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○じじごろう日記。 2006-7 続き

宇宙快速船

宇宙快速船

じじごろう: 60年代の初め、まだまだ日本のTV放送黎明期といってもいいような時代に、一つのSFヒーロードラマ番組があった。その前から「月光仮面」なぞの仮面ヒーローもの番組はあったんじゃが、これは宇宙が出て来る、初めてのSFものじゃった。

ハチくん: 昔の、オコチャマ向けTVドラマだね。

じじごろう: そう。それは「月光仮面」や「七色仮面」と同じく、TVの子供向け番組じゃが、ヒーローの相手の敵役が、宇宙人や海底人、地底人という、当時としては画期的なSFドラマじゃった。家電のナショナルがスポンサーとしてタイアップ、提供松下電器産業の「ナショナルキッド」じゃ。何と、仮面ヒーローの名前に、スポンサーの会社の名前が付いとった。正義の味方「ナショナルキッド」は、アンドロメダからの使者、不死身の超人じゃ。

ハチくん: ふう~ん、そうか。昔の、子供達の憧れのヒーローだ。ウルトラマンの兄弟達みたいな、宇宙人ヒーローのルーツみたいなもんだね。解る。

じじごろう: TV放送のな、番組始まりのナレーションのうたい文句がな、いいか、『四次元の世界を克服し、不可能を可能ならしめ、あらゆる化学兵器より強く、正義と平和のために戦う、ナショナルキッド』、どうじゃ、素晴らしいじゃろ。これは1960年の8月から61年の4月まで、当時のNET、現テレビ朝日じゃな、そこで放送された。子供向けとはいえ、TV放送では初めての本格的SF特撮ヒーロードラマじゃ。TVも雑誌漫画の方も、原作者名が貴瀬川実となっておるのじゃが、TV放映のタイトルバックには、原作は、貴瀬川実と共に、何と海野十三の名前もあるんじゃ。

ハチくん: 誰、それ?

じじごろう: 日本SFの祖というか、日本SFの父みたいな人じゃ。空想科学冒険小説作家じゃ。こっちも日本SF黎明期の大作家じゃ。コアな日本SFファンなら知っとる有名な、戦中から戦後に活躍した作家さんじゃ。しかしワシにもよう解らんのじゃが、海野十三は没年が1949年なんじゃ。謎じゃな。

ハチくん: え?あ、そうか。1960年に始まる番組のタイトルバックに名前がある人は、既に1949年に亡くなってるんだね。ちょっとしたミステリー?

じじごろう: うん、まあ、原案とか、小説作品からの引用、参考とかかも知れぬな。ワシには詳しいことは解りません。

ハチくん: なあんだ。

じじごろう: なあんだ、とは何だ!もう、45年も前の話じゃぞ、馬鹿者。

ハチくん: 室町時代から生きている、じじごろうさんに、知らないことはないかと思ったのに。

じじごろう: わはははは。ワシは古寺のミイラか!?人を化け物扱いしおって。

ハチくん: 今回のじじごろうさんの話はこれで終わりなの?

じじごろう: いいや、ここからが本番じゃ。

ハチくん: げっ、まだ続くんだ‥。

じじごろう: 今、DVD化されて出ておるんじゃがな、若き日の千葉真一主演、当時の東映の特撮映画、「宇宙快速船」。この映画はじゃな、同じ東映制作のTVドラマ「ナショナルキッド」を劇場用映画でやったものなんじゃよ。主役ヒーローは別モノじゃが、設定は似たお話の、SFドラマじゃ。映画の方は、正義の超人ヒーローが、アイアンシャープという。ナショナルキッドは自分自身が空を飛んだが、アイアンシャープは小型ロケット、アイアンシャープ号で空を飛び、レーザービームで敵円盤を攻撃した。この当時の若き千葉真一は、TVヒーローものドラマでも、「アラーの使者」なぞの正義の味方を演じておった。昔じゃなあ、60年代初めの話じゃからなあ。特撮映画「宇宙快速船」公開は1961年じゃからのう。その当時の特撮ものとしては、けっこう、なかなかといえる代物じゃ。モノクロ映画ではあるけれどな。

