。もちろんすぐに戻れないで、ブツブツと心の中のおしゃべりが続く時も多いのですが……


今日の心に残った言葉
呼吸に気づくことで思考から自由になれます。たった一息で過去や未来から解放され、自由な人間として存在できるのです(法話でのティク・ナット・ハンの言葉)





自由な人間になれば、団体行動が苦手とか好きとかも超越するのでしょうか
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プラムヴィレッジ滞在記3 ティク・ナット・ハン ただマンドフルネスであること

2014-09-22 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記



ローハムレットのホールで、シスター&ブラザーがずらりと並んでチャンティング

                   
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7月6日(日) 第1週・3日目
 今日はローハムレットでティク・ナット・ハンのダンマトーク(法話)と歩く瞑想が行われ、私たちニューハムレットの住民はバスで40分かけてお出かけです。
 大きなステンドガラスが掲げられた会場のホールは、まるで教会のよう。そしてシスター&ブラザーのチャンティング(読経)は仏教の経典をベースにしながらも、その節回しは賛美歌を彷彿させました。西洋の人たちにもすんなりと馴染めそうです。(※1)

 サマーリトリート最初のダンマトークだけあって、ホールは50カ国近い国籍のあらゆる年代の人であふれていました。700~800人ぐらいはいたでしょうか。
 法話は英語で行われましたが、イヤホンで日本出身のシスター・チャイの通訳が聴けましたので、英語が苦手な私でもリアルタイムで的確に師の言葉に触れることができました。87歳のハン師は私が想像していたのをはるかに越えて活き活きとされ、瞳には深い慈愛をたたられえていました。その言葉は軽やかさと力強さを併せ持ち、なんとトークの合間には体操の指導までされていましたよ。

 ダンマトークはプラムヴィレッジのプラクティスの核心でもある、泥の中からハスの花が咲くように、苦しみも幸せに変えることができるというお話が、特に印象に残りました。
(個人的要約)
ハスの花を育てる時は泥が必要なように、苦しみも役に立つものです。苦しみの取り扱いを知っていれば、怒りや恐怖をうまく取り扱えれば、苦しみから理解や智慧を生むことができます。だから泥を怖がらないでください。慈悲や癒やし、幸せなど美しい花を咲かすことができるのですから。


※1
チャンティングに関しては、昨年、今年とサマーリトリートに4週間フル参加されたナオキさんが、自身のブログで解説されています。
The Zen会BLOG プラム・ヴィレッジ通信30




歩く瞑想
 ダンマトークの後の歩く瞑想は、子供たちと手をつないだハン師を先頭に、長い長い行列になって進みます。


ハスの池を巡り



木陰で休憩


 休憩の時にハン師はお茶を飲まれたのですが、その動作はゆっくりゆっくり、スローモーション。だけど、ただお茶を飲まれただけで、そこは平和と静寂の世界に包まれました。本当にただマンドフルネスであることが、こんなに周りの世界に美しい影響を与えことができるなんて!
 究極ともいえるマインドフルネスのお手本を示され、遥か遠くとはいえ目指すものが具体的に見えてきて、これからのプラクティスの励みになりました。それだけでもプラムヴィレッジに来た意味があるというものです。



スローモーションでクリック!
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プラムヴィレッジ滞在記2 イラッときたら呼吸に戻ろう

2014-09-20 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記
                    
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月5日(土) 第1週・2日目
 今日のプラムヴィレッジは週に一度のノーカーデー。母なる地球に感謝し、環境に配慮して車を使わない日です。ニューハムレットは他のハムレットまで車で40分ほどかかるため、この日は移動せずに、全てのアクティビティはハムレット内で行われます。
 早朝の瞑想と読経(Guided Sitting Meditation&Sutra reading)が終わると朝ご飯、その後、シスター・チャンコン(真空尼)の講話や、お仕事瞑想(Walking Meditation)とダンマシェアリング(真理のわかち合い。深く聴き、心を込めて話す実践)、そして夜の8時をすぎてもまだ明るい屋外で、歩く瞑想などが行われました。

 リトリートではファミリーと呼ばれる20人程のグループが作られ、お仕事瞑想やダンマシェアリング、そしてイベントで発表する出し物などを協力して行い、またディナーもファミリーそろっていただきます。
 ニューハムレットに滞在している日本人はこの週は10人ほどでしたが、みんなお仕事瞑想でメディテーションホールの設営・掃除を担当するファミリーに配属されました。ホールは朝のお務めをはじめ、昼のアクティビティでも使用されるので1日に何度も、少ない時で200人、ティク・ナット・ハンが法話に来られて全ハムレットの参加者が集まる日は千人近くの席を準備します。
 多少の作務は覚悟していましたが、予想以上に本格的な仕事を担うことになりました。いえ、これはWalking Meditationなので瞑想のひとつ。シスターからもできるだけ呼吸に気づき、お話をしないでやるように指示されています。これも瞑想……単純な瞑想バカの私はそう思うと、作業に取り組むモチベーションも上がります。



