ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

21グラムーーー生命の重さ

2004-06-16 | 読書
------命がきえるそのときに、人は 21グラムだけ 軽くなる。
誰もが いつか 失う重さ。
21グラム------

私の住んでいる所に 映画館は ありませんから、
6月5日から、ほんとに ロードショーに かかっているのか、
定かではありませんが、ショーン・ペン、ナオミ・ワッツなどが 出ている
映画のタイトルが、
『21グラム』というらしい。

     http://www.21grams.jp/
[21gを感じる都市の風景]というところに、
「キャラメル3個の重さ、
 からになったマニキュア瓶の重さ、
 切手357枚の重さ・・・。
 ささやかな重さ、
 でもそれは、私たちがこの世に置いて行く“何か”。
 あなたが残す21グラムはなんですか?」
との一文がありました。

おお!と、思ったのよね。
最近読んだ、瀬戸内寂聴&玄侑宗久の対談(ETVスペシャルで放送したらい)の本、
『あの世 この世』(新潮社、2003・11.20、1200円)
の中に、そんな話が 出てきてたものだから。

アメリカの何軒かの病院で、
遺体になった瞬間に、からだの重さが何グラム減るか、
測定している、というお話。
最高、40グラム減ったという報告があるらしい。
へ~~、と、思ったの。
フツーの人は、思わないのかな? 
たぶん、21グラムというのは、平均値なんだろう (勝手に決める)。

アインシュタインの、
「この宇宙の中の エネルギーの総量は、一定である」
が 正しいとすると、
遺体から減った質量分のエネルギーが、どこかに生まれているはず。
一グラム減ったことで生まれるエネルギーで、
25メートルプールで 529杯分の水を、瞬時に沸騰させられる。
一気に光らせると、太陽の、432倍の明るさ。
東京ドームの広さを 昼間の明るさに照らすと、
昼夜ぶっとうしで、18日間。
富士山を持ち上げるとすると、17ミリ持ち上がる。

などのことが、書いてあります(22~24ページ)。
対談のなかでは、これらの具体的な数字は あまり重要でなく、
たった一グラムでもそれだけすごい、そのエネルギーで、
人は 亡くなる時には、不可思議なことを、
いろいろ起こすことができるのではないか、といった方向に話は流れてゆきます。

玄侑宗久氏の小説は、
芥川賞を取ったものも、そうでないものも、読んだことがないので、
話の中に入り込めないでいたのですが、
重さが変わる、という点に、興味を覚えました。

で、また、その重さを計るなんて、アメリカって、アメリカだなあ、なんて。

コメントを投稿