ハチくん: ふう~ん。

じじごろう: 「ナショナルキッド」も、最初の話は、インカ金星人というヤツラが円盤で地球侵略に来る話じゃが、この「宇宙快速船」も侵略SFじゃ。海王星人がヤツラのロケットで、地球侵略に来襲する。迎え撃つ地球側は、エレキバリヤーという、分厚い電磁バリヤーみたいので、敵の攻撃を撥ね返す。自衛隊や軍隊の迎撃シーンは無いな。後は、超人アイアンシャープがアイアンシャープ号で大活躍、最後のとどめは地球側秘密兵器ミサイルで、敵母船ロケットを破壊して、ハッピーエンドじゃな。めでたしめでたし。

ハチくん: 海王星って、もうその頃発見されていたんだ。

じじごろう: 馬鹿者、当然じゃ。はっきりした事は一般的なカルチャーとしては知れてはおらんだったじゃろうがの。

ハチくん: 海王星が地表の無い巨大ガス惑星だって事とかね。実際、侵略に来る生物が居るとしたら、海王星の衛星、トリトンだとかだよね。でも、あーんな遠い惑星じゃ、暗いしとてつもなく寒いし、先ず生物なんて棲めないよね。

じじごろう: ああ。あまりにも太陽から遠すぎる。海王星の温度はマイナス218度といわれておるしな。いいんじゃよ、そんな事は。空想科学映画作品なんじゃから。面白いからいいんじゃよ。ところで、「宇宙快速船」にも「アイアンシャープの唄」という主題歌があるが、「ナショナルキッド」の主題歌は有名じゃった。

ハチくん: え?有名だったの?

じじごろう: そうじゃ。歌を教えてやる。

  
   雲か 嵐か 稲妻か
   平和を愛する人のため
   両手を高く 差し伸べて
   宇宙にはばたく 快男児
   おお その名はキッド
   えい ナショナルキッド
   ぼくらのキッド キッド
   ナショナルキッド

 どうじゃ。良い歌じゃろうが。

ハチくん: 知らねえよ。そんな歌は‥。

Photo_5スカートひらり

ハチくん: ああっ!何だよ、ジャック、その格好は?

ジャック: ああ。これね。今、巷で「スカートひらり」って良い曲が流行ってるんだ。それで、俺もちょっと履いてみたワケ。スカート。

ハチくん: そういえば最近、街で流れてるの、聞いた覚えがあるけど‥。でも、大きな秋田犬のジャックが何も、スカート履くことはないんじゃないかい?好きな曲なんだったら、ラジカセか何かで聴いて、楽しんでりゃいいじゃん。

ジャック: うん。俺も、音楽聴いて、踊ってたんだけど、それだけじゃ何だか物足りなくて、つまんなくて。いまひとつ気分乗らないからね、こうやってスカートというのを履いてみたんだ。

ハチくん: う~ん、スカート履いて踊るオスの秋田犬なんて、聞いたことないし、それに絵にならないよ。変だよ、ジャック。

じじごろう: おう、ジャック。何じゃ、その格好は?

ジャック: スカートひらり

じじごろう: おおっ。知っておるぞ!若い可愛い女の子達が踊って歌っておる、ノリのイイ曲じゃな。ワシも大好きじゃ。可愛い若い女の子が。

ハチくん: ああ~。また来たよ、変なのが‥。

じじごろう: 何じゃと!?誰が変なのじゃっ?馬鹿者。古今東西、このワシに知らんことはないワイっ。「スカートひらり」はAKB48という、あの秋元康完全プロデュースのアイドルグループが出した、第2弾シングルじゃ。グループ結成にあたって、13歳から22歳までの何処のプロダクションにも所属していない女の子たちから募集、条件は専用常演劇場である秋葉原の小劇場にほぼ毎日通えることなぞじゃ。2005年暮れにオープニングメンバー24名が決まり、第1回公演を行っておる。さらに追加メンバー募集で、若いピチピチにゃんにゃんギャル達が、続々参加して、増えており、チームA、チームBとあるのじゃ。可愛いギャルが多くて、嬉しい限りじゃ。なあ、ジャック。

