彼らがデュッセルドルフに来たのはかれこれ10年位前のことかな。
日本からやってきたこの家族の主人をMK3636と名付けることにしよう。
(MK3636とは本来彼が当時ドイツで乗っていた自家用車のナンバーのこと。)
僕たちピアノ工房夫婦にとって彼らは単なる海外赴任家族ではない。
実はMK3636の奥さん、お慶はんはおかみさんの従姉妹に当たる。
幼少の頃(鎌倉時代)から付き合いが深く、まるで中の良い姉妹ように過ごしていたのだそうな。
日本から遠く離れたこの土地で、おまけに鍋の冷めない距離(三軒隣)で近所付き合いできたのは
偶然な出来事ではないように思う。
僕たちとMK3636夫婦は年齢がみな同じ、さらに結婚したのも同時期なこともあり、
タイムラインが似ている同士ですぐに仲良くなった。
もちろん僕とMK3636は血は繋がってない赤の他人なのだけれど、
血より濃いお酒でまったりと繋がった友人。時間のある週末はたいてい彼と呑んでた。
日曜の昼ごはんもよく「納豆と卵がけご飯」を共にし、そのまま夜の部に流れていったもんや。
楽しい時間はいつでもすぐに過ぎていくもの
彼らのドイツ赴任生活は瞬く間に終わり4年後に彼らは日本に帰国した。
とても寂しいことやった。
でも我々はひとつの固い約束をしていたのでその寂しさはどうにか乗り切ることができた。
でもね、残念なことに僕は実際に約束したことをあまり覚えてへん。
何しろ彼らに会う時はいつも酒が入っているんやから。
酒の契りなんて所詮こんなもんや……

どうやらその約束は、我々の結婚25周年を共に一緒にお祝いしようと言うことやったらしい。
日本やドイツではなく、どこか異国に集まって優雅に飲もうやないかいと、約束したらしい。
そのおぼろげな記憶の約束は僕にとって望むところやし、苦しゅうないことなので
なんとか実現させるために半年くらい前から計画は始まった。
半年前の状況はというと、
我々ピアノ工房夫婦は相変わらずデュッセルドルフで霞を食いつづけている、
MK3636は南アフリカのヨハネスブルグに単身赴任中、
お慶はんは東京で子供3人(大高中揃い組み)の家庭を守っている。
それぞれ仕事を持つ夫婦二組が同時に休みを取れるのは容易なことではない。
あれこれとスケジュールをすり合わせなんとか 7日間は一緒に行動できることになった。
場所はどうする?
MK3636が優雅さうえに少しさびしい単身生活を送る南アフリカで再会しよう! 即決やね。

これが僕たちの南アフリカ物語のはじまりや。
この物語はとめどなく続きそうな気がする ーまー















気になる薄毛を烏帽子でさりげなく隠す酩酊君
化粧乗りの悪さを飾り物でひたすらごまかすピアス姫












