今日の心に残った言葉
他の人の間違った認識は大切なことではありません。自分がどう思っているかが問題です(シスター・チャンコンの講話から)

 


イラッときたら呼吸に戻ろう
 いよいよ本格的にサマーリトリートが始まりました。この日はハン師の最も古い弟子である、尼僧のシスター・チャンコンの講話が行われました。シスター・チャンコンは80歳近くには思えないパワーあふれる頼もしい方。シスター&ブラザーからも特別な存在として慕われています。
 お話の中でも特に印象に残ったのが、「プラムヴィレッジに滞在中に、イラッときたら呼吸を思い出して戻って来てください。そして違う可能性を見てください」というとてもシンプルなアドバイス。これは参加者が共に働き、学び、歌い、子どもたちが元気に走り回る環境だからこそ実践できるプラクティスではないでしょうか。沈黙に徹して瞑想修行に専念するタイプの合宿とは違い、ここではちょっとした人間関係の葛藤、思いの行き違いなどが普通に起こるでしょう。その時におこるネガティブな感情の対処法をここでレッスンすることで、日常生活に戻っても使いこなせるようになりそうです。




※「手放す」はヴィパッサナー瞑想の説明でよく使用される表現ですが、ハン師はこの表現はあまり使われないようです。また、アッパーハムレットは男性僧侶のための僧院なので、最近増設されたそうですが、それでも女性トイレが少ないのはしかたがないことです。




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プラムヴィレッジ滞在記1 プラムヴィレッジに到着!

2014-09-19 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記


丘の中腹から、ニューハムレットを望むとこんな感じです(一部、個人宅も隣接しています)


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7月4日(金) 第1週・1日目
 朝8時すぎに、パリのモンパルナス駅からフランスの新幹線TGVに乗って、プラムヴィレッジに出発です。延々と続く農村地帯を見ながら約4時間、さらにローカル線に40分ほど乗って、やっと最寄り駅に到着しました。
 駅ではシスター(尼僧)たちがあふれる笑顔で出迎えて下さいました。プラムヴィレッジの存在は約20年前、ティク・ナット・ハンの来日をきっかけに知り、ずっと憧れていましたが、どちらかと言うとお伽の国のような存在。それが、南フランスのこの地でシスターたちの曇りのない笑顔に触れ、初めて活き活きとしたリアルな存在として感じることができました。

 駅から送迎の車で1時間弱、プラムヴィレッジのニューハムレットに到着したころには、午後もだいぶ過ぎていました。
 車を降りると、季節の花が咲く豊かな緑のなか、シスターたちが気づきを保ち微笑みとともに行き交う姿が目に入ります。子どもたちの元気な声も聞こえてきました。ピースフルなエネルギーに満ちたこの場所にいると、心が静かに開かれていくのがわかります。「ああ、プラムヴィレッジに来たんだな」、深い呼吸とともに、そんな言葉が思わず口からこぼれました。

 農村に位置するニューハムレットは僧院とはいえ、それらしい建物は鐘堂だけ。プラム畑が続き、小高い丘まである広い敷地には、メディテーションホールをはじめ、ブッダホールと事務所、食堂と宿舎など、いくつもの石造りの伝統的な南フランスの建物が点在していて、どちらかというと小規模の寄宿学校のようでした。

 初日のアクティビティーは、夕食後にトータル・リラクゼーションとオリエンテーションが、ニューハムレットでは一番広いメディテーションホールで行われました。
 トータル・リラクゼーションでは横になって、シスターのガイドで体の各部に気づきを向けて緊張をゆるめ、全身をリラックスさせていきます。長旅の疲れが癒え、明日から始まる本格的なリトリートに向けて体が整えられました。
 オリエンテーションではここでの生活が、食事も、作業も、ただ歩くことさえも、つねに「今ここ」を生きるマインドフルネスの実践の場であることを確認。そのための具体的なアドバイスをベテランのシスターから受けました。
 
 さあ、気づきとともにすごす4週間の始まりです!


今日の心に残った言葉
マンドフルネスは何かを成し遂げるための道具ではなく、私たちの人生そのものです(オリエンテーションでのシスターの言葉)



瞑想するぞ!と息巻いて参加しました、が……
 リトリートにティク・ナット・ハンの書籍は、『ブッダの幸せの瞑想』(島田啓介、馬籠久美子訳 サンガ刊)と『ブッダの<呼吸>の瞑想』(島田啓介訳 野草車)の2冊を持参しました。前者は事前のメールで日本出身のシスター・チャイから「この本はリトリートのしおりでもあるので、一冊手元にあるととても便利です」というアドバイスをいただいての持参です。
 そして後者は、ハン師が三本柱とされる特に重要な三つの経典の一つ、『アーナパーナサティ・スッタ』(出入息念経)の解説書になります。ハン師はマハーヤーナ(大乗)の僧侶ですが、三本柱の経典は全てテーラワーダ(上座)系統の経典です。私は仏教瞑想を学ぶなかでこの経典に触れる機会が多いのですが、今回はハン師のお膝元で、ハン師の解説にそって自修しようという目論みでの持参です。
 スケジュール表を見ると、活動と活動の間にはけっこう時間に余裕がありそう。しかもブッダホールでは24時間、いつでも自由に瞑想ができるようです。活動中は気付きを保ちながら過ごす、いわゆる生活瞑想に取り組みながらも、じっくり1人で座る時間も充分に取れるでしょう。参加者の修行系男子のケータ君と「1日に3時間は座りたいよね」などとほくそ笑みました。
 しかし、プラムヴィレッジのサマーリトリートは、私が今まで参加したどの瞑想リトリートや合宿とも性質の違うもので、私の浅はかな思惑などくだけ散るのでした……(具体的には、この先の滞在記で明らかになっていくことでしょう)




