ジジババのたわごと

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富裕層の税逃れに対策を

2017年12月17日 | Weblog



タックヘイブンといわれる地域にお金を移動すると、税金を払わなくてもよいし、名前も秘密にされる。富裕者や企業が抜け道を利用しての税逃れが横行している。
一方で一般の国民は、決められた税率で徴収される。
いまやタックヘイブン(租税回避地)は、税金の仕組みを考えるうえで大きな課題だ。


昨年のパナマ文書に続いてパラダイス文書が明るみに出た。
南ドイツ新聞社が入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が調査している。

タックスヘイブンの事務所では、税金逃れの方法を指南しているという。
法律の隙間をくぐって形ばかりのペーパーカンパニーを作り、実態があるように見せかけて税金逃れをする。
利用者の秘密と取引の隠蔽が横行していることが最大の暗部といわれる。
ところが驚くことに、その多くは合法なのだという。

しかし別の角度からよく見れば、“現行の法律”で違法と言えないというだけであって、道義的に許されることではない。
つまり法律に欠陥があるとか、網羅できない部分があるからということであろう。
後ろめたいところがあるから、匿名で秘密が公表されないタックスヘイブンを利用しているのだ。

パナマ文書・パラダイス文書からは、中国・習近平国家主席の義兄、ロシア・プーチン大統領に近い友人、カナダ・トルドー首相の資金調達者、英国のエリザベス女王までもが資産をタックスヘイブンに移し課税逃れしている疑いが出た。
習近平主席は「反腐敗」を掲げてきた にもかかわらず、パナマ文書についてネットで検索できないように規制を敷いている。

ノーベル平和賞受賞者のリベリアのサーリーフ大統領やコロンビアのサントス大統領の名前も挙がっている。日本の鳩山由紀夫元首相の名前もある。
トランプ米政権のロス商務長官の関連企業が、米政府による経済制裁対象のロシア企業と取引していることもわかり、新たなロシア疑惑に発展する可能性がでてきた。

タックスヘイブンを使っていない多国籍企業はないと言ってよいほど。
米国ではアップルやナイキがペーパーカンパニーを設立し課税逃れをしていたとされている。
金融のバンク・オブ・アメリカ、モルガンスタンレー、製薬会社のファイザーが5年間納税ゼロだという。
英国ではスターバックスが15年間のうち14年間、損失を出して納税義務を免れていたという。
日本の大企業もほとんど例外なくタックスヘイブンに子会社を置いている。

タックスヘイブンには、どれほどの資産があるのか。
少なくとも21~32兆ドル(2,300~3,500兆円)の金融資産があると推計されている。
もしこの資産に課税できれば、全世界で年間30兆円もの税収になると試算されるている。

日本企業による投資もケイマン諸島だけで63兆円に上るという。
仮に、日本からの資金に課税できたとしたらタックスヘイブン全体で、消費税8%以上の税収が見込めるとされる。

このことは、富裕層・企業からとりそこねた税金を、一般国民が穴埋めしている構図である。
この税逃れの裏社会の闇は、いまや空前の規模に達している。
そこには、富裕層と貧困層の間の極端な格差をもたらしている主因がある。

日本政府はタックスヘイブンで名前があがった人たちの疑惑について、調査しないという極めて消極的な姿勢だ。
「森友・加計学園」とか「政治資金規制法」の抜け穴に似た印象だ。


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