私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

天皇はその麗しい乙女に尋ねます・・・

2020-01-31 11:27:08 | 日記
 古代の男性の、これはと思うような乙女にどこであっても、、最初に問いかける言葉は

      “汝者誰子<イマシハ タガコゾ>”

 とです。
 万葉集の最初にある雄略天皇の歌にも

       “此岳爾菜採須児家吉閑名<コノオカニ ナツム スコ イエキカナ>”

とあります。家を尋ねています。
 ここでも天皇の問いに対してその美嬢子<カホヨキオトメ>は自分の家を何の遠慮もなく申し上げます。きっと、その時の男性の物腰といいましょうか服装や態度からどこかの貴公子ではないかと察してからではないかと思いますが

       “丸邇之比布礼能意富美之女名宮主矢河枝比売”
       <ワニノヒフレノオホミガムスメ ナハ ミヤヌシ ヤカハエヒメ>

 と答えます。
 この場合もそうですが、我が国の上古の社会では、男性から声掛けされた女性がすぐに返事を返すということは、「あなたの愛を
受け入れます。」ということを意味することなのです。

 でもまだ、この時は出会ったばかりですから、いくら天皇といえども、「きれいな娘だなあ」という思いはあったはずですが「ぜひ我妃に」という強い思いはなかったのではと思われますが・・・
 

 

天皇のラブレターです

2020-01-31 11:27:08 | 日記
 応神天皇はあるとき大和から淡海<オウミ>に出かけられます。そこは

      “久爾富毋美由<クニノホモミユ>”

 です。かって「ヤマトタケル」が詠んだ“久爾能麻本呂婆<クニノマホロバ>”と同じで、「富<ホ>」で「山に囲まれた大変美しい広々とした平地」です。その土地で偶然にも女性に遭遇します。その女性を

      “麗美嬢子遇其道衢<ソノチマタニ カホヨキオトメ アヘリ>

と書いております。一目ぼれです。ここからがまたまた日本の歴史になるのです。そこらあたりの筋書きはどのような恋愛小説よりも、まことに、古事記独特の奇なる展開が見られます。天皇からの本邦最初のラブレターが詠まれるのです。それはまた・・・・・

天皇のラブレターです

2020-01-31 11:27:08 | 日記
 応神天皇はあるとき大和から淡海<オウミ>に出かけられます。そこは

      “久爾富毋美由<クニノホモミユ>”

 です。かって「ヤマトタケル」が詠んだ“久爾能麻本呂婆<クニノマホロバ>”と同じで、「富<ホ>」で「山に囲まれた大変美しい広々とした平地」です。その土地で偶然にも女性に遭遇します。その女性を

      “麗美嬢子遇其道衢<ソノチマタニ カホヨキオトメ アヘリ>

と書いております。一目ぼれです。ここからがまたまた日本の歴史になるのです。そこらあたりの筋書きはどのような恋愛小説よりも、まことに、古事記独特の奇なる展開が見られます。天皇からの本邦最初のラブレターが詠まれるのです。それはまた・・・・・

大雀命の父を思いやる心に ”悒”という漢字が・・・

2020-01-30 09:41:38 | 日記
古事記を読んでいると、しばしば「この字何の字???気になる字、見たこともない字ですから」という字に出くわします。

    “悒”

 という字もそうです。大方の人はご存じだとは思いますが、私には初めて出くわす字です。「悒(うれえる)」とよむのだそうです。「心が安らかでない」ことだそうです。
 
 この字は、ある時、応神天皇が大山守命と大雀命の兄弟に
 「お前たちは兄弟でどちらの方が愛しいと思うか」
と問いかけます。すると、大山守命は
   ”白愛兄子<アニナルコゾハシキ トモホシタマヒキ>
 と答えます。大雀命は
   “兄子者。既成人。是無悒。<アニナルコハ スデニ ヒトトナリツレバ イブセキコトナキヲ>”
   「兄の方がもう大人ですから、その行く先は何も心にかかるような心配事はないのですが・・・・」
 という意味のことを父の応神天皇に答えます。
 この場面で”悒”が見えます。
  さて、この「大山守命」と「大雀命」の2人の兄弟の心に「悒」という思いがある無しで(思いやりの心)これから先の運命はいかになりますでしょうか?? 

ある時応神天皇は・・・・

2020-01-29 10:16:42 | 日記
 二十六柱の内、その中の誰を日嗣の御子にしようかと思って応神天皇は第一子の“大山守命”と中日売命の子の“大雀命”を呼んで聞きます
 「おまえたちは年上の子と年下の子ではどちらが可愛いかね??」
 すると、大山守命は「上の子が可愛い。」、大雀命は「下の子はまだ小さいので可愛い。」と答えます。
どうしてこのような質問を二人にいたかということは、天皇はその時「宇遅能和紀郎子<ウジノワキイラツコ>」を日嗣の御子にしたいとお考えになられていたからです。その御心を察知していたのが大雀命<オホサザキノミコト>だったのです。