マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

良いお年をお迎えくださいね

2016-12-18 | ピアノ技術者の仕事
ほとんど更新していないこのブログ  
それでもたまにのぞいてくれている人がいるようです。
たとえ写真1枚でもいいから、アップしてみようと思います。

ーまー

タイムカプセル

2016-06-20 | ピアノ技術者の仕事

 ピアノ製作者のマイスター資格試験を受けて25年経った

 マイスターシューレで一緒に学んだ仲間は17名、
一度みんなで集まろうということになった。
卒業してそれぞれが持ち場に帰った以降、
数名のクラスメイトとのコンタクトしかなかった。
同じ業界仲間やのに、 25年、四半世紀・・・



Ausbildungsstätte für Meister im Musikinstrumentenbau
(楽器制作のマイスターシューレ)はLudwigsburgにある
国立専門学校(ピアノ、チェンンバロ、パイプオルガン、木金管楽器の製作のための)
の中に所属しています。マイスター試験を受けるために必要な知識を深めるコースです。






 今回の参加者は12名
こうして実際に会うとやはりしばらくは誰なのかわからない人もいた。25年ぶりの再会やからねぇ
日本人は僕だけだったので皆には記憶にはあっただろうが、
名前をフルネームで覚えてくれていたのは少なかったんやないかなぁ?







 学校内の整備の行き届いたアトリエを見学し、
その後飲み屋で数時間を共に過ごした。
それぞれのキャラクター、身のこなし、ユーモア、褒め方、励まし方、
当時出くわしたいろんな出来事とともに、昔のままが蘇ってくる。



 翌日、1年間寄宿でお世話になった音大ピアノ教授の家に立ち寄った 。
そして小さな田舎の村を駆け足で散歩してみた。
街並みの静かな佇まい以外ほとんど何も記憶に残っていなかった。
ふと立ち止まるとこんなにも月日が流れていたのだと気づいた。



 浦島太郎の玉手箱やないけれど、
こうして25年ぶりにマイスターのお道具箱の蓋を開けた。
その中からこみ上げて出てきたものは
一つの夢を叶えようとチャレンジし、
その夢が叶い喜び勇んでいたことへの懐かしさよりも、
言葉の壁を越えられない辛さやもどかしさ、経済的な不安、
理不尽な対応への苛立ち、時間的な焦り、そして孤独感、
そんな長い間心の奥底に眠っていた様々なモヤモヤした感情だった。
それでも勇気を出そうと歯を喰いしばっていた当時の気持ちが
ぐっと溢れ出してきた。   —まー


古い建造物

2016-03-26 | そのほか

 なんか書こうとおもてんけど、文章が浮かばんので
とりあえず画像を貼ってみる。
1871年に立てられたルール工業地帯の炭鉱の建屋
この中で演奏会を開いて新しい文化の流れを作ろうとしているようだ。




ーまー

違和感

2016-03-03 | 笑い

なんや、出てきたおもたらもう帰らんならんなぁ
遅刻気味に慌てて出てきたからねぇ ギリギリセーフ?

せやけどさっきからなんか違和感あんねん
ほらほら、立ち位置が違うって関東と関西の違いの古いネタやね?
確かに関東風の立ち方してるけど?
ちゃうがな、あんたの着付けがおかしいねんやんか
ほら「左前」になってるがな、縁起の悪い
いや、ほんまや! 恥ずかしわー
せやから私を絶対慌てさしたらあかんねん
どっちが前やったか分かれへんようになったんや
でもこれって「右前」って言うんちゃうの? 
右の襟が前にきてるやん!

アホやなぁ 向かって左の襟が出てるから「左前」言うねん
「死人前」ゆうて死にはった人に着物を着せる合わせかたやんか、
お祭りのめでたい時にこんな間違いしたらあかんがな

いやー 流石になんでもよう知ってはりますねー

そんなん「あ・た・り・前」

わおー おやぢギャグも冴えてますなー

今更 人をからかいながら褒めて自分の失敗ごまかすなって、
はよ着付けやり直しなはれ!