ハチくん: ああ~、もう、泣きたくなるね、この変態爺さんには。

じじごろう: 勝手に泣いとけ。秋元康というと、あの歴史的素人集団女子高生ユニット、おにゃんこクラブの生みの親じゃな。あの後、秋元康が結婚したのは、おにゃんこ16番、高井麻巳子だったしな。夫婦はうまく行っとるんかいの?あれからどうなったろう?秋元康が建てた豪邸はおにゃんこ御殿などと呼ばれたもんじゃ。もうモーニング娘も廃れて来たし、ここらで、元祖素人清純系ギャルユニット組成プロデューサー、秋元康御大復活で、今、超話題の萌え系で揃えたギャルユニット、AKB48が大登場じゃ。どうじゃ、参ったか。

ハチくん: しかしまあ、この爺さんは、よくもまあ、恥ずかし気も無く、そんな美少女アイドルグループなんかに興味持って、詳しいよなあ‥。200歳にもなって。これから変態仙人と呼ばせてもらおう。

じじごろう: 誰が変態仙人じゃ、馬鹿者。ワシが200歳にもなるか!

ハチくん: 妖怪爺さんだからそれくらいはいってるだろうと‥。それよか、そうか、萌え系って、秋葉原から取ってAKBか、成程。48ってのはグループ構成人数だね?

じじごろう: ま、そんなもんじゃな。それよかワシも踊りたくなって来たのう。ジャック、スカートはまだあるのか?

ジャック: あるよ、そこ。幾つも探して来たから。俺、一度、スカートひらりっ、ていうの、やってみたかったんだ。

じじごろう: おおっ。それはいいのう、ジャック。ワシもやってみたいぞ、スカートひらりっ、ていうの。ちょっと待ってろよ、今、ふんどし脱いで、スカートに着替えるから。

ハチくん: ああ~、もう、止めてよ、二人で、そんな恥ずかしい真似は。じじごろうさんはどうせいつもふんどし一枚で歩き回ってる変態爺さんだからいいけど、ジャックは由緒ある日本犬の秋田犬なんだ。止めてよ。

じじごろう: ふん、どうせジャックは、秋田犬でも雑種の野良犬じゃ。お待たせ、じゃ。それでは、ジャック、あの土管の上からやるか。ひらりって、一緒に。

ジャック: ああ、やろう。

じじごろう: それではやるぞ。いちにの‥。それっ!

じじごろう:ジャック: ひらりっ!

Photo_7 ヘル・フリーゼズ・オーヴァー

ハチくん: あ、ジャック、どうしたの?そんな穴の中なんか入って。暑いだろ?

ジャック: いや、これが意外と涼しいんだよ。

ハチくん: え?そうなんだ。でかい穴だなあ。これって、ジャックが掘ったの?

ジャック: ああ。何日も掛けて一生懸命、掘ったんだ。

ハチくん: うう~ん、たいしたもんだ。よくこんなでかい穴、一人で掘ったなあ。もう、土管で寝るのは止めたんだ?

ジャック: ああ。地上はぶっそうだからなあ。ほら、ミサイルが飛んで来るっていうだろ。それで苦労して掘ったんだよ。俺はまだ死にたくないしな。

ハチくん: ああ、あれか。北朝鮮のミサイル連射事件だね?もうだいぶ前だよね。ええと、7月の5日だっけか。日本海に7発が落ちて大騒ぎしたやつだね。じじごろうさんなんか、何処で見つけて来たのか、ふんどしの上に迷彩服着て、オモチャの刀振り回して、戦争だって駆け回ってたっけ。そういえば、僕、もう忘れてたよ。

ジャック: これ、拾って来たんだよな。週刊現代の7月22日号。これに載ってたんだよ。北朝鮮の核実験は今年の9月9日だって。9月9日は北朝鮮の建国記念日らしい。だから、俺は掘ってるんだよ。

