koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

3/1 宇部定期開院のつづき

2014-03-01 | おもちゃ

さて、2/8の宇部おもちゃ病院定期開院時に入院で持って帰ったイルミネーションオルゴールですが、大変苦労して記事も長くなったので、別記事でアップする事にしました。

発光ダイオードと光ファイバーのイルミネーションのついたオルゴールです。
メーカーは日本電産サンキョーで、製品名は「光ファイバードームオルゴール」です。
ほかのドクターが途中まで対応してたのですが、何故かぼくが持って帰る事になりました。(日本電産サンキョーのオルゴールユニットは、修理経験があるので。)
20140208__5
「落として壊れた」とのことですが、分解すると、まこと、香箱(ゼンマイの入っている、黒い部品)が、下から突き上げられて、カシメを乗り越えて1ヶ所外れてしまって、ガバナ風車と第4ギアが外れてしまってます。
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(写真は、櫛歯を外した状態です。)
イルミネーション基板は、作業してる間でしょうか、線が切れちゃって、どこに繋がるか分からない状況。かなりめんどうです...
とりあえず組戻そうと、第4ギアと風車をつけて、香箱をカシメのところに突っ込もうと、ドライバーでちょこっと押したら、取り付けの部分が割れてしまいました。トホホ。
割れたおかげで仮組み出来るようになったので、仮組みして手で押さえてネジ巻いてみると...回りません。
「何故に?」と、もう一度ばらしてよく見ると、第4ギアがかなり傷んでます。
20140208_4
これが問題の第4ギア。ギア外径約8mmです。歯がぐちゃぐちゃで、丸ノコの歯みたいになってます。また、欠けも1ヶ所あります。前回オルゴール修理した際(7/7 未来フェスタ時)に手に入れた予備品あと1個持ってますが、香箱も割れてて、ユニット新品1個買ったほうが早いでしょうか...

カッターナイフでちょっとつついて、もう1回仮組みして見ましたが、もはや磨り減って歯丈が足りないというか外径が小さくなってるというか、どうしても回らないため、結局予備品使うことにしました。

カシメの部分削って、香箱の折れたところは瞬間接着剤で留めて、Φ1.7mmの下穴あけてΦ2mmのタッピングで固定して、不安なのでさらにエポキシで留めて、オルゴール部の修理完了です。

次は、配線バラバラのイルミネーション部ですが...
20140208_
LR44×4個で6Vなので、外部電源で適当な場所に6Vを掛けて、しばらく白~ピンク~等、色が変わる動作を確認していると、「バチッ」っと音&煙が出て、ICが焼けてしまいましたぁ。トホホホホ。
何で考えもなしにあんなところに繋いでしまったんでしょう...後悔先に立たず...
まあ、失敗も、失敗からの復旧も、全て勉強と思ってがんばるしかナイっす。

こうなったら、LEDだけ転用して、制御回路は別途作って帳尻を合わせるしかありません。
ネットで買える部品屋さんで一通り「LEDドライバ」で探してみたけど、いいのが見つからず、日本おもちゃ病院協会の掲示板に泣きついたところ、即答でaitendoのLED制御ICをお勧めして頂きました。
壊れたイルミネーション基板、IC以外に外付け部品が結構あるのですが、サンキョーのホームページにて確認したところ、ネジを巻いて回っている間だけイルミネーションが光る作りとの事。
オルゴールのドラム部に6箇所突起のついた歯車のようなものが付いていて、ドラム1周で6回リミットを蹴る。トリガー・1ショットでイルミネーション起動して、3秒以内にもう1ショット来れば継続、来なければストップ、といったタイマーが組んである様です。

