バイクと映画とひまつぶし

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マイケル・フレイン「コペンハーゲン」を読んで(その1)

2017年05月15日 15時35分55秒 | チラ見した本
マイケル・フレインという劇作家がいます。
この作家の代表的な戯曲が「コペンハーゲン」ですが、難解な対話劇という評価が多いのです。
ハヤカワ演劇文庫にこの戯曲がありましたので、購入しました。

ざっと目を通した印象では、とにかく難しい言葉の連続で取っ付きにくいと思いました。

劇の進行というのは、普通では何かの事柄を巡って、登場人物がとる言動を記述されるものだと思っていると、これは少し違います。いや少しどころかかなり違っているかもしれません。
この劇の中では新たに事件は何も起こらないのです。

過去に自分たちがとった言動を3人の登場人物(しかも3人共、死んでしまっている設定)が当時の自分たちを振り返ってみるという構成になっています。
当時の自分たちを振り返り、あの時の自分はこうであった、あの時のあなたはどうなんだ、というような自己と他者への問いかけが叙述されていくのです。
しかも、其の推考の仕方が、あの時はそうであったが、実はこのようにも考えられるかもしれない、というようにああでもない、こうでもないと一つの事象を巡っての「解釈」を登場人物の3人が繰り広げてゆくのです。その行為が何回も繰り返されていきます。
読者はそのたびに、登場人物たちが先にとった「思念」を振り返りながら読み進まなければなりません。読んでる読者はそのたびに混乱していきます。

この戯曲はこれまでわが国でも何回か公演されていました。一番新しいところでは2016年に公演されていました。
戯曲の活字を追うよりは実際の舞台を観たほうが、解りやすい劇なのかもしれません。

この戯曲では事件は何も進行していきません。
進行していくのは登場人物の思念の変化なのです。
言葉を換えれば思念が掘り下げられていくという構成をとった「思念の推移」を記述したものなのです。
なんとも、不思議で分かりにくい戯曲でした。

実際のこの舞台を観る機会などこれから先、あるのかはわかりませんので、昨年の公演の事をもっと早くから知っていればと残念に思う次第です。
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