ハチくん: え!?すると、これは核シェルターなのか!?浅過ぎだよ。だいいち週刊誌の記事なんてアテにならないし、もし仮に万一、週刊誌の予想が当たったとしても、実験なんだから、地下核実験だろ。日本に核弾頭が飛んで来る訳じゃない。

ジャック: 9月9日が仮に実験だけでも、俺は今から準備して掘っとくんだ。もっとどんどん深く掘るよ。もっとずうっと深く。近いうちに、またミサイルが飛んで来るかも知れないからな。

ハチくん: この間の、日本海ロシア沿海州に落ちたのには、弾頭は着いていなかったんだ。命中精度はかなり良いものだって話だったけど。北はミサイルのセールスをしたいんだよ。

ジャック: ミサイルに弾頭が着いてなくて、空状態でも、原発なんかに落とされたら大変だろ?

ハチくん: そりゃあ、まあ、その通りだけど‥。

ジャック: この前の春先、だいぶ前の話だけど、季節柄俺はついHしててな、その時、猫のニャンゴーに言われたんだ。大将お盛んですねって。そのすごい精力はキン×マが原子力なんじゃないかって。誉められたんだろうけど、俺は原子力のキン×マなんか持ってるんだ。ミサイルを撃ち込まれたら一発だ。

ハチくん: うーん、それは比喩的に言ったんであって、ジャックのキン×マは確かに大きくて、ジャックは精力が強そうだけど、何も本当にジャックのキン×マが原子炉になってる訳じゃないんだ。だから大丈夫だよ。日本政府も日本国土にミサイルが飛んで来ることがないように一生懸命外交努力して、国連で非難決議を決めたし、六カ国協議も推し進めてる。そんなに心配することはないよ。

ジャック: いいや、解らねえ。すぐには飛んでは来なくても、いづれは解らねえぞ。年末でも、来年でも。だから俺は深い深い穴を掘って、食べ物とか蓄えとくんだよ。

ハチくん: そう言われると、ちょっと心配になって来たなあ‥。

じじごろう: おう、ジャック。どうしたんじゃ?そんな穴の中に入って。なかなか良いのう、その穴は。

ジャック: あ、じじぃ、何、入って来るんだよ!

じじごろう: いいじゃないか。もよおして来とるんじゃ。せっかくこんな立派なもの、作ったんじゃ。みんなで一緒に使おうぞ。

ジャック: あ、じじぃ、何、ふんどしなんか外してるんだよ!俺は雄犬だぞ。

じじごろう: 馬鹿者!誰がおまえの尻なんか使うかっ。我慢出来んのじゃ。

ハチくん: じじごろうさん、違うんだよ!この穴はトイレじゃないんだ!これはジャックが掘った核シェルターなんだよ。まだ掘ってる途中だけど‥。

ジャック: あっ、じじぃ!しゃがみこみやがって、ウ×コなんかするんじゃねえぞっ。

じじごろう: 我慢出来んのじゃ‥。おっ、なんじゃこれは?えらいグラマーなべっぴんさんと、CDじゃな。

ジャック: 地上が放射能汚染されると、何年も出て来れないから、いろいろなものを集めておくんだよ。俺のものに、触るな、じじぃ!

じじごろう: 何々、ほしのあき写真集。可愛い顔した乳の大きいオナゴじゃのう。こりゃあ、良いのう。こっちのCDは洋楽か。

ジャック: 早く、出てけよ。

ハチくん: じじごろうさんっ!我慢してたんじゃないの?早くしないと漏れるよ。

じじごろう: おお、そうじゃった。ジャック、ここでは駄目か‥?

