(2011.9.14 白川郷の合掌造り:岐阜県大野郡白川村)
9月12日、夏休みで帰省していた一番下の娘を東京まで送って行くことにしました。
いま東北自動車道を東京方面へ向い、前を行くスーパーカーに見とれながら那須インターの手前を走っています。
ここは上里サービスエリアです。といっても、福島県のおとなり栃木県岩舟JCで東北自動車道から北関東自動車道へ乗り継いで、群馬県へと入りました。そして高崎JCで関越自動車道へと乗り継いで埼玉県へ入ったところのサービスエリアが上里SAというわけです。
どうしてそんなことをしているかと言えば、みなさんもうご存じの通り被災証明で高速を利用する場合、首都高速はその対象外となるため、今回は首都高を利用しないで行けるこのルートをとっているのです。
娘を無事送り届けて、夜は東京にいる一番上の娘と合流しました。ほんのつかの間でしたが娘達と一緒に食事をして、名残尽きない話を途中で切って上の娘とサヨナラをし、その夜は下の娘のところに泊まることにしました。次の朝、『ほら、おまえの部屋からもちゃんと富士山がみえるんだぞ』と、東京から一度も富士山を見たことがないという一番下の娘に教えてやりました。
娘を東京に残した“ワイフ君”とわたしは、由緒ありげな豆腐屋の前を通って帰途につきました。
まあ、帰途についたとは言っても、あまりにも天気がいいので少しだけ遠回りをして帰ることにしたのです。今は中央自動車道を東京都から神奈川県、神奈川県から山梨県へと走っています。
進行方向左側には富士山が時々顔を出します。“ワイフ君”が必死に撮ろうとしているのですが、走っている車からではタイミングが合わずに決定的なチャンスを逃してしまいました。
談合坂のSAで買った“富士山サイダー”¥200也。味は日本一というか普通のサイダーでした。
『山があってもヤマナシ県・・・』なんて子供の頃に言ってましたが、山梨県に入るにしたがって山が正面に立ちふさがってくるみたいなんです。
わたしは“ワイフ君”に言われるまで、あの雲のところが山だとは思いませんでした。これからあんなところを越えていこうとしているんです。
次に停まったところは双葉SA。タワーはYBS山梨放送です。
ここには展望台があって、甲斐市内や・・・
富士山や・・・
八ケ岳(どこ?)も見えるのだそうです。
今度は山梨県から長野県を目指しています。
ここは長野県の諏訪湖サービスエリアです。
湖を見ながらお昼にしました。
ここ諏訪湖SAは“NPO法人地域活性化支援センターによる恋人の聖地プロジェクト”で「恋人の聖地」に選ばれているそうです。
いまは高速を降りて松本市内を走っています。松本市にはお城があると“ワイフ君”がいうのです。
いきなり道路に大きなケヤキが・・・だんだんそれらしい雰囲気が漂ってきました。
ところが駐車場が見つからず、少し離れた市営駐車場へ。街路樹のナナカマドは真っ赤に色づいていました。
なるほど、これが松本城ですか・・・。
以上、松本城3連発でした。ほんのサービスです。
松本城を後にして、さあこれからが正念場です。いま松本市から国道158号線を通って北アルプスを越え世界遺産の白川郷へ向かおうとしているのです。この158号線には安房峠(あぼうとうげ)があります。現在はトンネルが開通して九十九折りの峠を越さなくともよくなったのですが、わたしはあえて峠越えをしようというのです。『ここからがブルベで培った根性の見せ所です!』なんて、ハハハ・・・。峠越えをするのは自動車なんですから。
いえ、あえてここを上ろうと思ったのは、誰かがネットで『日本で一番美しい峠かも・・・』なんて言っていたからなのです。そこでここは是非とも越えて行きたかったのです。ほら、見えるのは3千メートル級の頂、何となくいいですよね。
ほとんどの車はトンネルに向かいました。峠を越えるのは僅かな車と峠好きのバイカーぐらいです。
安房峠から見えるこの山頂はいったい何処の山なのでしょうか。焼岳?
