原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

署名活動について考える

2010年05月20日 | その他
まずは、以下のTwitterのつぶやきと新聞記事をお読みいただきたい。

@rkentaさんのつぶやき(5月18日)
鎌仲監督:六ヶ所村ラプソディーを作った後、経済産業省へ再処理工場の中止を求めて100万人の署名を提出するも無視された。この国の民主主義はどうなっているんだと思った (@greenzjp live at http://ustre.am/h8ub )

毎日新聞 2010年5月11日 地方版より
上関原発建設計画:反対署名85万人に 経産省に提出 /山口

 上関町の原発計画に反対する同町祝島の住民や反原発団体のメンバーが10日、東京で経済産業省に対し、建設中止を求める23万人を超える署名を提 出した。09年10月にも約61万人分の署名を提出しており、合わせると約85万人分になるという。
 署名は「原発に反対する上関町民の会」「原水爆禁止県民会議」など4団体が4月まで全国で呼びかけた。同県民会議によると、署名の提出に際し「目 の前にいる祝島の住民の合意を得ていない中で、強引に事業を進めようしている」と抗議したが、経産省は「国のエネルギー政策の一環」と事業推進の立場を崩さなかったという。
〔山口東版〕

 
 上記で引用した「無視された」、「経産省は「国のエネルギー政策の一環」と事業推進の立場を崩さなかった」ということは、提出された署名について政府は何の考慮も検討も行なわなかったのだろう。鎌仲監督によると、メディアも報道しなかったらしい。

 100万筆も85万筆もたいへんな数である。これほど多くの署名を苦労して集められた方々の心情を察すると、政府の無関心な対応に激しい憤りを覚える。

 同時に、これからもこのような署名運動を続けるべきなのかどうか、これらを読み、自分でも署名を集めた結果徒労に終わった経験から、署名運動について考えてみた。

 そして、以下の経験を踏まえ、署名活動に費やす時間やエネルギー、経費を、選挙前に立候補者に関する情報を集め公表するために費やすことを提案したい。

 10年近く前、私は某県で統一地方選挙前に立候補者に公開質問状を出す市民グループを立ち上げ、県知事立候補者には公開質問状に加えて公開討論会も開いた。様々な政策分野から集めた十問の質問のうちの一つは、少人数学級制を実施するかという問いだった。6年間で合計133万以上の署名を集めながら、県議会で毎回否決されていたからだ。

 たとえ何年間署名を集め続けて県議会に提出しても、県議の顔ぶれが変わらない以上、いつまでたっても否決されるのは明らかである。だから、選挙前に、少人数学級の実現を公約する立候補者は誰で反対者は誰かを見極めるため、質問項目に挙げたのだ。

 しかし、県議会の圧倒的多数を占める自民党は新人候補を除き、集団で公開質問状への回答を拒否してきた。卑怯にも、証拠が残らぬよう一人の代表が電話で「私たちは回答しない」とだけ。そして、彼らのほとんどがまた当選した。
 「有権者は、立候補者の回答を比較してから投票してほしい」と、公開質問状を実施した私たちの目的は、無残にも打ち砕かれた。

 私たちは、善意のカンパのみで活動したので、多くの県民に質問状の回答や自民党の集団ボイコットに関する情報を広めることができなかった。メディアがもっと協力的な報道をしてくれ、より多くの人々に情報が届いていたら、少しは県議会議員の構成割合を変えることができたかもしれないという思いは、今でもある。

 以上は県議会での例だが、国政の原子力政策についても、同様のことがいえると思う。

国政選挙で、国会議員を入れ替えるまでにはまだ時間がかかりすぎる。来年の地方選挙を逃したら、4年の間に着々と原発新規立地、プルサーマルや放射性廃棄物処分場を引き受ける都道府県が増えてしまう恐れがあるので、まずは中央からの利権構造を断ち切るために、地方選挙で推進派の知事や県議を当選させないことが不可欠だと思う。

 フライブルク、チューリッヒ、アムステルダムなど、欧州の環境都市として有名な自治体は、有権者が1970年代に、首長と議員を経済優先派から環境優先派に入れ替えた結果生まれた。日本の自治体は、まだ圧倒的に経済優先派に支配されているため、新幹線や町の活性化という名目の補助金で票が動く。町の活性化は、無駄が多く危険で住民の平穏な生活を脅かす原子力のために全国から集められた税金をばらまくのではなく、その地域の雇用によって、その地域に必要な持続可能で効率の高い分散型エネルギーを生み出す形で実現させるべきだ。

 署名を集める前に、まずは選挙前にマニフェストを比較したり公開質問状を出したりして、要望を実現してくれる立候補者が誰かを知るべきである。そして、署名集めの代わりに、議員になってほしい立候補者たちの情報を広めることが先決ではないだろうか。もちろん、公開質問状への回答を拒否した立候補者の名前も、徹底的に広めなければならない。立候補の段階ですでに有権者の声に耳を傾けない人物に、代表として議員になる資格はない。

 
 署名運動を計画している団体には、是非御一考していただきたいと切に願う。
100万筆も署名を集められるほどの組織ならば、きっと大きな効果をもたらすことができると思う。


【5月26日追記】
Twitterで、前述した85万筆以上の署名提出に関し、ジャーナリスト奥田みのりさん(@minori_okd)の以下のつぶやきがあった。

福島みずほ議員 平山誠議員 山崎誠議員も署名提出の場で経産省に要望 youtube動画→「STOP上関原発!」全国85万超の声 http://ht.ly/1OLeR #iwaishima

署名提出者たちと国会議員、経産省担当者の間にどのようなやりとりがあったのか、hakunamatataTJさんのYouTubeの画像を是非ご覧いただきたい。




経産省の課長補佐は「電力政策上不可欠な電力というのが国の立場」などと答えたが、不可欠なら計画が持ち上がってからこれまで28年もかかったことはおかしい。
エネルギー政策の主導権を握っている経産省は、なぜ原発である必要があるのか、再生可能エネルギーやコジェネなど分散型で効率が高く、懸念される瀬戸内の自然破壊の恐れのない代替案ではなぜだめなのかという、説得力のある説明もするべきである。

鳩山政権は、せっかく官僚主導から政治主導への転換を目指しているのだから、経産省にエネルギー政策を任せるのはやめ、欧州のように包括的な気候変動・エネルギー政策を政治主導で策定し、行政も再編して一元化するべきだ。


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