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音楽室5号 第12.3章

2021-06-30 06:58:10 | 音楽室5号

 


第12.3章
(クルベムゲイル)


 列車が止まり、あたりが一斉にばたつき始めましたので、キーホーがガリ版刷りから顔を上げますと、さっきの親戚を名乗る小説家は、すでに姿を消し、青いビロード張りの座席には小さな声が影のように這っているではありませんか。

 声は波が月光にゆらめく様にするすると窓ガラスの底からプラットフォームに降りてゆきました。

 こうです。

 

 

 



 三十秒ほど過ぎると列車の中には、まるで砂浜に打ち上げられた巻き貝の内側にいる様な、吸い込まれる様な、透んだ静けさが立ちこめていました。

 キーホーが再び、ガリ版刷りの小説に目を落とすと、列車は、前進しているのか?後退しているのか?それとも、動いているのか?動いていないのか?も、わからないくらいに、ソロソロゆっくりと揺れ始めました。

 

gatan

 


 超宇宙的な、その美青年に引きつられて洞穴に入って行った僕は、この鍾乳洞の構造が極端に、上昇志向と下降志向のアンヴィヴァレンツな心理作用を与える事に気づいた。

 登ったかと思うと、側面には、ぽっかりと深い口を開けた小さな穴が無数に下降している。

 その中から針の先の様な光がチラチラと、と、とっ、とっとっとっと。

 さぁて、これから奇型的美男子は、主人公の僕に、実は、この世、この宇宙は、卵の殻の表面の様なもので裏面の死界とピッタリ重なっているという事を説明し、裏側に迷い込んでしまったプロクシマ星系からやってきた宇宙一の美女、シャングリ星のリュィッテを助け出して行くのであるが、詳しくは、私の小説「クルベムゲイル・サガ」断片五十一の長編小説「遙か彼方のラブピース・ターボ」に描かれている。

 続きと、断片五十一を読みたければ、この小説にノーベル塵芥川賞を与えたまえ。

 与えるまで、この物語はここまでしか公開しない。

 地下室の巨大な押入れの奥深くに眠らせる。

 さよなら。


   ズンチャカチャ。


      ズンチャッチャ!




 

KIPPLE



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