ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

『天空の城ラピュタ』はガリバー旅行記にあった

2020年01月26日 18時43分47秒 | 読書
現在、表題画像の美術展が秋田県立美術館で開かれております。
山本二三(にぞう)はアニメーションの美術監督や背景画家です。
この美術展でもらってきたチラシの画像に天空の城ラピュタの背景画があります。
さて、今日は次のことを話題にしましょう。
日本アニメ界の名作『天空の城ラピュタ』の元になった物語は、ガリバー旅行記であったことです。ガリバー旅行記は第一篇がリリパット国(小人国)、第二編がブロブディンナグ 国(巨人国)が舞台となっているのはご存知の通りですがそのほかに、第三編と四篇があります。空飛ぶ島ラピュータが出てくるのが第三編です。第三編の正式なタイトルは「ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリップおよび日本への渡航記」となっていて最後に日本のエド(江戸)で将軍に会い、最後にナンガサク(長崎)からオランダ船に乗り帰途につきます。
『ガリバー旅行記』では不思議な国々を訪れるガリバーが様々な出来事に遭遇してゆく。作者のジョナサン・スウィフト はこの荒唐無稽な物語を通じて、当時のイギリス社会や風潮を風刺したのだと言われております。
この空飛ぶ島ラピュータのお話にヒントを得て創られたのが『天空の城ラピュタ』だったのです。
アニメ『天空の城ラピュタ』では島が空中浮遊する原理は「飛行石」の力となっているが、原作(ガリバー旅行記)では巨大な天然磁石の力となっています。
原作のガリバー旅行記では空飛ぶ島の住人は全員が科学者であり、いつでも地に付かない考えに耽っている人々です。彼らはしばしば自分の考えに没頭するあまり日常生活に支障が出てしまいます。そこで科学者たちのそばには彼らを正気にさせるための人員が置かれております。科学者が過度の思考状態に陥ったときに、科学者の頬を平手打ちにして、正気にさせる「叩き屋」が必要なのです。

ガリバー旅行記はとりとめない子供向けの夢想譚のように思われていますが、その第三篇と四篇は風刺に満ちた文明批評となっています。この度、試験勉強のため、全編を読んでみましたが、読み物としても面白く読めました。


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