- 産沼 -
栗駒山は秋田・岩手・宮城の県境(今の山頂そのものは三県の境ではありませんが)にあり、秋田では大日岳、岩手では須川岳、宮城では栗駒山、と呼ばれています。
最初の栗駒山へは当時の国鉄の夜行列車で出かけたのですが、検札にきた車掌から「どこに登るのかね?」ときかれ、「栗駒山です」と答えると、「須川岳かね!」と返事が返ってきました。この車掌は岩手出身だったのでしょう。私は須川岳とも呼ばれることを知っていましたので驚きませんでしたが、同行していた友人は怪訝な顔をしていました。
今回のコースからいえば、須川岳と表記するのが自然だと思いますが、あえて栗駒山で押し通しました。この山に最初に登ったのが宮城県側からでしたので、その時以来、私は栗駒山の名前を使っています。それに、今ではこの栗駒山の呼び名が一番広く知れ渡っているようですので・・・。
同じように乳頭山という呼び名は秋田側のもので、岩手では烏帽子岳と呼ばれます。私が乳頭山と呼んでいるのは、いつも秋田側から登って秋田側に下りているからです。まだ、岩手側から登ったことがありません。でも、ただ烏帽子岳と書いただけでは、多くの人は決して乳頭山だとは思わないでしょう。
紅葉の栗駒山、その三
山頂からまず宮城県側の中央コースに入ります。直ぐにある分岐を東栗駒山方面に入ります。
東栗駒山にかけてはなだらかな草原が続いていた記憶があるのですが、その記憶に間違いはありませんでした。
しかし、今日はガスのため白いベール越しの草紅葉です。
本来の目論見は東栗駒山まで行って、付近の紅葉を楽しむということだったのですが、この状態はしばらく晴れそうもありません。
裏掛コースの分岐で東栗駒山は諦めて、裏掛コースへの道に入ります。
道は沢沿いに下って行きますが、ガス越しの紅葉も綺麗ですし、花の時季にも歩いてみたいとも思いました。
今回歩いたコースの中でリンドウが一番咲き残っていたのがこの付近でした。
赤や黄に目が慣れていたので、青紫の花が印象的でした。
かわいらしい池塘もありました。
沢沿いに進む中、またまた分岐です。右が裏掛コースで、ここは左に入ります。
そして分岐から直ぐに沢を横切る道にぶつかります。右に行くのが笊森コースで、ここは左にとって、須川温泉に戻ります。
尚、この分岐には沢の直ぐ脇に水場があります。(柄杓はありませんでした)
本来なら笊森避難小屋付近まで行って紅葉を楽しむ予定でしたが、ガスは一向に晴れる気配がありません。
今回は須川温泉からの周回コースですが、あちこちで寄り道をして、紅葉を楽しみながら歩こうという計画でした。しかし、ガスのために幾つかは諦めざるをえませんでした。
ガスと紅葉の中を進みます。
左手からの道と合わさる傍らに産沼があります。
産沼。
左手からの道は栗駒山頂から下ってくるもので、この道の途中に一箇所私の秘密の場所があります。
再び、紅葉の道を進んで行きます。
まず、小さな沢を渡り、続いて沢を渡れば、昭和湖・須川温泉の道に合流します。
紅葉を眺めながら、のんびり下って行きます。
名残ケ原の端から今度はゆげ山の方に入ります。
ゆるやかな坂を少し登れば、草紅葉の湿原に出ます。
そして、その先には剣岳が特徴的な姿を見せています。
剣岳の下には賽の河原が広がります。
再び湿原付近まで戻って、須川温泉に向かいます。
ゆげ山付近は花とは無縁な感じがしますが、かつて初夏に来た時、咲き乱れるイワカガミの群落に驚いたことがありました。
須川温泉まで戻ってきました。普通なら温泉に入っていくところですが、過去に何回か入浴したことがあるので、今回はパスです。
その代わり、無料の足湯にしました。足湯といっても、ここは温泉の川に足をつけるという感じです。湯量が豊富なのか、宿の脇を温泉が川となって流れています。
しばらく足をつけた後に、靴下・靴をはくと、足がポカポカしてすごく気持ちいいです。何故か足も軽く感じられ、これからもう一山歩けそうな感じです。
そして、最後の寄り道は須川湖です。
須川湖付近はようやく紅葉が始まったという感じで、全体としてはまだ緑の方が多かったです。
須川湖。
須川湖からの栗駒山。
天候のせいで少し残念な部分もありましたが、紅葉の素晴らしさを充分に楽しめたと思います。
おかげさまで、栗駒の紅葉を堪能させていただきました。地元でありながら、ウチはまだ紅葉の時期に行った事がないので、いつか行かなくちゃ。
そういえば、岩手の地元新聞やテレビでも栗駒って表記がほとんどで、須川岳って見た事ないです。
栗駒の紅葉は私も今回が初めてですが、やはり噂だけのことはあると思います。展望岩頭から龍泉ケ原を眺めるのを最大の楽しみにしていたのですが、恵まれない天気にもかかわらず、運良くこの時はガスが晴れてくれました。
ぼんいぢさんは、乳頭を烏帽子と呼んでいたので、栗駒は須川かと思ったのですが、栗駒は栗駒なのですね。今は栗駒の名前は全国区のような状況になっているようですね。
私も前回は足湯だけで満足して帰宅しました。
乳頭と烏帽子の件ですが
うちのダンナ様は「岩手県人からすると乳頭は烏帽子岳だ!」と申しております。
やはり岩手県人は断固として烏帽子ですか。栗駒も須川岳なのかなぁ。
私は岩手・秋田に縁も所縁もありませんが、地元での呼び名はできるだけ尊重したいと思います。
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