東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

「古写真に見る明治の東京~本所区・深川区編」を見る。

2015-02-21 18:32:31 | イベント
例年、この時期に半蔵門のJCIIフォトサロンで開かれる、古写真で見る明治の東京シリーズの写真展、今回は8回目だそうで、本所区と深川区の番である。これまでに、「皇城(江戸城)・麹町区編、神田区・日本橋区編、京橋区編、芝区・麻布区・赤坂区編、浅草区編、牛込区・小石川区・本郷区編、下谷区編」を開催してきている。この旧市街十五区時代の区分で進めてきている。来年も古写真を元にした写真展はあると思うのだが、このシリーズで四ッ谷区となるのかどうかが少々気になるところだ。四ッ谷区は旧市街には含まれてるものの、中心からは外れているし、たここまで神田、日本橋が一緒に取り上げられるほどの密度でやっているのに、四ッ谷区がそれ程に材料があるのかが若干疑問に思えるわけだ。

さて、それはともかく今回の写真展の開催概要から。
開催期日:2015年2月3日(火)~3月1日(日)
会場:JCIIビル1階 フォトサロン ※入場無料
時間:10:00~17:00
休館日:毎週月曜日(祝祭日の場合は開館)



さて、今回も図録を購入。このシリーズの図録は総て購入している。やはり、明治初期の写真というのは非常に貴重なもので、江戸の面影を色濃く残すというよりは、幕末にも掛かっている時期のものもあって、非常に興味深い。
本所区・深川区編でまず取り上げられているのが、吾妻橋のたもとにあった旧久保田藩佐竹邸の写真。今のアサヒビールの辺りがこの下屋敷であった。台東区の佐竹通りの辺りは、上屋敷があったところである。確か、以前何かの本でこの屋敷に奉公に上がっていた女性の話を読んだことがある。その話だけでも貴重なのに、その時の光景がこうして見ることが出来るというのも凄い話だ。


本当は、正方形の版型である。スキャナのサイズの都合で上下が切れている。図録は800円也。過去の写真展のものも在庫されている。

それにしても、本所、深川は、震災での被害も大きかったところであるだけでなく、東京大空襲で甚大な被害を出したところでもある。その結果、まさにほぼ全域が焦土と化しており、江戸以来の今回展示されている様な風景は完全に失われたものであるとも言える。それだけに、物語や落語の舞台にもなってきたこの地域の、かつての生々しい姿を見ることが出来るというのは、面白いとしか言い様がないのだ。
亀戸天神の立派な社殿や境内の様子は、当時の賑やかさも想像させられる。写真の枚数が多いことも、亀戸神社が盛んであったことの証明でもあるだろう。なにしろ、この時代に写真を撮ることのコストは、今とは比較することさえ馬鹿馬鹿しいと思えるほどではないだろうか。

さらには、目黒を訪ねた時に訪問した五百羅漢寺の草の生い茂る荒廃した姿もあって、思わず見とれてしまった。


両国回向院や両国橋のすぐ近くにあった料亭など、そしてかつての隅田川の話に必ず出てくる百本杭など、見所は多い。御船蔵や永代橋、深川不動というのも興味深い。富岡八幡の写真も豊富で、これで永代寺の写真が残っていればと思ったが、これは残念ながらなかった。さらには洲崎弁天社や、洲崎遊廓ができる前の洲崎海岸の写真などもあって、しみじみと眺めてきた。帰ってから、図録をゆっくりと眺めるのがまた楽しみで、これまでの分を併せて眺めている。

裏表紙は、やはり洲崎海岸らしきカット。広々した海が広がっている。


これは毎回行って満足度の高い写真展であり、今回も楽しめた。足を運んでみることをお勧めしたい。

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