天性の「逆ひきこもり」がお届けする、あちこち(九州中心)ガイド。今回は、熊本県山鹿市内にある日輪寺をご紹介いたします。
山鹿・菊池を統治していた、菊池氏の禅寺として有名なお寺、だそうです。わたくしも、このたび行ってみて、はじめて知りました。
目当てはお寺ではなく、このお寺で毎年開かれている『つつじ祭り』。このお祭りも、熊本の地方紙で知りました。俳句作家にとって、その季節にどういう場所で、どんな花が咲くかというような情報を集めるのは、基本中の基本なんです。ただ、見えたものを読む、というような態度では俳句はできません。ジーサン・バーサンの頭の体操だけでない、まるで乗りテツ(全国各地の鉄道に乗ることを至福とする、鉄道ファンのこと)のように俳句作家はアクティブです。
このお寺は、境内がある小高い丘のふもとから頂上に至るまで、丘陵に沿ってびっしりとつつじの木が植えられていて、4月中旬から5月上旬にかけて、赤・白・紫などのつつじがワッと咲き誇ります。この期間中に行われる「日輪寺つつじ祭り」は、熊本県北の春のお祭りとして人気があるとのこと。
場所を検索して、行ってみました。基本的には、本堂があるだけの普通のお寺にもかかわらず、お祭りがあるようなお寺ですから、大きな駐車場がありまして、入っていきますと、いきなり400円の駐車料金を取られました……。いつも思うのですが、こういう地方のイベントの駐車場の料金って、高いですよね。どうにかならないかな?(一心行の大桜の会場は、600円でした。信じられん!)
この駐車場から見えるつつじも、なかなかきれいだったのですが、どうせ来たのだからと境内を散策することに……。
つつじだけでなく、このお寺に来た理由のひとつに、「とんでもない大仏像を見る」というのがありました。そのだいぶつというのが、こちら……。
うーん。奇妙だ。(笑) これを見るにも、また400円の拝観料を払わないと見れなかったりします。(苦笑)
これ、賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)という釈迦の弟子の像なんです。(参照)
世の中に、この賓頭盧尊者の大仏というのはここだけではないでしょうか。しかも、この像。マッサージチェアに寄りかかっているような格好で半分寝ているような姿をしてします。(半臥、と説明されていました) 仏像マニアのわたくしですが、そんな格好の像は今まで聞いたことがありません。しかも、なんと、全高30mもあるんだそうですよ。
像の両脇には階段があり、そこを上りきると、像の肩口が扉になっていて、中に入ることができます。入ってみると、この大仏と同じ格好をした賓頭盧尊者が、今度は完全に仰向けに寝ている姿で祀られているではありませんか。賓頭盧尊者は、主に坐像で知られます。こんな無愛想な「おびんずるさま」は見たことがありません。
あきれ返っていると、奥の壁が刳り貫いてあって、そこに、なんともまっとうな賓頭盧尊者坐像が祀られていました。
身体を赤く塗り、頭や顔の塗料がはがれているのは、参拝に来た信者が丁寧に撫でながら病気平癒を祈願した証拠。
ここで、ひとつ気付きました。
この賓頭盧尊者坐像は、もともと本堂脇に据えられていたものだったのではないでしょうか? 「おびんずるさま」であるならば、そうでないとおかしい。
本堂の改築や境内の整備のために、移動が余儀なくされ、いったんどこかに移ったものを、寺の何百周年かの行事で
「どうせなら、大仏を建立してその中に安置しよう」
という計画が立ったにもかかわらず、急な丘陵地であることと、地質の問題(または法律の問題か)などで、丘陵に沿った作り方にしなければならなかった……。
こんなへんてこな推理を勝手に立ててしまいました。
「本日はおまいり、ありがとうございます。ご参拝の折に、この『びんずる香』をお焚きになると、よりご利益が増しますよ。一本300円で……」
中の管理人の方にそういわれましたが、丁重にお断りいたしました。なんぼ、小銭をせびるんでしょう、ここは。(笑)
でも、この撫で仏は、実にまっとうで、繊細な造りのものでした。
また、公園化している丘陵から望むつつじは、それはそれはきれいでした。
赤つつじ欲深さうに咲きにけり
つつじ「本人」には失礼かもしれませんが、花をひしめき合って咲く姿に、なんとなくそう感じてしまいました。
