サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

戯曲の現実化(深い闇がありそう度90点)

2007年04月19日 | それでも世界は回る

米大学乱射 教官や同級生の不安的中 「凶暴性」見せ 警察も一時接触

2007年4月19日(木)02:50
  • 産経新聞
 バージニア工科大学で、犠牲者32人という米史上最悪の銃乱射事件を引き起こしたチョ・スンヒ容疑者(23)は、寡黙で話し相手もいない学生だった。同級生や教官は授業で発表された演劇脚本の中に内面に潜む凶暴性を感じ取り、ストーカー行為を受けた女子学生は通報。警察も一時チョ容疑者に接触していた。にもかかわらず、誰もチョ容疑者が大量殺人へと向かうのを防ぐことはできなかった。(渡辺浩生)


 捜査当局は18日の会見で、容疑者が2005年11月、女子学生2人にストーカー行為を働き、苦情を受けた大学と警察が同容疑者と接触していたことを明らかにした。さらに同容疑者が自殺するかもしれないという警告を他の学生から受けた警察は12月に再び接触。警察の説得を受け入れたチョ容疑者は、地元の精神科に通った。その後、警察は「問題行動もないため、連絡をとっていなかった」という。


 しかし、チョ容疑者の鬱屈した感情に同級生らは危機感を抱いていた。「孤独を好み暴力に取り憑かれ、深刻な性格的問題を抱えている。『スクール・シューター』の典型と合致していた」


 元同級生と名乗る人物は17日、インターネット上でこう打ち明けた。4月16日夜にアジア系という犯人像を耳にして、真っ先に浮かんだのは表情の乏しいチョ容疑者の顔だったという。


 英文学専攻のチョ容疑者が戯曲の授業で発表したという2本の演劇脚本は、「悪夢」(元同級生)に満ちていた。ハンマーや電動のこぎりを持ち出す場面や、「先生を殺したい」といった凶暴な言葉が続いた。同級生らは「乱射事件でも起こすのではないか」とささやき合った。


 韓国生まれのチョ容疑者は1992年、8歳のときに家族と渡米した。同年、ロサンゼルスで黒人にリンチを加えた白人警官に対する無罪評決を引き金に暴動が起きる。韓国系移民も巻き込まれたこの人種間対立が、チョ容疑者の人格形成に何らかの影響を及ぼした可能性も指摘されている。


 同大の学生寮の自室には女子学生や裕福な大学生らに対する罵りの言葉を書き殴ったメモが残され、「おまえたちがおれをこうさせたんだ」と今回の犯行を暗示するような表現も見つかった。


 捜査当局によると、チョ容疑者は犯行に使った拳銃2丁を州内で合法的に調達、1丁は2月9日に入手しており、犯行は2カ月以上前に計画されていたとの見方もある。銃の製造番号は消されていた。犯行2時間前に会ったルームメートは「普段と様子は変わらなかった」と証言、現場でも冷静に引き金を引いていたという。


99年におこり、複数の映画作品ともなったコロンバイン高校ライフル乱射事件を、思い起こした人も、多かったろうと思う。
チェ容疑者の、心理の解明は、これから、長い時間をかけてなされていくのだろうと思うが、いまある情報だけで観ると、発作的な反抗というよりは、長い間屈折し、くすぶってきた、暗い情念が、なにかを契機に、噴出してきたのだと思える。


彼が専攻していた英文学のなかで、戯曲創作の世界では、なんでも許されるが、現実と想像空間の境目が、融解してしまった悲劇であるかもしれない。

殉教者、キリストに自らをなぞっているような報道もあるが、つらい事件である。



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