回路を起こして検討しようと思いましたが、たいしたことない部品数なのによく分かりません...と、一旦ブログに書いといた所、日本おもちゃ病院協会所属のドクターで、掲載していた写真のみを手がかりに、回路を起こしてくれた人がいました。
それを参考に、やっと回路起こせました。
Photo
IC焼けた状況は、最初、正規のプラス・マイナスに電源繋いで動作確認してましたが、数秒で止まってしまう(←後から考えたら当たり前)ので、短気を起こして、A点に電源のマイナスを繋いでしばらく動作確認してたところ、過電流だった様です。
電源6Vですが、Q3の電圧降下で、ICのVcc-GND間には6Vは掛からない回路だったようです。(ぼくの常識では、ICにはVccとGNDは直接繋がってるものと思い込んでました。回路図中の「LineB」は、ICのGNDが繋がるラインですが、回路全体のゼロ電位線ではないんですね。)

ベテランドクターからのアドバイスでは、「ボタン電池はあまり電流が出ないので、内部抵抗が高く、ちょっと電流が大きくなると、だいぶ電圧が下がる。それに対して、余力のある電源で6V掛けたので、過電流になったのでは?」との事でしたが、
IC+Trの電圧降下はあっても1V程度? 電流制限抵抗の入っていないLEDに6V電源は、元々が高すぎる気がします。
「そもそも、ボタン電池って、1.5Vだったっけ?」とネットで調べると、2005年以前は水銀電池で1.3V、2005年以降は酸化銀電池が世に出て1.55V、2009年以降はアルカリ電池となって1.5Vと変わっていったらしい。

元々1.3V×4=5.2Vで設計された基板を、6.0Vで駆動している、といった無理があった、という背景はないのでしょうか?(まあ、壊してしまった言い訳がしたいだけですが。)

さて、2月末にちょうど出張で東京に行く用事があったので、ついでに秋葉原に買出しに行きました。
aitendoにて買ったLED制御ICは「TQS304B」。TQS301という型番のと2種類買って帰ろうと思ってましたが、301の方は店頭で見つかりませんでした。発光パターンを確認して、より元に近い方を使おうと思っていたのですが、あきらめて301Bのみで繋げてみます。

この制御ICは、選択スイッチ2つで、4通りの発光パターンが選べるとの事。確認して一番元に近い設定で固定して取り付けようかと思っていたのですが、せっかく選択できるので、DIPスイッチ増設して、切りかえれるようにしました。

タイマー回路は、元の基板・回路を転用して、線出してICだけ挿入するような形にしました。ケース側のスペースに余裕が無かったので、全部フタの側に付ける事にしました。
電源を繋いで光り方を確認しながら、ちょっとずつ配線を完成させていき、最終的に、強引に全部をフタ側に付けて、配線も全部終わったところです。
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右下側の万能基板は、DIPスイッチの部分です。
最初は本体の底に付けようと思っていたのですが、なんせ本体ケーシングに余裕がないので、ドームを取ったら出てくるこの場所に付けました。
表から見ると、こんな状態になりました。
20140208_dipsw
電源は、悩んだのですが、スペーサーとしてM6のナットを1個入れて、LR44×3個=4.5Vにしました。元よりちょっと暗くなったかもしれませんが、充分と思います。
(4個=6Vをちょっと落として使おうかと、直列に入れて電圧降下させる様にショットキーバリアダイオードも買ってきたのですが、4.5Vでも充分明るかったので、無理はしないことにしました。)

動作確認・・・・・・、バッチリのようです。
発光パターンは、SW1:ON、SW2:OFFが、白(3色全部点灯)スタートで、元に一番近いようですが、SW1・2共ONすると、色が変わりながら点滅するパターンで、これもおもしろい光かたでした。

追加でかかった費用は、LED制御IC:100円、DIPスイッチが店頭格安品で10円、万能基盤も店頭格安30円をカットしたものでほとんど0円、配線少々、ハンダ少々。
大破れして大工事でしたが、aitendo様々で、かなり安くて済みました。
ミスのせいで長い戦いになりましたが、やっとこさ直りました。

コメント
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