東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

九段下ビル取り壊しへ~九段下アトリエにて「Where is?」展を見る

2011-12-10 18:36:24 | 千代田区
靖国通り沿い、俎橋の直ぐ傍の昭和初期からのビルと言えば、多くの人があああれだなと思い浮かぶ存在だった九段下ビルがいよいよ取り壊されるという。昭和2年竣工という、正に昭和という時代と共に東京の移り変わりを見つめてきた建物がまた一つ無くなろうとしている。その記事を東京新聞の記事で知り、見に行ってみようと思った。最後の住人の方は取り壊しに抵抗されてきたそうだ。その方の手によって九段下アトリエとして若手芸術家に声を掛けての展覧会が行われているという。ならば、是非、見てみようと思った。東京新聞2011年12月7日朝刊の記事。


このビルの存在自体は勿論知ってはいたし、近年外壁の痛みが激しくなりネットが掛けられたりして、いつまで持つだろうかと思っていた。気になる建物ではあったが、私は無断で建物内に立ち入ることは良しとしないので、外から眺めていただけだった。靖国通りの反対側の裏手は、このブログに掲載した1980年代に撮影したカットの現在を撮る為に歩いたりしていたし、その時にもこのビルを通り越しに眺めたりはしていた。


既に九段坂よりはフェンスで囲われている。ビルの外壁には、かつてのテナントの看板の痕跡が残されている。速記というのも、今は昔。屋上の装飾が凝っている。昭和初期の作らしい良い雰囲気。


こちらは「写植、版下、デザイン、トレス」と読める。これもDTPで激変した業界である。


まずは今回は「Where is?」展の案内状。


開催期間に時間などはこちらを。


そして、こちらが「Where is?」展の入り口。


今日はまず、この展覧会を楽しんで頂こうと思う。


最初、床に敷き詰められた砂に驚いた。前にアトリエを使われた方の置き土産とのこと。でも、この砂のお陰で、どうにも不思議な空間になっている。砂の上を歩いていくことになるのだが、展示されているものも砂の上に置かれいて、見ているこちらとの距離感が壊されているような感覚がある。


強烈な存在感を放つ建物の中で、そこに置かれた作品との間で醸し出される空間を楽しむ気持になると、心地良さがあると思った。


アトリエは三階にあるのだが、外に出ることが出来る。そこは周囲は現代の景色でありながら、白熱灯の赤みを帯びた色合いに感じる暖かさが心地良い場所だった。


この展覧会は、12月11日日曜日まで行われている。その後、12月13日火曜日から12月26日まで「さよなら九段下ビル」という、最後の展示が行われる。詳細はこちらを参照のこと。次回は撮影してきたビルの写真を御覧頂こうと思う。


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