そんなにおこりなさんなって、せっかくの「男前」も台無しですわ

ボケ、取られてしもた…



 ーまー

無心

2016-02-12 | ピアノ技術者の仕事

愉しい
久しぶりに行う作業、子供の頃のプラモデルの気分
音楽など聴かず 黙々と励む。
ニカワがほのかに薫り、加湿器が静かに回っているだけ
無心に作業を進める



ん? なんかちゃう(違う)気がする

毎日この作業だけをしている人はさぞかし早く綺麗に仕上げるんやろなぁ
僕もこんな楽しい作業、毎日やりたいなぁ
いやいや
毎日同じ作業ばかりしていると飽きっぽい僕はきっと続かんやろな
目が疲れるとか、腰が痛くなるとかいっては別のことしたくなるやろなぁ



無心? なんかちゃう気がする

今日の夜はシュウマイがつまみやな
週末の飲み物の備蓄はあるんやったっけな
別の楽しみの段取りばかりが頭をよぎる

それでも午前中だけで1日のノルマを達成する
途中 写真休憩なんかもちゃっかり入れて
達成目標を少なめに設定すると後半が楽になるね
長年培ってきた究極の知恵

そんなことを無心に考えながら作業が終わる  ーまー. 




正しいクリスマスの過ごし方

2015-12-26 | そのほか

力強く食べ過ぎ.








友人に招かれ、全てが手作りの豪華なクリスマスデナーをいただく.
どれもこれも見事な出来栄え、ここに僕が世の中で一番怖がっている ワインが加わる.

別にダイエットしてるわけでもないねんけど、ちょっと動いたほうがええよなと自主トレに出かけた.
クリスマス休み、だらだらするよりは走るでー

と言いましても、「毛が少しはえた散歩」みたいなもの
若干早歩き、気が向けばジョグ、天気ええから携帯で写真撮って遊びながら、
1時間で7km 頑張ることを諦める勇気はだれにも負けてへんと思う.

動画も撮ってんけど、アップロードしたら消滅したよ.(結構面白いのん撮れたのになぁ)
初めてのパノラマ撮影(思ったより迫力ないやんか)







こんだけ天気よかったら外ににでたくなるわなぁ. ーまー

季節のご挨拶

2015-12-24 | そのほか
やたら暖冬のドイツ
それでも メリークリスマス

相変わらず

2015-10-14 | ピアノ技術者の仕事

相変わらず 人混みが苦手
相変わらず ワインはラベルで選んでる
相変わらず 納豆が好きなのに
相変わらず あまり食べる機会はない
相変わらず 金曜日が大好きで
相変わらず 日曜の夜が辛い

変化したことは 腕立て伏せの回数が増え
近眼メガネを外して物を見る回数が増えてきたこと
変化したことは 夜更かしができなくなり
朝早くに目がさめるようになってきたこと

たとえブログが途絶えていても
相変わらず 機嫌よく生きているのですよ。


生存確認まで  ーまー

ビフォーアフター

2015-05-10 | ピアノ技術者の仕事
 1年くらい前、こんなピアノが工房にやってきました。
修理依頼ですね。
ぎゃー なんじゃこれー が第一印象。
ほんとに修理するのか? 無駄じゃないんか?
あれこれ懐疑的な思いも隠せなかったですよ。
でもね、依頼主の心情もよく理解できたし、何とかなるやろという
いつもの楽観的な軽めの気持ちで修理を始めることにしました。


と言っても外装(黒く塗る部分の木工と塗装)は外注です。
とりあえず解体してみましたが、木材の虫喰いがひどく、
親板(いわば本体そのもの)も新しくすることにりました。
外装修理で本体を塗装業者に預けている間、アクションの修理をちまちまと
行います。







つらつら文章を書くよりも、修理前後を写真でどうぞ。

 


 


 


 


 

そして完成です。



前パネルの装飾だけは塗装せずにオリジナルを残し、
依頼主が自ら探されたかわいい燭台をつけて、
おんぼろピアノはふたたび息吹を吹き返しましたよ。 ーまー

医者嫌い

2015-02-26 | 笑い

あー しかし今回はえらい目におーたなぁ
なんや、あんたまだちょっと鼻声やで
軽い鼻風邪やとおもてたら福引公園になってしもてな、
 匂いも味もわかれへんようになっててん。
それも言うなら副鼻腔炎やろ?

