城郭探訪

yamaziro

和田城群 近江国(甲賀)

2011年07月31日 | 平山城

和田谷の城館群(甲賀市発行の和田城館群パンフレットより)

「甲賀 和田城群」を探訪する 

和田城(わだじょう)(滋賀県甲賀市)

 甲賀地方は周囲を山で囲まれたという地形的な特質もあって独立性の高い地域です。中世においては、近江守護六角氏からも一定度自立し、郡中惣(ぐんちゅうそう)と呼ばれる在地領主の連合体が地域支配を行っていました。こうした政治体制を反映して、甲賀の城は皆同じような規模と構造を持っており、突出した大きな城は築かれませんでした。今回紹介する和田城もそうした城の一つです。
 和田城は甲賀市甲賀町和田の集落の周りを囲む小高い丘の上に位置しています。甲賀の城の特徴の一つとして、城が集落の内部に築かれるのではなく、集落近くの小丘陵に築かれることが上げられますが、和田城もそうした場所にあります。和田の集落周辺の丘上には、3つの支城が築かれており、和田の集落を守っていた様子がうかがえます。和田城は、甲賀地方の有力在地領主であった和田氏の居城です。足利義昭を助け、後に織田信長に仕えた和田惟政はこの和田氏の出身です。
 和田城は甲賀の城の定石通り、一辺約30mの土塁で囲われた方形の主郭を持つ城館です。しかしそれだけでなく、主郭の外側に帯郭状の二段の郭を持ち、背後の山との間を堀切で断ち切るなど複雑な構造を持っている点が特徴的です。まだ発掘調査も行われておらず、詳しいことは分かりませんが、現状でも遺構がよく残っており、甲賀の城の雰囲気を味わうことのできる城跡です。
 和田城へは、JR草津線油日駅下車。県道51号線を徒歩で和田の集落を抜け、県道から左に分かれる道にそれ、和田川を越えた左手の丘の上に和田城があります。

2011.7.30

  

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