koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

5/5 新川市まつり 臨時開院

2013-05-05 | おもちゃ

今日は、5/5の新川市まつりで、新天町アーケードでの臨時開院です。
例年「あまり来ないよ」との事でしたが、結構来院されました。

1件目は「アンパンマン キーボード」です。
20130505
「だいたいは動くが、出ない音が多い」との症状。
分解して、導電性ゴムスイッチの基板側・ゴム側両方とも、アルコールで洗浄して鳴る様になりました。

また、マイクの線が断線してガリガリ鳴っていたので、マイク側で切り詰めました。

2件目は、黄色いスマイル君が色の変わるLEDで光るライト(写真無し)。
すごい適当なつくりで、空中配線のLEDの足とスライドSWとのハンダ付けが外れているだけでした。

3件目は、歩いて鳴く、パグぬいぐるみです。
20130505_2
左後ろ足・右前足が動かない(ぷらんぷらん)。ちゃんと鳴かない、という症状です。

ぬいぐるみを剥がした状態です。
20130505_3
動き、電池ボックスやホットボンドで張ってあるぬいぐるみの感じ等、
4月度宇部定期開院のチワワのぬいぐるみとそっくりですが、
4月度のチワワはクランク等が全てプラスチックで作られていたのに対し、
今回のパグは金属が使われています。
尻尾は、左右に振っていましたが、今回のは前後に振るなど、
微妙に違います。

左後ろ足は、4月度のと同様、脱臼(軸から抜けていた)だけでしたが、
右前足は足の付け根のクランク部でもげてしまっていて、接着が難しい材質だし、
接着だけでは強度も出ないだろうし、当て板も困難だし...
これは、足の付け根部分を別の材料で作り直す(義足or人工関節?)必要があります。

頭(鳴き笛)の駆動は、特に壊れてなかったのですが、
「歩く→立ち止まって鳴く」の、「立ち止まって鳴く」のシーケンスに切り替わらない事が多々起こります。
また、前回と同じならば、3シーケンスで、「いざる」という動きがあるはずですが、
切り替わっても2シーケンスしかないが、このままでは動作しないクランクが1つあり、
やはり本来は3シーケンスではなかろうか、と思われます。
4月度の時には触らずに済んだ駆動部も、修正が必要と思われます。
前回より難易度が高いです......

まず、右前足の治療です。
20130505
左の写真が修理前、ハトメで位置固定しているクランク付け根が折れてしまってます。
この部分を、2mmのアルミ板で作って、軸貫通部はアルミのままだと
軸の磨耗が心配だったので、プラスチックで軸受けを作って、
元の足の折れてない部分を切って、M2のビスで縫い止めて、完成です。

次は動作不具合の解明と復旧です。
電池ボックス部を外して、駆動部を下から見た写真です。
201305052
歯車Aは位置固定ですが、歯車Bは軸ごと、写真の上下の方向に動きます。
歯車Aには軸付近に三角のでっぱりが、歯車Bには軸付近で半周ほど切込みがあり、
A・Bともかなりの速さで回りますが、ちょっとだけ回転数が変えてあって、
相対位置がちょっとずつずれていきます。
Aの三角のでっぱりがBの切り込みのないところに来ると、歯車Bは図の上側に動いて、
その結果、足を前後に歩く動かすための歯車①と噛み合います。
Aの三角のでっぱりがBの切り込みのあるところに来ると、歯車Bは図の下側に動いて、
その結果、歩行は止まって、鳴き笛駆動の歯車②と、いざり動作のための歯車③と
噛み合う、という仕組みで、動きを切り替えてるんですね~。
(文章で書くと分りにくいですね~。)

ところが、歯車軸はフリーで、歯車軸を下側に押さえつける力が何か必要。
それがないものだから、たまたま運良くギアが入れば、鳴く事もある、といった
不安定な動作になっています。
・・・悩んでいたところ、ふと、ぬいぐるみを脱がせている時に、中からバネが出てきたのを思い出しました。
(写真にも写っていますが、左前足のクランク部にバネが入っていたので、出てきたバネは、ばらけていた右前足のバネだと思い込んでました。)
よく見ると、写真の「軸端部」には、止め輪をカシメていたキズもあります。
このケーシング外側からバネを止め輪で止めて、歯車軸を下側に引っ張ってたんですね~。

という事で、機構も解明して、無事治療終了です。
右前足まで組んだ状態です。
20130505_2
鳴き笛を組み込んで、頭蓋骨を組み戻して、
ぬいぐるみを全部着せて、やっと完成しました。

コメント
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