ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

ブランド牛が途絶えることはない

2010年05月25日 | Weblog
エース級と言われる種牛も殺処分されると「宮崎から種牛がいなくなる」という悲痛な声があがる。
宮崎県で牛や豚に口蹄疫が広がり、崖っぷちに追い込まれた。
これほど甚大な被害になるとは、誰も予想していなかったということなのだろう。

宮崎県にとっては大打撃だが、殺処分は致し方ない。
「種牛」を特例で救済してほしいという要望が県から出されている。当事者としてみれば当然の要求であろうが、相手が伝染病であることを考えたとき、きわめてリスクが大きい。
検査をしながら種牛の感染経過を観察する、というのは一理ありそうにも思えるが、拡散してもっと甚大な被害を引き起こすことになりかねない。
特例という前例を作ると、収拾がつかなくなる。
緊急事態のリスク管理として落とし穴になりかねない。

そもそもが、口蹄疫が発生すると国際獣疫事務局(OIE)によって、口蹄疫の発生国に指定されるので、対策を誤ると「清浄国」に復帰するには長い年月が必要になる。
国全体としてどうすべきかということになると、県内の事情にばかりとらわれていられない。

アルゼンチンの牛肉は和牛ブランドのような霜降りではなく、ノーマルな赤肉で世界一おいしいという声があるほど世界的に評価が高いのだが、肉の輸入が禁止されている。
アルゼンチン・ブラジルなど南米や中国、韓国などからの牛肉輸入を禁止しているのは、口蹄疫の発生国であるという理由からだ。

口蹄疫はウイルスなので、生きた動物の中だけで繁殖する。空気中や地中では長く生きられないのだが、人間の靴・衣服や車に付着して感染が広まる。
ワクチンを使って感染のスピードを遅らせることはできても、ワクチンを使った牛や豚を殺処分にしなければウイルスは残る。
結局は、感染が疑われる範囲の全頭をして埋葬するという対策をとらなければ制圧が難しい。動物が死ぬと焼却しなくてもウイルスは死ぬ。

今回は従来と異なる牛の症状だったという不運も重なったが、初期対策の遅れが被害を拡大させたとみられている。
風評被害を避けようとして、騒ぎ立てないようにしていたこともあったのではないだろうか。
「口蹄疫は人に感染しない。感染した牛の肉を食べても健康に害はない」とメディアで盛んに報道していた。

ところで、宮崎の口蹄疫騒動がこれ以上拡大しなければ、「松阪牛」「佐賀牛」をはじめ各地のブランド牛がなくなるということではないようだ。
宮崎の口蹄疫騒ぎがきっかけで知れることになったが、これらのブランド牛はもともとは地元産でない。よそからきた子牛を飼育して、地元のブランド名をつけていたということである。
ちょっとごましの感じもするが、育て方や肥育環境で肉質に違いが出るというのも根拠がある。

いずれにしても、宮崎産の子牛もそのほかの子牛もごちゃ混ぜにして、育てた地名で「○○牛」とブランド名をつけていたわけだから、仮に宮崎県からしばらく供給できなかったとしても、ほかの地の子牛を育ててブランドは守れるということである。


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