ここが安房峠の頂上です。安達太良山の山頂より高いところを越えているのですね。
安房峠を越えて長野県から岐阜県へ。高山市から国道41号線を北上します。ここは高山本線と並行しています。
途中に出ていた白川郷への案内板のとおりに進んでゆきます。どんどん道は狭くなって、民家も無くなり・・・
カーナビには何処までも続く九十九折りのルートが・・・だんだん日暮れも迫っているのです。上り口の案内板には“天生峠(あまおとうげ)”とありました。なんだかここは安房峠よりきつい峠でした。
明るくなると同時に行動開始、朝靄に包まれる白川郷が見たいと思っていたとおり、山から霧が落ちてきていましたが刻々と変化して予断を許しません。
“ワイフ君”と白川郷が見渡せる展望台に行こうと急ぎました。途中でデジカメの電池残量が点滅しはじめました。予備の電池は車の中、“ワイフ君”には先に展望台へ行くように言って車へと引き返しました。
大きな合掌造りがまるでこびとの家のようです。
こうしてみるとやはり美しいですよね。
ここの山ではもう紅葉も始まっているんです。
さて、いつまでもここでゆっくりしている時間は無いのです。車を置いていた通りへ戻りました。
街のメイン通り。いまや全くの観光の街、大内宿と同じです。ただ、こちらは世界遺産・・・。見れたこと自体は満足です。
白川郷を後にして東海北陸自動車道で岐阜県から富山県へ。ここは富山県の五箇山(ごかやま)。ここも世界遺産です。世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜・富山)」ということなのです。
じつは、白川郷の城山展望台でお会いした方が『五箇山はここと違ってまたいいよ』と教えてくださったのです。五箇山にもここ菅沼合掌造り集落と、相倉(あいのくら)合掌造り集落とがあるのだそうです。
なるほど、ここ菅沼合掌造り集落も軒数は少ないですが、とても美しい集落です。
ただ、ここで生活してこれを維持していくというのは、将来的にも相当な覚悟と決心が必要だと思います。わたしたちはそれをただ美しいと・・・。
赤いランドセルを背負ったお姉ちゃんに、「いってらっしゃい!」と家の窓から身をのりだして手を振る幼い弟の姿に、ふとそんなことを思いました。
世界遺産の小さな集落・・・きょうもこれから多くの方々が訪れることでしょう。
ふたたび五箇山ICから東海北陸自動車道へ乗り、富山県から石川県へ。そしていま金沢市内を走っています。
兼六園を見ようとしたのですが、駐車場が見つかりません。兼六園の周りを2度も無駄に回ってしまいました。“ワイフ君”が『ここを見学するとそのまま兼六園へ行けるんだって・・・』というので車を入れました。そこは“石川県立伝統産業工芸館”というところ。ここの入場料と兼六園の入場料を払うと車を駐車したまま兼六園を見てくることができるのです。
伝統を今に生かす“漆塗りのマウス”や電球を模したガラスのオブジェ。
そのほかにも1階・2階に展示スペースがあり、なかなか楽しめました。
伝統産業工芸館から兼六園へ。これが『根上がりの松』。
『霞ヶ池』
これは霞ヶ池の定番スポット。
真弓坂を下りると右と左にお店が連なっています。チラ見して金沢城石川門へと向かいます。
石川門をくぐり金沢城公園の中へと入ります。
異様にスッキリとしたその姿にいささか驚きました。
現在、金沢城の第2期復元整備事業が進められているのだそうです。
『暑くて死にそう』という“ワイフ君”を救助して、伝統工芸産業館へ駐車した車で帰途につきました。
帰りは北陸道を石川県、富山県、新潟県と通過します。
時々パーキングエリアに入って日本海を眺めながら休憩をします。
新潟で北陸道から磐越自動車道へ乗り継ぎいよいよ福島県を目指します。
おお、とうとう戻って来ましたね。1,300キロ、1都10県の旅でした。
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大変お疲れ様でした。
ありがとうございます。
すごい写真の数とそのアップ数、頭が下がります。
ゆっくり楽しめましたか?
さすがkojiさんのパワーは無敵ですね。
昔学生だったころ、卒業旅行に石川県からサイクリングにいったのが合掌造りの五箇山だったんですよ。
3人で行った頃の良き思い出がよみがえりました。
合掌造りは同じような景色でした。
夜の合掌造りの民家で宿泊して食べた素朴な日本料理が忘れられません!
来月は今年最後のブルベに再挑戦です。
かなり体力が下がっているので戻すのに大変ですわ。
まげてらんにフクシマ。がんばっぺ茨城。
岐阜市まで輪行してそこからのんびりと北上。
分水嶺を越えて白川と、五箇山を巡り、高山へ・・・
なんてのんびりライドを夢見ていたところでした。
素晴らしい写真の数々にますます行きたくなりました。
車でとはいえすごい行動力ですね。
“masamicchiさん”の変わらぬ自転車に対する直向きな姿勢には感服いたします。さあ、わたしも感化を受けてナイトランに行ってくることにしましょう。
“アヤさん”のところからはお隣の県ですから輪行して白川・五箇山はいいですね。五箇山には今回訪ねた菅沼集落と相倉集落があるとのことで、両方見てきた方の話では相倉もなかなか風情があるとおっしゃっていました。わたしたちは時間の関係から見ずに来てしまいましたが、計画されるときは菅沼集落からわずか10キロ足らずのところのようですから是非ルートにお加えくださったらよろしいかと思います。秋晴れの中黄金色の田んぼを見ながら自転車を漕ぐのは想像しただけで楽しそうですね。
今回は放射能を忘れる旅だったのですが、白川郷でお会いした方から「大内宿はガラガラだそうだ・・・」との話が出てふと現実に戻りました。大内宿などは全く問題外の線量だと思うのですけれどね。なんとも・・・
これだけ走っても高速はタダなんですか~。あれっ、福島県民が他でお金を落としたのでは、逆効果? でも被災してるんだから、このくらいの楽しみが無いとね~。
今回の峠越えは車でしたが、驚いたのは白川郷へ向かう途中の安房峠(撮してきた動画で確認できました)を下りきったところで、反対側から上ってきたローディさんがいたことです。あの車でさえ嫌になるほどのクネクネ峠をあの時間に越えて無事明るいうちに松本市内まで到着できたのでしょうか。強者というのはどこにでもいるものだなあと、驚くやら感心するやらでした。ただ、さすがにいい体躯をしていました。“へばなさん”のごとく贅肉をそぎ落とした、みるからに淡々と峠を登り切ってしまうようなそんな印象がありました。