ぽんぽこりんのうち日記

おむつなし育児、月経血コントロール、着物暮らし、寝ながらきくシター~癒やしのまどい~

レアのおみやげ~ギリシャの育児(8)最終回~

2012年10月11日 | 外国の育児

(つづき)

ところで、お土産にいただいたのは、ギリシャのCD。

レアの妹は、歌手なのでした!

アラブとヨーロッパの混じったようなサウンドに思わず聞き入りました。

歌は、ギリシャ語とフランス語。名前は、Natassa Mare。

↓↓このサイトの一番下に映像が3つ並んでいるのを見てみてくださいね。

http://starwalkers.gr/gr/shows.php

 

そして、レア自身は、多言語教育を推進している他、ラジオ番組をつくる仕事にも携わっています。写真の撮り方が日本とちがう!

Starwalkers:http://starwalkers.gr/gr/

それにしても、ギリシャ語ぜんぜん読めない!
 

育児で大切にしていること~ギリシャの育児(7)~

2012年09月25日 | 外国の育児

(つづき)

ギリシャのママ、レアに、最後の質問をしてみました。

【育児で大切にしてることは?】

 一番大切にしていることは、

子どもがいつも幸せな気持ちでいること。

それから、相手の気持ちのわかる人になってほしいし、

自然を大切にする人になってほしい。

 

暮らしのすべての教えは、ギリシャ正教がベースになっている。

幼いころから生活の随所で伝えているという。

 

【インタビューを終えて】

ギリシャは、ふだん日本に暮らしていると、まったく遠い国。

興味深い話がたくさん聞けた。

名前の付け方や、チェルノブイリ後のこと、

そして、とくに今、経済危機のまっただ中にあって、

人と人とが助け合って生きるすべを再発見していること。

 

困難な状況を、これまでの暮らしを考え直すきっかけにしているところなど

見習いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 
 

パートナーとの関係~ギリシャの子育て(6)~

2012年09月24日 | 外国の育児

(つづき)

【パートナーとの関係】

夫と子ども、どちらといっしょに寝る?

 基本的には子どもと大人は別々。

でも、レアの家族は「ジプシーみたいに移動する」。

最初は、お話しをしたり寝かしつけたりするために、子どもと同じ部屋に寝る。

そのあと大人のベッドに戻りたいと思うけれど、

「疲れてそのまま子どもと同じベッドで寝てしまうもあれば、

夫が迎えにきてくれることもある」。

疲れていると、一度寝てから起き出すのは難しい。

「今も、10歳と13歳の子どもたちは、たまに親のベッドにやってくるわよ。」

 

 ギリシャでは一般的に、フランスのように生後すぐからきっぱりと親子別室にすることはない。フランスでは、ふつう、最初から赤ちゃんと両親は別の部屋で寝る。

「子どもは一緒にいる方がいいのよ。」と、レアは言う。

 

フランスの精神科医ドルトは、母親たちに悩み相談をしてくれることでフランスで有名だが、

「早すぎる時期から親から引き離された子どもは、感情面で問題が残る」

と述べているそうだ。

レアは、「旅行するときも、子どもがいないと悲しいから、一緒の方がいい。」

夫婦で夕食などにでかけるときは、親や親戚がみてくれるという。

 

移民から学ぶ

 ギリシャには、グルジア、アルメニア、アルバニアなどからの移民がいる。

彼らの母国は、ギリシャの1950年代に似た状況にあり、

学ぶことが多いという。

レアは、個人的に対話する機会を何度ももった。

移民の女性たちによれば、

「現代社会の重大な過失は、友だちや家族と共同体のような団結した感覚を失ってしまったことだ」という。

レアの子どもたちも、今は、レアの友だちを

「おじさん、おばさん」と呼ぶまでに親しくなり、

一緒にインターネットみたり、出かけたりするようになった。

 

日本でもできる?子育て共同体をつくる

 「日本でもやってみて。」

−−日本でもできるだろうか。

レアが友人たちと子育て共同体を作ることに成功したのは、

こんな流れからだった。

最初は、週に一度くらい集まって悩みを共有していた。

そのうちに、友情が芽生え、理解し合えるようになった。

そしたら、ちょっと2時間くらい子ども見てて、と頼みやすくなった。

 

日本でも、実家が遠く親戚も近くにいない場合、

そのようなシステムをぜひとも自分のまわりに

実現したいと切望する母親は思っている以上に多いのではないだろうか。

にもかかわらず、できないのはなぜだろう。

迷惑かけちゃうかな、と気を遣ったり、

逆に頼まれたら私の家は狭いし、とか、

掃除できないし、とか、いろいろあるのだろう。

困り果てていても、どうやって人に頼って良いのか、

わからない、という日本の若き母たち。

希薄になってしまった人間関係を

今の暮らしに合った形で取り戻すこと。

それは、育児の現場にあって、これからますます重要な課題となるだろう。

 

 日本では、イクメンも増えつつある。

でも、パパにはあまり頼れない家庭も多い。

あるいは、ママの方が、パパには立ち入って欲しくないという場合もある。

子どもの方がかわいくて、あるいは子どもに手をかけるのが目一杯で、

夫の存在感が薄れてしまうのだ。

 

そこで、レアからのアドバイス。

 

イクメンではなくても、男を頭ごなしに否定してはいけない。

育児や家事に参加してもらうようにうまく仕向けたらいい。

「男の人は、仕事を含めてしたいことをする。

だから、したいことしてね、でも、一緒にこれもしよう、

って提案したらいい。

夫婦も、もっと面白いことして楽しまなきゃね。」

つまり、妥協できるところをお互いにみつけて、歩み寄る。

「それが一緒に生きるってこと。」

 

考えてみれば、これはどんな人と関わるときにでも言えることだ。

家庭は社会の基礎単位なのだから、

まずは、そこで社会の縮図を理想的に現出したらいいのだ。

頭ではわかる。

まずは家庭から変えていったら、社会もゆるやかに「一緒に」生きやすい方向へ変わっていくのかもしれない。

 

 

 


おむつのこと~ギリシャの育児(5)~

2012年09月23日 | 外国の育児

(つづき)

【おむつのこと】

どんなおむつを使ってたの?