ーまー帝国の洞窟に潜入 占拠して嗅覚や味覚を麻痺させる極悪集団、
 まるで中東のテロリスト組織みたいやで。
えらい大げさな例えやね、確かに今年の風邪はしつこいからね。
テロ集団に告ぐ! ーまー様の鼻の奥に居座って何がおもしろいねん?
 そんなことしてなんの徳があるんや? さっさと出て行ったらどないや!
そや! こんなおやじの鼻の奥なんてきたないだけやぞ!でていけ!
どうせやったら綺麗なお姉ちゃんの鼻におったらどないや! なんやったら紹介するぞ!?
私のことか?
はぁ、なんですか?
いや、綺麗なお姉ちゃん、私のことやろ?
なにをオーソドックスなボケかたしてんねん。
 耳までおかしなったんかとおもたわ。
ちっ、、、
あんな、そのテロリストがーまー様の聴覚まで脅かしたらちょっとまずいやろ?
まぁ、あんたの場合仕事になれへんから死活問題やわな。
とうとうゴーストチューナー雇わんならんやん?
いやいや、普通に他の技術者にお願いするしかないんやろけど、
 悪ならんうちにって、医者嫌いなあんたが診察受けに行ったちゅうことやな?
うん、好きやないねんけど、いわゆる有志連合のともだち作戦やね
しかしなんでその有志連合の医者がそんなに嫌いなん?
まずは待合室やね。ゴホゴホ ズルズル 顔色悪い奴らがしんどそうに座ってるやん。
 その中で長いこと待たんならん。余計に病気もらいそうやろ?
そら、お互い様やから、しゃあないで。
ようやく順番が回ってきて診てもらうねんけど、鼻の中のぞいたり、
 ヘラを口に突っ込んで喉の奥覗いて 「あー ゆうてみ!」って上から物言いよる。
 で、難し顔して一言「風邪ですね」やで。 
 わかってるわ、そんなこと!風邪やからおまえんとこ来てんねん。
 医者って病気治すのが仕事やのにその場ですぐによう治せへんねんで。 
 「薬局で薬買って寝てなさい」やて、
 おまけにその薬は化学兵器とくるから恐ろしい。
抗生物質やな。 そんなにひどかったんやね。
化学兵器使うと胃が悪くなるから胃の薬を追加で飲んで、お酒はダメよって
 別のとこ悪なる強い薬飲んで、痛恨の禁酒、こんな不健康極まりないこと耐えられますか?
もっとはよ診てもろてたらそんなことになれへんかったんとちゃうか?
 この風邪が治ったらちゃんと健康診断受けときよ、もうええ歳やねんから、、、

せやけどな、子供の頃はやれ学業成績だの偏差値だのやいやい言われ、
 社会人になったっら営業成績、売上高のことでうじうじ言われ、
 そのうち血糖値だ尿酸値だのと騒ぎ立てよる。
 人を数値だけで評価するのん、ええ加減にもうぼちぼちやめにしませんか?
何をアホなこと言うてんねん、全部生きていくのに大事なことやないの。

いままでずっと偏差値や売上高みたいに数値はアップさせるよう努力してきたのに、
 今はコレステロールだの血圧だの逆に下げろ下げろってややこしいこと言いよんねん。 
 せやから医者は嫌いやねん。
もう、あんたに塗る薬はあれへんわ。

PS. もうすぐひな祭りです。 —まー

風邪をひく

2015-02-07 | ピアノ技術者の仕事

28年くらい前にピアノの調律をしたことのあるお城。
僕たち夫婦の仲人さんが還暦のお祝いをされた時に、調律させてもらった。
普段は車で素通りするくらいで、綺麗な庭園があるなんてすっかり忘れている。



かなり老朽化しているこのお城、普段は無人なので館内を見学するような観光目的では
使われていないようだ。たまに会議や演奏会など人が集まる催し物の時だけ貸し出しているようだが
一般的に知られている様子もなさそう。
今回、どういうわけかピアノの調律をうけたまわったのだけれど、
記憶を辿るとかなり状態の悪いグランドピアノだったので、当時と同じ楽器だったらいややなぁと
思っていた。
 当日、セキュリティ会社の係員が門を開けてくれる事になっていた。
でも、来なかった。連絡しても通じない、本部に電話してもすでにそちらに向かっているとのこと、
寒い中、青い門の前で1時間待ったけど、来なかった。(係のおじさんは途中で緊急入院したそうな)
調律は次の日に延期となった。 風邪ひいた。



 翌日、館内に入ることができた。
案の定、昔から置かれているあのピアノのままだった。
別の技術者が管理をしていたようで調律はさほど狂っていなかったのだけれど、
相変わらず鉄板のように重いタッチ。これで演奏しろっていうのは過酷。
何グラムって? 計測不可能・・・
タッチがなんでそんなに重いのか、28年前の当時はわからなかった。
でも今はピアノの中を覗くだけですぐに原因がわかるようになっている。
これを「成長した」と言うのだろうか、「年の功」と言うのだろうか。

