映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

愛のタリオ(2014年)

2015-08-24 | 【あ】



 ソウルの大学で教授職にあったハッキュ(チョン・ウソン)は女性問題を起こして田舎町へ追いやられる。失意の中で出会った田舎娘ドク(イ・ソム)に束の間の癒しを求めるハッキュ。しかし、思いのほか早く大学に戻れることに。さっさと身の回りを片づけソウルにもどるハッキュ。

 ドクはしかし、ソウルまで追ってきた。追い詰められるハッキュ。金で解決しようと、ドクの家まで行くのだが、ハッキュの姿が現れたことに喜びのあまり火の始末を怠り、ドクの母が眠るドクの自宅は火に包まれる。現金の入った袋を渡され呆然とするドクとハッキュの目の前で燃えるドクの家、、、。家に戻ろうとしてハッキュを振り返るドクの眼差しは、その後のハッキュの行く末を暗示する。

 韓国に伝わる「沈清伝」という話がベースらしいです。

 
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 劇場で見そびれて、DVD鑑賞ということに、、、。まあ、DVDで十分だったかな。

 韓国映画はあまり見ない方なんで、偉そうなことは言えないんだけど、こないだ見た『ハウスメイド』といい、本作といい、何とも後味の悪い作品でございます。イケメンで地位もカネもあるけど身勝手な男の性欲の捌け口にされた挙句に、あっさり捨てられる若い女性。まあ、韓国に限らず世界中にゴマンとある話ですけれども。

 分かっていたけど、濡場のシーンのスゴイこと。あそこまで描写する必要ってあるの? ネットリ、じっとり、すんごいしつこい。これでもか、これでもか!みたいな、、、。見ていてだんだん、うへぇ~って感じに。そして相変わらずムキムキの男優。大学の文学部の教授が何であんな体してんのさ。そら、マッチョな教授がいてもおかしくないけど、うーーん。

 同じ文学部教授が若い女性と好き勝手やるという設定の映画なら、『あの胸にもういちど』が思いつくけど、アラン・ドロンの体はブヨブヨとかじゃなかったけど、チョン・ウソンほど鍛え上げてもいなかった。あれはあれで??な映画なんだけど、ラブシーンは本作より露出度が低い割に官能的だったと思うなぁ。

 しかし、その最初の濡場のシーンがですね、実はかなり怖いんですよ。田舎のおぼこ娘ドクが、喘ぎながら言うんです。「絶対離れない!!」って。私が男だったら、間違いなくここで萎えますね。でもって、パンツ履いて逃げ出すと思うんですよ。怖すぎです、真っ最中にこんなこと言う女。しかし、ここでそうならないハッキュ。一瞬動きは止まるんだけど、その後、ますます盛り上がって(?)腰の動きの激しさが増しています。大丈夫か、この男は。、、、ま、大丈夫じゃないから話が成立するんだが。

 捨てられた挙句に、家と母親を火事で失ったドクは、ハッキュに復讐するんですが、それが本作の後半です。妻がうつ病で自殺し、自分は糖尿病が悪化し目が見えなくなるハッキュの下に名前を偽ったドクが現れ、あの手この手でハッキュを追い詰めていくわけですが、、、。まあ、この復讐劇は、あんまし見ていても面白くないです。結局、ハッキュの娘に、ドクはまた復讐されますしね。

 そう、復讐劇って、私は個人的にあんまし好きじゃないんですよね、、、。ものによりますけどね。松本清張の「霧の旗」とかなら、まだ復讐したくなる気持ちも分からないでもないけれど、それでも、逆恨みだもんね、あれも。復讐劇って見ていて不快なんですよ、つまり。復讐する方には復讐するだけの理由があると思っているけど、客観的に見れば、説得力がないという、、、。そら、本人にさえ理由があれば復讐になるという見方もあるけど、それこそただの逆恨みなわけで。

 しかも、復讐って連鎖するでしょ。復讐された側にしてみりゃ、お前もお前だろ!ってことで、今度はこっちがお前に復讐してやる、と。どこかで誰かが「バカバカしい」と気付くまで続くわけです。

 こう思うのは、私が復讐したいほどひどい目に遭ったことがないからだ、と突っ込まれるかも知れませんが。でも、何十年も生きてきたらイロイロありますから、復讐劇に仕立て上げることができるネタくらい一つや二つ、フツーにありますよ。でも、しないだけです。世間の大抵の人はしないのです。本能的に感知しているからではないでしょうか、そんな後ろ向きなことにエネルギーを費やすことの虚しさを、です。

 ドクは、そういう意味では、ちょっと安っぽい女性になっちゃってて残念。復讐に現れたはずなのに、目が見えなくなったハッキュとまたセックスしてるし。まあ、まだハッキュのことが好きだったんだろうけど、、、。

 女性が、自分を振った男に復讐する話としては『オネーギンの恋文』は小気味良いものです。そう、男に、自分を捨てたことを激しく後悔させること、これが最上の復讐ではないでしょうか。もはや自分がその男の手の届かないところにいる、そしてその現実に打ちひしがれている男を高見の見物、、、。気持ち良いだろうなぁ~。そんな経験、もちろんないけど。

 どうせ復讐劇なら、そういうアッパレなのが好きです、私は。





一歩間違えば三流ポルノ映画。




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2 コメント

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ダブリンにウソンが! (松たけ子)
2015-09-05 19:36:38
すねこすりさん、こんばんは!
ぷぷっ!そうそう、この映画ほとんどロマンポルノですよね~。痴女痴男の愚かな痴情のもつれ話でしたね。
チョン・ウソン好きなので、とっても眼福ではありました♪あこまで濡れて脱いで、どーちちゃったのって感じですが。日本の男優も見習ってほしい(笑)。
そうそう、ウソンといえば。ダブリンで意外な形で彼と遭遇したんですよ!
TBさせてくださいね♪
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ひょ~! (松たけ子さま(すねこすり))
2015-09-07 23:01:15
たけ子さん、こんばんは。

なぬ~!?
もしや、たけ子さん、そのウソン様とステキな恋の旅になったとか?

こりゃ、旅行記がますます楽しみですわ!
お待ちしておりますっ!!
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