某氏にこの文章を見せたところ、”慢”の見え隠れしたひろこさんらしい文だといわれました……まだまだ修行が足りません
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プラムヴィレッジ滞在記 イントロダクション(基本ワードのまとめ)

2014-09-17 | 04年夏 プラムヴィレッジ滞在記




 今年、7月4日から4週間、日常瞑想でもあるマインドフルネスを学び、身につけるため、ティク・ナット・ハンの本拠地であるプラムヴィレッジで行われたサマーリトリートに参加しました……とここまで読んで、出てきた単語1つ1つに「?」な人も多いのではないでしょうか。
 これから「プラムヴィレッジ滞在記」としてブログで綴っていきますが、まずはイントロダクションとして、滞在記がスムーズの読めるように基本ワードをまとめてみました。



ティク・ナット・ハン(釈一行師)とは
ベトナムの禅僧(臨済正宗)、詩人、平和活動家。
1926年、中部ベトナムに生まれ、17歳で出家。
 ベトナム戦争中は南北どちらの側にもつかず、病院や学校の設立、戦争孤児たちの支援、死体の回収など非暴力による社会活動に邁進されました。
 1966年、戦争の平和的終結を求める使節として欧米を訪問、その取り組みに感銘を受けたキング博士の推薦により、1967年ノーベル平和賞の候補になります。しかし、ベトナム政府からは反逆者と見なされ、帰国不可能となりフランスに余儀なく亡命されることに。(2005年にはベトナムへの一時帰国が許され、名目上は亡命ではなくなります)
 1982年、南フランスのボルドー地方にプラムヴィレッジを設立。行動する仏教(=社会参画仏教 エンゲージドブッディズム)の提唱や、現在では医療やビジネスの現場にも取り入れられているマインドフルネスの普及など、つねに仏教と社会を繋ぐ活動をリードし続け、ニューヨーク・タイムズ紙では「ダライ・ラマ14世に次ぐ、西洋で最も影響力を持つ仏教指導者」と評されています。
 なおティクはベトナム語で「師」を意味するため、ティク・ナット・ハンと表記する場合は師を付ける必要はありません。師を付ける場合は、厳密にはナット・ハン師、ハン師といった表記になります。また、弟子や支持者たちは敬愛を込めて、ベトナム語の「先生」を意味するタイという愛称で呼んでいます。
2015年5月、来日予定!


マインドルネスとは
 本来は瞑想をはじめ仏教の実践における重要な概念である、パーリ語「sati(サティ)」の英訳語として使われている言葉です。漢訳の「念」に相当し、日本語では通常「気づき」と訳されます。
 ハン師はこれを「今この瞬間に気づき目覚めていること」と柔らかく表現されています。具体的にはさまざまな思考や先入観を手放し、今この瞬間をしっかり意識すること、またはその状態を意味し、ハン師の指導するプラクティスにおける第一のキーワードです。
マインドフルネスは名詞で、形容詞や副詞ではマンドフルな、マインドフルに、と変化します。


プラムヴィレッジ(フランス)とは
 ベトナム出身の禅僧、ティク・ナット・ハンが南フランスのボルドー地方に設立された本拠地、欧州最大規模の僧院であり、瞑想センターでもあります。ここではシスター&ブラザー(尼僧、僧侶)が修行生活を送るとともに、一般の人を対象としたリトリート(合宿)が年に何度も開催されています。
 現在はアッパーハムレット、ローハムレット、ニューハムレットの3つの村に分かれ、私の滞在したシスター(尼僧)の修行生活の場であるニューハムレットは、他から車で30~40分ほどの距離にあります。


サマーリトリートとは
 毎年、夏の4週間に渡って開催される、マインドフルネスの実践の場としての合宿です。
 プラムヴィレッジでは年に何度かリトリートが開催されていますが、サマーリトリートはファミリーリトリートの性格があり、家族参加も多く、赤ちゃんからお年寄りまで、様々な国籍、人種、宗教の人がともに生活します。
 参加は1週間単位で受付け、私は4週間のフル参加をしました。



なお、当ブログは一参加者であるコマメが、個人の体験や感想を綴っています。理解の不足による、的を外した表現などもあるかもしれません。正しくハン師の教えや、プラムヴィレッジ式プラクティスを学びたい方は、書籍や公式サイトなどを参考にして下さいね。



さてさて、プラムヴィレッジではどんなことが起こりますやら!?
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