ハチくん: 頑張って、公園の公衆トイレまで行きなよ、じじごろうさん。

じじごろう: せっかく良い便所が出来ておると思ったが、仕様が無いのう。ふんどしを着け直して‥と。どりゃ、公園までウ×コしに行って来よう。

ハチくん: ふうーっ。騒がしい爺さんがやっと行ったよ。どれ、見せてよ、CD。それから写真集も。

ジャック: ちょっとだけな。すぐ戻せよ。

ハチくん: ほしのあき写真集。この娘は今大人気のグラビアアイドルで、可愛くてナイスバディかも知れないけど、ジャック、おまえは犬なんだからさあ、人間の女の娘でなくて、雌犬に憧れろよ。こっちのCDは洋楽だね。おっ、イーグルス。渋いね、70年代に一世を風靡した、伝説のロックバンド。何々、「Hell Freezes Over -ヘル・フリーゼズ・オーヴァー-」ね。あ、これは良いよね。ベスト盤みたいなものだからね。再編成したイーグルスが、1994年からの全米ツアーを、実に14年ぶりで行ったのに先駆けて、新規録音されたスタジオライブ作りになってる、名盤だね。名曲あり、この時の新曲ありで、ばっちり良いアルバムなんだよね!

ジャック: ああ。俺は、「ホテル・カリフォルニア」が好きでね。まだまだいっぱい集めるつもりなんだ。それを戻してくれよ。

ハチくん: CDいっぱい集めるったって、オーディオ機器が無いじゃんか。音楽鳴らす機械がなくちゃどうしようもないよ。電気もいるから、引かないといけないだろうし。もっとも、今は携帯オーディオプレイヤーなんてものもあるしなあ。ソニーのウォークマンなんて超小型で何百曲って入るし。それと、写真集なんかじゃなくて、一緒に穴に入ってくれる雌犬をスカウトしなよ、ジャック。

ジャック: 先ずはこの穴をもっと深く掘らないとな。まあ、俺は独りで、ぼちぼちやって行くよ。

ハチくん: そうだね。ミサイルなんて危ないものが飛んで来て、近くに落ちたりしないように祈りたいね。何てったって、平和が一番だから。

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○じじごろう日記。 2006-7

B00005hqki09 Photo_4 ○ジョージ・ハリスン

ジョージ・ハリスン ダークホースイヤーズ 76~92

じじごろう:  何じゃ、朝っぱらから騒々しいのう。

ハチくん: ああ、じじごろうさん。おはよう。音楽を聴いてたんだ。良いよ、ケツメイシ。

じじごろう: 何、まだケツにイシがはさまっておるのか?ジャックに取ってもらえと言ったろう。ジャックはおらんのか?

ハチくん: そういえばこの頃見ないけど、ジャックじゃなくて、ケツメイシの音楽を聴いているんだよ、Jポップのラップ。「さくら」。良い曲でしょ。今じゃもう、ちょっと古いかもだけど、去年のヒット曲で、僕、お気に入りなんだ。

じじごろう: なあーにがラップじゃ。ちゃんと喋るか、ちゃんと歌うかどっちかにしろ。

ハチくん: でもこのコーラス部分のメロディーラインはなかなか素敵でしょ?

じじごろう: 何かよう解らんが、よくもまあ、ボロッちぃラジカセで同じ歌ばっかし何度も聴いておるのう。

ハチくん: ええーっ、心に沁みる良い曲じゃん。じじごろうさんは何かお気に入りの曲なんてないの?軍歌とか。

じじごろう: そうじゃな、1970年の「オール・シングス・マスト・パス」が今、無性に聴きたいのう。

ハチくん: げっ!洋楽?

じじごろう: そうじゃ、2001年に惜しくも58歳の若さで亡くなってしまったジョージ・ハリスンの、ロック史に残る名盤と誉れの高かったアルバムじゃ。今、あれが聴きたい。

ハチくん: ああ、ビートルズの一人でしょ?知ってるよ。そうか、もう死んでから5年も経つんだ。ジョン・レノンが80年の12月8日に射殺されたのは有名だけどね。

じじごろう: そうじゃ。ジョージは「静かなビートルズ」などとも呼ばれていたがな。ビートルズ時代はあまりパッとしなかったが、ソロ独立後のこのアルバム「All Things  Mast Pass」で、一躍「ロック界に不滅の金字塔」と絶賛された。まあ、ビートルズ時代末期には、「サムシング」や「ヒア・カムズ・ザ・サン」など続けて名曲を発表しておる。ビートルズ時代は、ジョン、ポールの影におって、思うように曲も出せんだったんじゃろ。ビートルズ解散のにおいがし始めてから、才能を開花させて来ておる。ビートルズ時代からメンバーの誰よりも早くソロアルバムを出しておるしな。