タッチ変更は簡単に直せるものではなく、大改造が必要なようだ。
でもきっとこの先何十年もこの鉄板タッチでいくことになるんやろなぁ。
ピアノを直す前にお城の傷みを直すのが先決やろからな。

 嗅覚と味覚が1週間ぶりで戻りつつある。 今年の風邪も治りが遅い。 ーまー




今ここです。

2015-01-18 | そのほか

予告しときます。

近いうちに ちゃんとした記事をあげるつもりです。

大丈夫、 なんの問題もなく生きてます。 生存確認まで 

ようやくお正月気分から抜け出しましたよ。


ーまー

久しぶりに文章を書いてみようかなと思います。

2014-08-10 | そのほか
 3ヶ月ブログを書かなかったのは特別な理由があったわけではなく、
忘れてたのね。 
日常のたわいない生活の様子はフェースブックに書くのが簡単。
撮った写真も簡単にアップできるので自ずとそちらを利用してしまう。

 長期の休みが取れないので、週末を利用してちょこちょこ旅をしていました。
ベルリンで呑んだくれ、ヴェネチアで写真三昧、ブリュッセルでは懐かしい友を訪ね……
ここDüsseldorfでもたいていの週末は旧友と再会することが多かったですね。


ベルリン


ヴェネチア


ヴェネチア


ブリュッセル


あ、ピアノの仕事もちゃんとしてますので心配せんといてな




結局 写真ばっかりで文章ってほどのもんでもなかったな。
 ーまー

磨けば光る?

2014-04-25 | ピアノ技術者の仕事

 なんでわざわざフランスを選んだんやろ?
どうやらピアノの調律師を目指すためにフランスに行ったんやなくて、
既にフランスにいて、その時点でピアノ調律師になろうと決意したんやろな。

 フランスの調律師養成学校がどんなレベルで、
どんなカリキュラムで行われているのかよく解らないまま、
ミカミ君の3週間研修を受け入れることにした。
年に二回、現場での実習を経験させる教育システムのようだ。
しかし彼の場合、年齢枠と外国人であることから
1年間のみの通学が許されるとのこと。
なんだかちっとも様子が分からないシステムのようにも思われる。


 この3週間は僕の調律するところを見てもらったり、
もちろん実際に調律してもらったりもした。
弦のコイルや玉作りの練習をしてもらった。
金属磨きもしてもらった。ダメ出し2回、三日間かかって
ようやくピアノの金属部品が理想的に光りだした。
たとえ時間がかかっても一生懸命な姿は素晴らしいことだと感じた。



「職人の技術は盗むもの」なんて昔はよく言ってたみたいやけれど、
もうそんな時代やない。
技術なんてもんはどんどん教えてあげればええと思う。
やる気さえあればすぐに方法なんて覚えてしまえるもんです。

 ただ、その根っこの方にある技術者に一番必要なセンスとか
エレガントさなんかは教えられるもんやないし、
手取り足取り教わるもんでもない。
自分が持ってる素質(ええかっこ言うと天性みたいなもん)を
磨いていくのは本人自身しか出来へんことやと思う。
磨き方次第。 それは自分で工夫するしかない。
ちょっとしたことで輝きだすこともある。



ミカミ君へ
ええ線までいってるから、もっと客観的に視野を広げて作業をすれば
テキパキできるようになれると信じています。
ま、たった1年やそこらで調律がきっちりできるようになることはないねんけど、
決して焦らずに、でも、急いでください。それほど時間はないと思うのです。
近い将来、ピカピカのミカミ君に会ってみたいと思う。その時はビール奢れよ!

生意気言ってごめんなさい  ーまー


Girls' Day/ Boys' Day

2014-04-06 | ピアノ技術者の仕事

 ああでもないこーでもねえとあれこれ落ち着かない春のある日、
9年生の男子女子の二人が工房にやってきてくれました。
一日職業体験ってやつです。

ご両人ともピアノを習っているとのこと、
ピアノの構造など簡単に説明したのち作業を手伝ってもらいました。






テーマは「指先の力」
なんてことはない、掃除と研磨なのですが
指先に力が入らないとなかなか奇麗にならないのですよ。
日頃あまり使わない指先の力の入れ方を会得すると
ピンセットなど細かい道具の使い方もかわり
きっとピアノ演奏にもプラスになるんやないかなと思った次第です。



最後に調律も少しだけ挑戦してもらい、
ピアノに対するモチベーションもアップしてくれたらええなぁと思いましたよ。

ーまー