koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

11/14 宇部定期開院

2015-12-23 | おもちゃ
この日は、いつもの宇部定期開院日でしたが、午後の飛行機で東京に行って、そのまま海外出張の予定だったので、手ぶら(修理セット一式は持たずに)行って、修理はせずに帰るつもりだったのですが、いっぱい持ち帰る羽目になりました。

まず、同じ人のを4件まとめて。1件目は、プラレール(カルテには「アクションチャガー」と書いてありました)。

「簡単そうな物からやろう」と思ったのに、1件目から大難航でした…。
開けてみると、今まで見たことないタイプのギアボックス。

ギアボックスを外すと、中から小さなギアが転がり出てきました。しかし、ギアボックス分解しても、そのギアがちょうど付くような軸がありません…。
「このギア無くてもいいんじゃないか?」と、各ギアをちょっとずらして当たる様にしてみたところ、ぎりぎり噛み合うようにはなったのですが、逆向きに走ってしまいました。やはりギアがもう1つ要る様です。
ギアボックス分解してよく見ると、それらしい所に受けの穴があります。どうも、軸が抜け落ちてなくなって、ギアだけ残ってたようです。
しょうがないので、M3のネジを電動ドリルで咥えて、φ2mm×7mmLぐらいの段付き軸を苦労して削り出しました。(精密旋盤が欲しいなぁ~)

分かりにくいと思いますが、左から2番目の小さな平歯車が、軸復旧した部分です。
ギアボックス組んでみると、中で移動して今にも落ちそうで不安ですが、一応走る様になりました。

2件目もプラレール。かなり年代物のSLです。

開けてみると、ギアボックスはブリキ製でした。

電圧掛けて手回ししても回らず。ブリキ開いて、モーター取り出して、結局分解して整流子とブラシの整備をして復旧しました。
最終的な駆動が、ギアじゃなくて、駆動輪に押し当てて駆動するタイプでしたが、駆動輪のゴムが片側無し・片側はカチカチだったので、両輪とも新品を付けて、完成。

3件目、リモコンで前後に動く電車です。(写真は修理後)

リモコン線、1本ずつの黒ビニール線でしたが、片方切れてました。全体的にかなり傷んでたので取り替えたかったのですが、1本ずつの線だとばらけていまいちなので、100円ショップのイヤホンを買ってきて、イヤホン線を使いました。
(が、信号線なので芯線の本数が非常に少なく、耐久性に不安が…。もし次切れたら、もっといい線に取り替えたいと思います。)

4件目、いつもの歩いて鳴くぬいぐるみのパンダバージョンです。

ガキガキ音がする、ときどき引っかかって止まる、との事。開けてみると、平歯車の歯が1枚掛けてました。
φ1mmぐらいのゼムクリップを短く切って、先を歯車の山型に削って、差し歯で補修。

写真は補修後。写真では分かりにくいと思いますが、差し歯にしています。

さて、ここまで同じ人のだったので、一気に終了・返却しましたが、残り1件。歩いて鳴く犬のぬいぐるみです。

これは…、先月直したばっかりのヤツです…。
「また同じところ(後ろ足の位置決めの支点)がこわれたみたい。あと、左前足がぷらんぷらん」との事です。
開けてみると、後ろ足の支点は、つけた軸がとれちゃってましたが、これはぼくのミスでもある…。

前回付けたとき、差し込みの軸がちょっと長すぎて、元の軸部とちゃんとくっつかず、隙間が空いちゃってたのですが、まあ大丈夫だろうとほたったせいです…。
しかし、左前足は、リンクの棒が付け根で折れてしまっています。かなりの力が加わったと思われます。(後ろ足の支点も、手抜き修理のせいだけではなく、結構大きな力がかかって取れちゃったと思われます。)

このリンケージの端部は、接着等で復旧できそうになく、作り直しが必要。
海外出張後、次の週末は疲れてやる気が起きず、翌週も東京出張→週末バテて風邪ひき、といった具合で、修理が大変遅くなってしまいました。
リンケージは、結局1.5mm厚のアルミ板を切って削って作りました。

写真が、元のリンケージ(寸法取りのために、端部を瞬間接着剤でつけた状態)と、アルミで作ったリンケージを付けた状態です。
これでばっちり直りました。同じところは2度と壊れないと思います。(ただ、1ヶ所丈夫にすると、次に大きな力が加わった際には、次に弱いところが壊れます。そのうち、直しにくい所が壊れる可能性が高くなっていくので、なるべく壊れないように使って欲しいなぁ。)

修理遅くなったので、用事のついでに直接返却に行きました。
1歳ちょっとになる娘さんが気に入って、どこにでも連れていくので、どうしても壊れてしまう、との事。いい仕事をしました。

おもちゃは、元の値段が安いので、どうしても「修理するより買った方が安い」になってしまいます。
また、お金を出せば何でもできるであろう世の中ですが、こういったおもちゃは、修理の頼み先が、おもちゃ病院以外にはあまりないと思います。
でも、気に入ってるおもちゃ・思い出のおもちゃ等、壊れても諦めずに、是非かわいがってあげて欲しい。
子ども達にも「壊れたらまた次を買えばいい」っていうふうに育って欲しくない。

この度は、ちょっとめんどくさい修理で時間掛かってしまいましたが、こういった機械的故障なら何度でも直せます。
これからもがんばって直していこうと思います!
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