ハチくん: ジョージ・ハリスンていうと、盗作問題とか、エリック・クラプトンとの仲だとか、話を聞いたコトがある‥。

じじごろう: 盟友エリック・クラプトン、と言われるくらいの仲だったんじゃがな。ビートルズ時代のジョージの名曲「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、クラプトンの家に遊びに行っとる時に生まれた曲らしいからの。ところがその後、ジョージは愛妻パティと別れ、パティはクラプトンの元へと走ったんじゃ。

ハチくん: げっ、複雑!

じじごろう: しかし、共に音楽を愛す達人ギタリスト同士、友情は続いておってな、ソロのアメリカツアーで喉を痛めたままライブを行い、観客の激しいブーイングに合い、すっかり意気消沈してふさぎ込んだジョージじゃったが、もう二度とライブ公演をする事を嫌がったジョージを勇気付けて、再びライブツアーを行わせたのもクラプトンなんじゃ。クラプトンに励まされ、それでやっと日本へやって来て、ギタリスト・クラプトンと共演して行ったのが、91年のジャパンライブじゃ。「ジョージハリスンwithクラプトンandヒズバンド・ライブインジャパン」じゃな。これは、91年、日本国主要都市で12回行われたライブの録音からピックアップ、バックにはギターの神様クラプトンとそのバンド、演奏されたのは、ビートルズ時代のジョージの曲とソロの大ヒット曲、と実に贅沢なものなんじゃよ。ジョージ・ハリスンとしてはアメリカ公演から実に17年ぶりに、観衆の前で演奏をライブで披露した、ライブ再起のきっかけの公演じゃな。

ハチくん: へえ~、解らないもんだねえ、ビートルズの一人にそんな事があったんだなんてね。ジョージとクラプトンは本当に仲の良い親友だったんだね。

じじごろう: ああ。後にクラプトンも述懐しとる。長い間お互いに精神的に支えあった大切な友達だったと、な。

ハチくん: 良いなあ、友情って。じじごろうさんと僕もそういう仲だよね。

じじごろう: 誰が、犬畜生と友情なんか持つか。

ハチくん: そんな事、言わないでよ、この間、僕がコンビニから貰って来た弁当、おいしいおいしい、って食べてたじゃん。

じじごろう: 馬鹿者!そんな話をするなっ。

ハチくん: さて、また、ケツメイシ聴こおっと。

じじごろう: そんなのじゃなく、これを掛けい。ボロラジカセでは音は忠実に再現出来んじゃろうが、まあ、仕方ない。

ハチくん: あ、ジョージ・ハリスン。「オール・シングス・マスト・パス」!

じじごろう: そうじゃ。昔のレコード時代なら三枚組じゃが、このニューセンチュリーエディションのCDは二枚組じゃ。ここに、くだんの盗作騒ぎとなった、大ヒット曲「マイ・スウィート・ロード」も入っとる。ワシはそうは思わんのじゃが、盗作問題で裁判で負け、ここでもジョージはすっかり意気消沈しとる。優しいやつなんじゃな、ジョージは。ジョージが、愛妻パティとラブラブだった頃にささげた大ヒット曲が「サムシング」で、この「All Things‥」の中の一曲、「Isn’t It A Pity」はパティと別れた時の曲じゃ。

ハチくん: ふう~ん。あれ、もう一つ持ってるのは?

