何気ない風景とひとり言

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虎跑泉 (中国)

2018年04月21日 | 史跡探訪-中国編

【中国・浙江省・杭州市】唐代元和十四年(819)に虎跑山の麓に高僧・性空禅師が建立した虎跑禅寺の敷地内に湧いている源泉で、天下第三名泉のひとつ(他は江蘇省鎮江の中冷泉、無錫の恵泉)と称される。 開山・性空禅師の夢枕に仙人が現れ、仙人が2頭の虎を使って泉を掘らせた伝説から「虎跑泉」の名がついた。 虎跑禅寺は廃寺となり、その跡地に幾つかの堂宇だけが残る。
敷地内には幾つかの茶館があり、ミネラルを豊富に含んだ名水で入れたお茶は「龍井茶」とよばれ、その味は格別といわれる。

「虎跑」の額が掲げられた門から、深い樹林に覆われた寺院跡らしい雰囲気が漂う境内に入る。 目指す「虎跑泉」は境内の一番奥にある。 まずは含暉亭をくぐり、泊云橋が架かる日月池を通ると、木立の間から石垣で囲まれた丸い形の鉢孟池と石垣の上に虎跑史話館が見える。
池畔奥に玉帯亭が建ち、玉帯池の脇の参道を進んで、虎跑泉のシンボルでもある梦(夢)虎に向かう。 梦虎は仙人と2頭の虎の彫刻で、1983年に造立されたもの。 泉を掘った虎を従えた仙人は、岩陰にまるで涅槃仏のように横たえている。 仙人は安らかに眠っているようで、寝息が聞こえてきそうだ。
名水が湧き出る虎跑泉に向かう。 彫刻が施された古い虎跑碑がある叠翠軒を通って虎跑泉エリアに入ると、叠翠軒、羅漢堂、碑廊、滴翆軒そして品泉閣に囲まれた真ん中に石造り勾欄を設けた四角い泉がある。 また、碑廊側の石垣に、「虎跑泉」と刻まれた石板が嵌め込まれた直ぐ傍にもガラスで覆われた小さな泉がある。 「虎跑泉」の源泉は、滴翆軒の奥にある虎跑夢泉池のようだが....。
虎跑泉を覗き込んでみたが、溜まっている水はとても湧き出た清水のようには見えなかった。 そういえば、源泉とされる虎跑夢泉池の水は比較的澄んではいたが、湧水のような流れがなかったように感じた。

虎跑泉の入場門

含暉亭と日月池..池に架かるのは泊云橋

入母屋造瓦葺の虎跑史話館..手前の池は鉢孟池(鉢孟は僧侶の飯器のこと)
 
樹林の中に建つ虎跑史話館と館内の展示物

玉帯池と軒が大きく反りかえった玉帯亭
 
木立の間から眺めた玉帯亭       参道の途中にある馬の石像..半丸彫りのような珍しい造立

寄棟造りの濟公塔院

梦虎雕塑手前の参道に建つ軒反りの大きな清音停

梦虎雕塑..1983年造立

性空禅師の夢に現れた仙人像と泉を掘った2頭の虎像
 
眠ったように横たえる仙人..2頭の虎が泉を掘るのを待っているのかな?
 
弘一法師舎利塔への参道に建つ仰止亭        弘一法師舎利塔

虎跑泉エリアへの参道に建つ照壁
 
虎跑泉エリアに建つ叠翠軒..奥の白い建物は茶楼          叠翠軒に鎮座する虎跑碑

羅漢堂..明代洪武年間(1368~1398)創建
 
羅漢堂入口に掲げられている「羅漢堂」の額/羅漢像が安置されている前のガラスにも羅漢堂が描かれている

羅漢堂脇から眺めた左に碑廊、右に連なる滴翆軒と品泉閣

碑廊とその前にある虎跑泉
 
石垣に嵌め込まれ「虎跑泉」の石板..手前の小さな四角の泉が本来の虎跑泉/碑廊の壁に貼り付けたように置かれた石碑群
 
滴翆軒の奥にある虎跑夢泉池..ここが虎跑夢泉源          虎の人形は余分な気がするが..
 
山泉居茶楼..虎跑泉の水で飲むお茶はまろやかで美味しいとか/山泉居茶楼内の円形の仕切り門
 
三重屋根瓦葺の鐘楼..下層に妙音菩薩らしき仏像が鎮座
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