来年は、鹿児島の深山霧島がみたいな……。あ。わたくしも、かなり強欲ですね。(笑)
山鹿・菊池を統治していた、菊池氏の禅寺として有名なお寺、だそうです。わたくしも、このたび行ってみて、はじめて知りました。
目当てはお寺ではなく、このお寺で毎年開かれている『つつじ祭り』。このお祭りも、熊本の地方紙で知りました。俳句作家にとって、その季節にどういう場所で、どんな花が咲くかというような情報を集めるのは、基本中の基本なんです。ただ、見えたものを読む、というような態度では俳句はできません。ジーサン・バーサンの頭の体操だけでない、まるで乗りテツ(全国各地の鉄道に乗ることを至福とする、鉄道ファンのこと)のように俳句作家はアクティブです。
このお寺は、境内がある小高い丘のふもとから頂上に至るまで、丘陵に沿ってびっしりとつつじの木が植えられていて、4月中旬から5月上旬にかけて、赤・白・紫などのつつじがワッと咲き誇ります。この期間中に行われる「日輪寺つつじ祭り」は、熊本県北の春のお祭りとして人気があるとのこと。
場所を検索して、行ってみました。基本的には、本堂があるだけの普通のお寺にもかかわらず、お祭りがあるようなお寺ですから、大きな駐車場がありまして、入っていきますと、いきなり400円の駐車料金を取られました……。いつも思うのですが、こういう地方のイベントの駐車場の料金って、高いですよね。どうにかならないかな?(一心行の大桜の会場は、600円でした。信じられん!)
この駐車場から見えるつつじも、なかなかきれいだったのですが、どうせ来たのだからと境内を散策することに……。
つつじだけでなく、このお寺に来た理由のひとつに、「とんでもない大仏像を見る」というのがありました。そのだいぶつというのが、こちら……。
うーん。奇妙だ。(笑) これを見るにも、また400円の拝観料を払わないと見れなかったりします。(苦笑)
これ、賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)という釈迦の弟子の像なんです。(参照)
世の中に、この賓頭盧尊者の大仏というのはここだけではないでしょうか。しかも、この像。マッサージチェアに寄りかかっているような格好で半分寝ているような姿をしてします。(半臥、と説明されていました) 仏像マニアのわたくしですが、そんな格好の像は今まで聞いたことがありません。しかも、なんと、全高30mもあるんだそうですよ。
像の両脇には階段があり、そこを上りきると、像の肩口が扉になっていて、中に入ることができます。入ってみると、この大仏と同じ格好をした賓頭盧尊者が、今度は完全に仰向けに寝ている姿で祀られているではありませんか。賓頭盧尊者は、主に坐像で知られます。こんな無愛想な「おびんずるさま」は見たことがありません。
あきれ返っていると、奥の壁が刳り貫いてあって、そこに、なんともまっとうな賓頭盧尊者坐像が祀られていました。
身体を赤く塗り、頭や顔の塗料がはがれているのは、参拝に来た信者が丁寧に撫でながら病気平癒を祈願した証拠。
ここで、ひとつ気付きました。
この賓頭盧尊者坐像は、もともと本堂脇に据えられていたものだったのではないでしょうか? 「おびんずるさま」であるならば、そうでないとおかしい。
本堂の改築や境内の整備のために、移動が余儀なくされ、いったんどこかに移ったものを、寺の何百周年かの行事で
「どうせなら、大仏を建立してその中に安置しよう」
という計画が立ったにもかかわらず、急な丘陵地であることと、地質の問題(または法律の問題か)などで、丘陵に沿った作り方にしなければならなかった……。
こんなへんてこな推理を勝手に立ててしまいました。
「本日はおまいり、ありがとうございます。ご参拝の折に、この『びんずる香』をお焚きになると、よりご利益が増しますよ。一本300円で……」
中の管理人の方にそういわれましたが、丁重にお断りいたしました。なんぼ、小銭をせびるんでしょう、ここは。(笑)
でも、この撫で仏は、実にまっとうで、繊細な造りのものでした。
また、公園化している丘陵から望むつつじは、それはそれはきれいでした。
赤つつじ欲深さうに咲きにけり
つつじ「本人」には失礼かもしれませんが、花をひしめき合って咲く姿に、なんとなくそう感じてしまいました。
来年は、鹿児島の深山霧島がみたいな……。あ。わたくしも、かなり強欲ですね。(笑)