じじごろう: こっちはベスト盤じゃな。ビートルズ時代からのアップルのレーベルから移った、ソロ、76年~89年のダークホースレーベル時代のベスト曲集じゃ。もっとも、この盤は今は何処探してもないのう。重版して作ってはおらぬのかな?解らぬが。DVDは出とるんじゃがなあ。「ダークホースイヤーズ1976~1992」。これは、 ジョージ・ハリスンのダーク・ホース時代のインタビュー、プロモーション・クリップなどで構成されたDVDで、1991年にクラプトンと共に行った ”ライヴ・イン・ジャパン” の映像も収録されとる逸品ものじゃ。ジョージは、80年暮れにジョンが射殺されて作った追悼曲があるんじゃけど、「76~89ベスト」と「ライブインジャパン」には入っとるんじゃが、このDVDでは収録されてないのう。「All Those Years Ago」という曲は、ジョージがジョンの死を悲しみ悼んで作った、ジョンへの思いを込めた名曲じゃ。バックには、ポール&リンダ、リンゴが参加しておる。

ハチくん: ふう~ん。成程ねえ。勉強になりました。でも僕は、ケツメイシがいいや。また「さくら」聴ぃこおーっと。

じじごろう: 何!?こりゃっ!

Et0604242ns ジーザス

じじごろう: 皆さん、お久しぶりじゃ。皆さんは、元気にしておったかいのう。ワシは、暖かくなってきてますます元気じゃ。もう、ちょこっとでも動けば汗ばむくらいで、すっかり春たけなわ、初夏とでも言いたいくらいじゃのう。 今日の話は、ウハウハものじゃ。皆は憶えとるかいのう?シーシーガールズを。シーシーガールズといっても、勿論、若いおねえちゃんが小便しとる姿じゃ無いぞい。90年代初頭、あのバブル期、大活躍のセクシーグループ、CCガールズじゃ。後に、95年から98年に掛けて、メンバー総入れ替えとなったんじゃがな。それで、便宜上、CCガールズというのは、初代と2代目とに分けられる。今日の話は、その初代CCガールズ、バブル期大活躍の方じゃ。バブル崩壊でも、泡と消えず、しっかり残っておる初代メンバーの一人、青田典子じゃ。

ハチくん: 他は3人とも結婚しちゃったけど、青田さんは今でもバラエティー番組とかで活躍中だよね。

じじごろう: わあっ、びっくりした!おまえ、おったのか。

ハチくん: さっきから横に居たじゃん。何の話するのかと思ってたら、ウハウハものとか…。

じじごろう: ええいっ、黙れ!青田典子はエロ面白いんじゃっ!

ハチくん: エロですか?

じじごろう: エロじゃっ!エロが良いんじゃ。今はエロの時代じゃ。幸田夾未はエロカッコイイ、ジェシカ・アルバはハリウッドのエロ可愛いじゃ。そうして我らが、青田典子はエロ面白いじゃ。バブル期、CCガールズとして一世を風靡し、バブル時代を背負った女、青田典子が、生まれ変わったんじゃ、バブル青田として!よみがえりの、再生じゃ! それで、また、良い歌を出したんじゃ。ノリノリ、セクシー、「ジーザス」。

ハチくん: ああ、TV番組の企画ものでしょ。テレ朝系の「ロンドンハーツ」ってバラエティーの。準レギュラーだよね。セクシー、って衣装とダンス?

じじごろう: そうじゃ。良いぞう、セクシーダンスは。ワシは、18、9の洟垂れ小娘なぞは駄目なんじゃ。あのくらいのオナゴにならんとな。歌も良い。一昔前の小室哲哉ミュージックじゃ。

ハチくん: ああ、そうだよね。番組内で、ロンブーの淳がプロジェクト組んで、小室哲哉他の協力で出来た新曲だよね。バブル期に相応しいあの頃の曲調で。何てったっけ?「ジーザス」?青田典子は38歳か。

じじごろう: 38歳でも、色っぽいぞうっ、バブル青田の「ジーザス」!ノリノリ小室ディスコ(クラブ)サウンド、「ジーザス」。皆さんもいかがですか。

ハチくん: あ、これは、「ジーザス」の宣伝なワケね。ふう~ん。

4/11放送ロンドンハーツスペシャル企画!
青田典子、音楽業界に殴り込み!?
ご存知、人気番組「ロンドンハーツ」
(テレビ朝日 毎週火曜日ヨル9時)から
アノ青田典子がCDリリース!

