- 東篭ノ塔山から水ノ塔山/黒斑山 -
展望と花を楽しみながらの軽い山歩きでした。
記事にするのが遅れましたが、歩いたのは8月の初めです。
雲のために遠望はダメでしたが、花はほとんど途切れることなく何かが咲いているという状態でした。
目を惹く花、地味な花といろいろでしたが、ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)が一番目立っていたでしょうか。
尚、「篭ノ塔山」「水ノ塔山」は、「篭ノ登山」「水ノ登山」と表記されることもあります。
歩程 【 高峰温泉~水ノ塔山~東篭ノ塔山~西篭ノ塔山(往復)~池ノ平~三方ケ峰~地蔵峠 】
歩き始めは高峰温泉です。
クルマユリなどが咲く樹林の中を少し進むと ・・・
直ぐに岩と砂礫の道となります。
正面には水ノ塔山と西に続く稜線が ・・・。
その稜線の先にあるのが東篭ノ塔山です。
そして、右手には黒斑山です。
ハクサンオミナエシ
水ノ塔山まで他に、ウスユキソウ、ハクサンフウロ、マツムシソウ、ヤマホタルブクロ、シャジクソウ、ヤマブキショウマ、ヤマハハコ、マルバダケブキ、カワラナデシコ、イブキジャコウソウ、シュロソウ、タカネニガナ、ミヤマチドリ、ミヤマホツツジ、オンタデ、 ・・・などが咲いていました。
着いた水ノ塔山頂はあまり山頂らしくありません。少し高くなった稜線の東端という感じです。
篭ノ塔山への道はまず山頂から北側を巻くように進みます。
その結果、北側の四阿山や草津の山々を望むことができます。
道は少し先で稜線に戻ります。
時折樹林の中を通過しますが、東篭ノ塔山まで花の多い展望のいい稜線歩きとなります。
稜線から高峰山
イブキジャコウソウ
ハクサンオミナエシ
タカネニガナ
東篭ノ塔山まで他に、オトギリソウ、ヤマハハコ、ウスユキソウ、ゴゼンタチバナ、カニコウモリ、・・・などが見られました。
展望のいい東篭ノ塔山に到着です。十人ほどの人がいます。
東篭ノ塔山から水ノ塔山/黒斑山
東篭ノ塔山から四阿山・草津の山々
東篭ノ塔山から烏帽子岳・湯ノ丸山/西篭ノ塔山
ここでは休まずに西篭ノ塔山に向かいます。
葯80mほど下り、同じだけ登り返せば西篭ノ塔山です。
こちらには誰もいませんでした。
西篭ノ塔山から浅間山・黒斑山/東篭ノ塔山
西篭ノ塔山から三方ケ峰
ハクサンオミナエシの傍で独り静かに休息です。
ここから東篭ノ塔山まで戻ります。
ミネウスユキソウ
ネバリノギラン
東西篭ノ塔山の間では他に、ハクサンオミナエシ、イブキジャコウソウ、オトギリソウ、ヤマブキショウマ、 ・・・などが目につきました。
東篭ノ塔山まで戻り、再度展望を楽しみます。
東篭ノ塔山から烏帽子岳・湯ノ丸山/西篭ノ塔山
東篭ノ塔山から池ノ平・三方ケ峰
ここから池ノ平に下ります。
下りの途中から黒斑山
後半は薄暗い樹林の中の道となります。
コバノイチヤクソウ
池ノ平までは他に、クルマユリ、ノアザミ、マルバダケブキ、シシウド、ミヤマホツツジ、・・・などが見られました。
池ノ平まで下りてくると少し賑やかになります。
駐車場があって、ここまで車で来れるので、やはり人が多いです。
ヤナギランを見ながら東遊歩道に入ります。
背丈ほどのマルバダケブキ、そして足下には黄色いハナニガナと白いシロバナハナニガナが ・・・。
尾根筋に咲くノアザミ、後方は黒斑山です。
また、巨大なシシウドが幾つか見られました。
「放開口」と呼ばれる地点から、湿原の木道を進みます。
カワラナデシコや・・・
ハクサンフウロなどが少し目立ちますが ・・・
花が多いという印象はありません。
それでも、ノハナショウブや
ニッコウキスゲが ・・・。
三方ケ峰への登り口の近くに鏡池があります。
池の先の一帯が薄っすらと紫色になっています。
木道からは遠くて、この目で確認できませんでしたが、おそらくノハナショウブでしょう。
ここから三方ケ峰に向かいます。
三方ケ峰にはコマクサが咲きますが、もはや終わりの状態でした。
ここのコマクサ生育地は頑丈な鉄製の柵というか網状の塀で厳重に保護されています。
車で容易にやって来れるので人が多く、そこまでの徹底した保護が必要なのかもしれません。
実際、池ノ平周辺ではデジタル一眼レフを抱えたオジサンがたくさんいて、熱心に写真を撮っていました。
もちろん全員とはいいませんが、「いい写真」を撮ろうとして立入禁止区域に入る人が必ずいます。
「いい写真」なんて存在しない、ということに気がつけば、写真の撮り方も変わると思うのですが ・・・。
私は、山歩きの時はいつもちっこいコンパクト・カメラです。
また、周辺山域へのペットの立入が禁止されています。生態系及び感染症の観点から妥当な処置だと思います。
平気で犬を連れて山を歩いている人がいますが、それは基本的に無知あるいは身勝手な我儘が原因だと思っています。
尚、犬連れ登山の問題については、「犬連れ登山を考える」(http://www1.ttcn.ne.jp/naturelog/inuzure-co.html) を参考にして下さい。(一部に過激な表現がありますが、その心情は理解できます。)
三方ケ峰からは見晴岳に向かいます。
途中、池ノ平と後方の黒斑山が眺められます。
空を映して青く見える鏡池が綺麗でした。
ハクサンフウロやミネウスユキソウなど - 距離はわずかですが、見晴岳まで展望のいい花の道です。
八ヶ岳連峰の頭は雲の中でした。
ヨツバヒヨドリ - 後方は篭ノ塔山・水ノ塔山
クガイソウ
ウスユキソウ
ハクサンオミナエシ
シシウド - 後方は黒斑山
見晴岳付近にもコマクサがありますが、ここも三方ケ峰と同じように厳重に保護されています。
ここから地蔵峠に向かいます。
時折、湯ノ丸山などが見えたりしますが、概ね樹林の中の道でした。
シャジクソウ
地蔵峠までに見られた花は、ヤナギラン、ハクサンフウロ、マツムシソウ、カワラナデシコ、シモツケ、シシウド、ノアザミ、ワレモコウ、ウスユキソウ、キバナノヤマオダマキ、グンナイフウロ、ウツボグサ、ハナニガナ、シロバナハナニガナ、ヨツバヒヨドリ、・・・などでした。
地蔵峠に着いて歩き終りです。
かつて、湯治場だった旧鹿沢温泉に通じる道が地蔵峠を越えていました。
その道すがら、一番から百番まで番号をふられた観音さまが祀れていました。
要するに観音さまの石像の町石というわけですが、それらの石像が現在も残っています。
地蔵峠には八十番の十一面観音が祀られています。
その観音さまの傍に祀られているお地蔵さまです。
普通に考えれば「地蔵峠」ではなく「観音峠」の方が相応しいと思うのですが、「地蔵峠」という名はこのお地蔵さまが由来なのでしょうか。
現代人ならいざしらず、昔の人々が地蔵菩薩と観音菩薩を混同するとは思えません。