マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

留守番しといてな

2011-02-25 | 笑い


さっさとしーや…… いっつも遅いねんから もー 

女子にはいろいろ準備することがたくさんなるんやから
 そんなに急かしなさんな。

ーまーさんに留守番たのまれてんからきっちり仕事しよーな
 時間かかるんやったらもっと早くに始めたらええやん。

いちいち やいやいうるさいなぁ。 今そっちに行きますぅ
 よっこらしょ っと。

自分で掛け声かけな動けんようになってるなぁ
 お前も年取ったもんやなぁ。
 ところで お前のその髪の毛なんとかならんか?
 かけ損ないのパーマみたいに寝癖ついたままやんか!



あんたが急かすから変になってしもたんやんか 
 ほんまに 恥ずかしいわー
 せやけど あんたは烏帽子でうまいこと薄なったとこ隠してんなぁ。

せやろ、 一番薄いとこがちょうどぴったりはまりよんねん って
 ほっといてくれや、 ごっつう気にしてんのに…

あっ ひとつできました!
 
 お内裏様の頭とかけましてぇ  ーまー様工房の経営状態と ときます

ほぉ で、そのこころは?

なんぼ焦っても 儲けが少ない… (もう 毛が少ない)

お前とはやってられんわ、 失っ礼しました!



     もうすぐ春やね    ーまー

気後れの言い訳

2011-02-20 | そのほか

『日本人の謙虚深さが面倒に思えることがあるんですよ。
最近、ドイツ人のようにかなり直接的に発言するようになってきたと自分で感じますね。』
などと偉そうなことを言ったことがネット上に流れたにもかかわらず……
乗る気なんか全くなかったのに、断りきれずテレビの取材を受けて後悔し、
落ち込んでいる僕です。
 あの記事が出て以来、新聞社からの依頼が2件、テレビ局からの依頼が3件。
独日交流150年、移民問題、アジア人の教育などのテーマを付けてくるのだけれど、
アジア人がドイツで長年特殊な仕事をしているということで、それなりの話題性があるのは理解できる。でもね、僕にとってはもう面倒くさいんや。
それでも、断りきれなかった自分が悔しい。うまく取材を受けれなかったからなおさらに気分が悪い。



 フローリングの工事中、工房は事務機器やテーブルなどの避難所と化し、
テレビに映せる状態ではなかったんです。
何とか間に合うように作業を進めてもらうことに一生懸命で、
取材のことなど頭になかったのね。 
 馬鹿でかいカメラが来て、監督さんが質問をしてきた時にはじめて
覇気のない自分に気がついたんやけれど、事すでに遅しですよ。 
前もって準備していれば伝えたいことは話せたんやろうけれど、
すべてが的外れでお粗末な返答しかでけへんかってん。
質問の意図から全く離れたところで話を落としたりしているのが恥ずかしい。 
自分の頭の悪さを世間の皆様にさらけ出したようで、今回は完全に失敗でした。

今後、とりあえずこの手の取材はもう断ろうと心に決めたんやけど、
それでも万が一受ける場合は 気後れせぬよう事前対策を考えることにしよう。

PS. 誰にも見つからないように放送されるか、没になることを切に希望します。-まー


フローリング大作戦

2011-02-15 | そのほか

ピアノ工房には居間兼、客間兼、事務所兼という多目的の空間があります。
要するに小さいのでごちゃ混ぜになってるだけのことなんですけれど、
カーペットを敷き詰めたその部屋も10年以上使っていると汚れが目立ってきます。
(赤いワインの染みとかね…)
カーペットをやめてフローリングに替えようという計画が数年前からあったのですけれど、
なかなか実行に移せない日々を過ごしていました。



 好みのフローリングを選び配達してもらう。 
オークの幅広タイプで、田舎の別荘風床というそうな。





床だけでなく、壁の塗り替えもする。少しクリーム色を付けてもらう。





古いカーペットを剥がす。これがちょっと大変な作業でした。

 



床に吸音マットを敷いていよいよフローリングを貼っていく。 はめ込むといったほうが良いかな?
かなり時間的に無理を言ってしまいましたが、職人さんのテンポ良い作業に感心してしまいました。
全工程 14時間(3日)というすばやさ。

木とオイルワックスの香りがたまらなく良い心地です。 ーまー

少し前のことですが

2011-02-13 | 愉快な仲間たち

工房近くのビール屋さんの二階で

こんなん食べて

  

こんなことしてもろて

  


 おかみさんのはからいで みんなからも援助してもらい
こんな素敵なものをいただいてしまいました。
感謝の気持ちでいっぱいなのです。




 ニックネームは『ニコちん』にきまりそうです。
ちょっとアクセントが難しいです。あ、ちなみに男子です。
顔黒の『松下ルミ』共々、今後の活躍が期待されます。


取り急ぎお礼まで。 -まー



トシトッタ スゥエーデンジン

2011-02-08 | ピアノ技術者の仕事

 僕たちが住むこの地域の日常語に Alter Schwedeという言葉がある。
直訳すると「歳とったスウェーデン人」なんだけれど、
特に深い意味もなく、「おぉ、どないしてんの?」なんて
仲間に対する呼びかけの言葉のようなもの  “Na, Du , Alter Schwede!“


 

 大きな手なのにソフトなタッチ、ピアノの響きを堪能するような音の出し方は
重ねた年齢からくるのだろうか? 枯れた鳥肌が立つような彼の音が好き。
かれこれ40年以上このドイツの地でJazzを弾きつづけてきた。
彼と僕とも長い付き合いになっている。
10年前自宅のピアノをオーバーホールした時のことはまだよく覚えている。
ジャズピアニストの楽器は、さてどのように仕上げれば最善なんだろう
悩みながらも楽しかった。響板を修理し、弦を新しく張替え、アクションを調整した。
新しくよみがえったピアノを弾く彼の喜ぶ姿だけを想像しながら作業したものだ。

 


 このジャズクラブのピアノ調律を専属担当させてもらって13年経つ。
その間、何度も彼はこのステージに上がっていた。
でも、彼のライブの日は見事にいつも別の仕事と重なり観に行くことができなかった。
毎回、開演前の暗くて静かなステージでピアノ調律を終え なんとなく後ろめたい気持ちで
その場を立ち去っていた。
 「次回は必ず観に行くからね」がとうとうようやく実現した。
母国スウェーデンの民謡をテーマにしたJazzを聴かせてくれた。
彼もよほど嬉しかったのだろうか、演奏前に満員のお客さんに僕のことを紹介してくれた。

彼と同様、外国人として暮らす僕は、
完全にこの国に溶け込んだ彼のような爺さんになりたいなぁと
あこがれながら平均律の響きを堪能した夜だった。

「Na, Du, Alter Schwede! これからもずっといい音聴かせてな。」   -まー