二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

コントラバス用の松脂。

2024-03-20 14:53:04 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
こんな松脂作りばかりやっていますが、これはいずれ全てのそして二胡の為にも役立つはずなのです。
二胡の方達にはつまらない話かもしれませんが、しばらくお付き合いください。
今新たに二胡用も考えていますので。
さて弦です。
弦は長くなり太くなるとかなり強く叩かないと振動しません。
擦弦楽器で言えばヴァイオリンやなどの細い線を鳴らすための松脂よりもっと引っ掛かりの強い松脂が作られてきています。
現在一番使われているのがポップスやコルスタインの手で押してもへこむくらいな柔らかい松脂でしょう。
確かにこれらの柔らかい松脂で弾くと、コントラバスの5弦の一番低い音の弦Hの弦などは、これらの松脂で松脂でひくととても大きく音が出ます。

流石に光舜松脂の一番引っ掛かり(グリップ)の強いKタイプでもここまでは振動させられません。
確かにそこまでグリップを強くしなくとも弦としては十分に鳴っていく気はします。
弾き方にもよるのでしょうね。
ですからコントラバス奏者の中にはヴァイオリン系のダークと言われる比較的引っ掛かりの強い松脂を使う方もいらっしゃいますが、1割もいないでしょう。
一度このコントラバス用の柔らかい松脂の爆音に慣れてしまうとなかなか他の松脂に替えにくいようです。
この柔らかい松脂は一番太い5弦を鳴らすように作ってあります。
ですから、高音域になると今度はその高音が綺麗になりません。
コントラバスの豊かな倍音を含んだ音色が出てこないのです。
通奏低音としての単なる低音の受け持ちという事なら問題は無いのかもしれません。
また、吹奏楽と一緒に演奏されるときにはどうしても擦弦楽器は管楽器の音の大きさ響きに負けてしまいます。そこでますます大きくなることが求められてきたのかもしれません。
ところが、この柔らかい松脂は、遠鳴りという事ではそれほど遠くには響かないようです。
あるコントラバス奏者の方が思い切り光舜松脂に替えてみたところ大変遠鳴りするのに驚いたとのお話をいただきました。
それでも、弾いている本人の感覚というのもありますし、一度この柔らかい松脂の爆音に慣れてしまうとなかなかに変えにくいですね。
そこで、この柔らかい松脂の上に乗せて遠鳴りもしなおかつ音の大きさも変わらずそして美しい音色になる光舜松脂はできないものかと作ってみました。
その数14種類。

光舜松脂はいわゆる市販のオイル分の入った松脂の上には直には乗りにくいです。ですから販売するときにアルコール系の眼鏡拭きをいれてあります。
それで以前使っていた松脂を拭き取ってもらってから光舜松脂を使うようにお願いしています。
ところが、この柔らかい松脂この眼鏡拭きでは十分に取り切れないのです。
どうしても残ってしまいます。
それではという事で、考えだしたのがこのコントラバス用の松脂です。
二種類あります。
一種類は今までバイオリン用の松脂を使ってきた弓用。
B0ゼロと呼んでいます
これは、光舜松脂を限りなく引っかかりの強い状態にしたもの。
この場合は眼鏡拭きで以前使っていた松脂を拭き取って普通に弓に塗ってください。
そして、光舜松脂の0ゼロを弓の裏側に塗ります。
いわゆる柔らかいコントラバス用の松脂に限りなく近い引っ掛かりが得られ尚且つ光舜松脂の音色の良さも実現します。

もう一種類は、コントラバス用の柔らかい松脂の上に直接塗る光舜松脂です。
この場合も0ゼロを弓毛の裏に塗ってください。
B1と呼んでいます。
力強さは変わらず、光舜松脂の音の立ち上がりの速さ切れの良さそして音色の良さが実現します。
たぶん4月の半ばには発売できます。

松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ




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