ギリシャで「もっとも有名なのはパンパースだけれども高い」。

ドイツのリトルというメーカーで安い紙おむつもある。

レアも紙おむつを使った。「他の選択肢があることを知らなかったから。」

布おむつは、正方形をしていて、使う人もいるけれど

周りで使っている人はいなかったようである。


おむつはいつまで?

 1歳半になったころおまるでさせはじめた。

「下の子を妊娠したとき、長男は赤ちゃん返りして、

またおむつに戻ったりもしたけれど、二人とも、だいたい1歳半のころからおまるでさせ始めた。」

歩けるようになっていたからだ。

使ったおまるは、プラスチック製で、両脚を地面につけるようになっているものだったという。

 


仕事と育児 ~ギリシャの育児(4)~

2012年09月22日 | 外国の育児

(つづき)

【仕事と育児】

産休は取った?

 ギリシャでは、公務員なら、産前に2ヶ月と、産後に1年の有給休暇をとることができる。

一般企業には有給休暇のシステムはないそうだ。

 

 レアは、フランス語の先生として学校で働いていたこともあったけれど、

産前産後の時期は、週に数回、一日2−3時間の個人レッスンを

していただけだったので、とくに産休はとらなかった。

「毎日ではなかったし、家で勉強や仕事をしていたので、

毎日でかける必要はなかった」からだ。

 

生後9ヶ月になったころ、もっと仕事をいれて外出時間を増やした。

それでも、その後の一年間、つまり2歳ころまでは、ゆったりと過ごしたという。

仕事にいくときは「いつでも子どもを連れていった。」

 

 そんな過ごし方ができたのは、どうやら、家族や友だちとのつながりが強く、子どもをみてくれる人が何人もいたからというのが大きな理由のようである。

「授業中は、夫か母か義母にみてもらっていた。

郊外の自宅に母がきてくれることもあった。

授業以外のとき、赤ちゃんはいつも私のそばにいたのよ。」

それもできないときは、姉妹や友人たちに頼った。

 

大きくなってからも皆で子育て

 赤ちゃんのときはこんな風だったけれども、

大きくなってからも共同体は機能していた。

たとえば、子どもの語学教育もこんな風である。

「3人友だちがいて、一人は英語の先生だったので、

その友人は、自分の子どもと一緒に他の子どもたちにも英語を教えてくれた。

もう一人の友だちはギリシャ語を教えていたので、ギリシャ語を、

私はフランス語ができたので、フランス語を、という風に協力して語学を教えたのよ。」

 

 さらに、レアが論文の締め切り間近のとき、3人の友だち家族が協力してくれた。

「ある友人の家に自分のパソコンを持ち込んで、朝までそこで執筆。

一人は、レアと家族のために料理を作ってくれて、

もう一人は、あと何時間で書いてね、とタイムキーパー役、

もう一人はレアが何ページ書きすすんだか監督する、といった具合。」

彼らは長年の友人たちである。

「まるで家族が増えたかのような感じ。子どもにもいいわよ。」

 

親との関係は?

 両親と一緒に住んでいるかと聞くと、「一緒に暮らしてるわ、同じ家には住んでないけれど・・・」との答え。

両親は、30km離れたところに住んでいるが、毎日会い、週末は共に過ごすという。

ギリシャは家族の絆が強いのだ。

だから、同じ家に住んではいなくても、一緒に暮らしているように感じるのだろう。

 

 「いつも大勢と一緒に暮らしているような感じ。

(経済危機で)どうしようもなかったので、助け合って暮らす人が増えた。」

ギリシャの経済破綻は、困難が増えた一方で、

ポジティブな人間関係をもたらしたのである。

ギリシャは今、緊縮政策下にある。

市民は、失業したり給与が4~5割もカットされるなど、

ローンの支払いなどに困る人も多いという。

そんな現状にあって、レアが、助け合う暮らし方について、

誇らしく語っていたのが印象的だった。

「わたしは弱いときにこそ強い」(二コリント12:10と聖書に書かれているが、ギリシャ正教の国では、今まさにそれが実現されているのだ。

立ち上がる力、

どん底にあると思っているときに感謝すべきものをみつけられる力、

行き詰まりの状態にあって最善の策を見いだそうとする力など、

「力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」(二コリント12:9)。

 

今、日本では孤独な育児をしている母親が多い。

フクシマ後の私たちの理想が、ギリシャで実現されているようにも思えた。

「日本でもぜひ、やってみて」と背中を押された。

この明るさは、ふりそそぐ太陽からくるのだろうか。

 

ギリシャの子どもの数は?

 子どもの数は、平均2人。

でも、今は3人の子どもを持つ人が増えている。

なぜなら、3人以上の子どもがいると、仕事をみつけやすかったり、

公務員になりやすかったりするなど優遇措置があるからだ。