koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

8/11 おもちゃ修理(1件)

2013-08-11 | おもちゃ

ぼくの受け持ったのは、かなり手のかかる物で、時間いっぱい掛かったので、1件のみ。
来ました! 「歩く→止まって鳴く」の犬のぬいぐるみです。
(ほぼ同じ動きの犬のぬいぐるみを、今年の4月・5月と、3個目の対応です。)
20130811
モーターの音はするけど、ちゃんと動かなくなったし鳴かなくなった、との事。

ご家庭でやりかけた、との事で、ぬいぐるみが半分脱がせてありましたが、
5月にやったパグのぬいぐるみと外骨格の作りがそっくりで、頭を外さないと胴体部の外骨格が外せない構造です。持ち主様にお断りして、顔の部分までぬいぐるみを剥がして、頭を止めてる軸のカシメをリューターで削って外して、頭を外して、外骨格を外して、駆動部確認。

単独で動かして見ると、一応動くけど、なんかぎこちない...
動かしながらよく見てみると、ギアがずれてちゃんと噛んでない所があります。
20130811_2
最初は、シーケンス切り替えのための大きめ歯車のほうがずれてるのかと思いましたが、勘違い。
上写真の「A」のピニオンがずれてました。(写真は分解しかけの段階のため、歯車斜めになってる物があります。)
理由も無いのにずれるはずがない。よくみると、亀裂が入ってゆるゆるになって、位置がずれると共に空回りしてました。
これは、「ピニオン」と言いながら、結構歯数の多い大きめの歯車。合う予備持ってるか自信ないですが、ばらさないと確認もできない。駆動部ばらすと、組み戻すの大変そうですが、勇気を出して分解して外して確認したところ、歯数14枚、ちょうど同じピニオン持ってました!

が、ここでまた問題発生。手持ちのピニオンは軸穴径がΦ2.2ですが、ここの軸はΦ2.5。ドリルが無いとどうしようも無さそう...これを、本日出席のドクター全員の道具箱を隅まで見てもらって、なんとかΦ2.5mmのドリルの歯を見つけました。

歯車・軸が外しにくく、付けたままで作業したので、打ち込みも苦労しましたし、具合が悪くて二度ほど修正もしました。
駆動部の仕戻しも、外骨格への組戻しも結構大変で、結局2時間近くの大手術でしたが、手すきの他のベテランドクターにも手伝ってもらい、何とか時間内に終えることが出来ました。

今回、なんとか直ったのには、いくつかポイントがあります。
1つ目は、部品。歯数14枚のピニオンですが、日本おもちゃ病院協会から購入した部品セットの中にありました。さすが協会です。このピニオンが無ければ、多分直せなかったでしょう。

2つ目は、ドリルの歯。この度、なんとしてもΦ2.5mmが必要でした。入院で対応ならホームセンターで買ってくるのですが、幸い持ってる人がいて助かりました。これ無しだと、相当困難なところでした。

3つ目は、リューター。頭を固定してるピンが、端を止め輪とカシメで止めてあり、カシメを削って止め輪を抜く必要がありましたが、精密ヤスリで手で削ろうかと思っていたら、先輩ドクターが、病院の備品のリューターを貸してくれて、あっという間に削れました。手で削ってたら、治療時間が30分は延びてたかと。
リューターは、ここ最近ずっと欲しくて、でも既に道具箱2杯分も道工具・予備品を持ち歩いておもちゃ病院に参加しており、これ以上荷物増えるのも...リューター無くても手で何とかなるし...と悩んでいました。この度、借りて初めて使ってみましたが、手作業とは比べ物になりません。大きさと値段、選択肢はいくつもあって悩みますが、やはりついに買おうかと思います。

コメント
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