【収録曲】
 1. ジーザス (作詞:前田たかひろ 作曲:小室哲哉)
 2. ジーザス -tv mix-
 3. ジーザス -instrumental-

   

Photo_3 サスペクト・ゼロ

サスペクト・ゼロ

じじごろう: リアルな超能力じゃな。あれじゃよ。ほれ、よくTV番組で、局が海外の超能力者を呼んで来て、行方不明になった子弟とかを、捜索するじゃろが。あれ。

ハチくん: はい?誰に、言ってんの?

じじごろう: おまえしかおらんじゃろうが。映画を見たんじゃ。DVDで。趣向を凝らした、サイコホラーの変り種。ホラーというよりも、サスペンスかな。

ハチくん: じじごろうさんはホラー吹きだけどね。

じじごろう: 余計なことは言わんでよろしい。このアメリカ映画「サスペクト・ゼロ」は、殺人嗜好症の異常犯罪者を扱う、サイコサスペンスなんじゃが、テーマは、従来の、シリアルキラーを追うFBI捜査官の、謎解きや追跡劇や迫り来る危機、なんぞを描いたものとは、一工夫違う。サイコキラーもの映画なんじゃが、もう一つプラスアルファの面白味なんじゃよ。

ハチくん: ええ?何だかややこしくて解んないね。

じじごろう: 旧ソ連が研究開発しておった、軍事利用の超能力研究ノウハウを、米国FBIが自分トコに引き継ぎ、犯罪捜査に活用することとなった。実験段階の、最初の、FBI極秘プロジェクトで選ばれた数人は、犯罪者捜査の超能力訓練を受け、ある種、超能力を身に着けた。しかし、その超能力の捜査応用の実験段階の実施で、ほとんどのメンバーは精神が破壊され、実用実験は失敗に終わる。その超能力者の生き残りの一人が、野に放たれていて、ひどく精神的に苦しんでおり、自らがフリーな立場で、超能力を使って透視した凶悪異常犯罪者達を断罪していた…。というような話じゃわな。ちょっとネタバレになるけど。そして、その犯罪者狩りをしておる超能力者が、主人公のFBI捜査官にFAXで予知描画を送り情報提供する…。相当ネタバレになるけどな。そういうサスペンス映画じゃ。面白いぞ。「マトリックス」のキャリー・アン・モスがヒロイン役で出ておるの。

ハチくん: ふう~ん、成程ねえ。ちょっと怖そうだよねえ。しかし、話は全然、変わるけど、ソ連と言えば…。チェルノブイリ原発事故。

じじごろう: 何?そうじゃったのう、そう言えば、そんな悲惨な大事故が昔、あったのう。

ハチくん: 忘れようったって、忘れられない世界の大惨事だよ。チェルノブイリ原発は今、石棺と呼ばれて、事故炉は分厚くコンクリートで覆われているんだけど、調度、あの大事故から20年目になるんだ。あの放射能禍で、実に5万人以上の人間が犠牲になっているんだ。今でも被爆に苦しむ人達は数えきれないほど。覆ったコンクリは今ではひび割れなんかが出来てきてるらしいし、土中深く埋めるなんてコト、出来ないのかしら?

じじごろう: うう~ん、そうじゃなあ、もう二度と起こして欲しくない大事故じゃなあ。放射能禍というものは、一国だけでは済まぬ、周辺諸国の全ての生物を巻き込む災害になるからのう。今は世界の発電の主体は原子力じゃからのう。全世界国家レベルでメンテナンスは厳重注意じゃわいのう。

ハチくん: はい。そうです。

じじごろう: しかし、映画「サスペクト・ゼロ」と原発事故とは、全く関係ない事柄なんじゃけどな…。

Eva055タイムリミット

タイムリミット 

じじごろう: エヴァ・メンデスが良かったのう。主役のテンゼル・ワシントン扮する警察署長の、離婚を迫る別居中の女房役をやっておるが、ラテン系美人女優のポスト=ジェネロペと呼ばれるだけあって、なかなか魅力的なオナゴじゃ。

ハチくん: じじごろうさんのはそういうのばっかだなあ。じじごろうさんの映画評って、先ずは絶対、出演の美人女優だね。

じじごろう: 馬鹿者!ドラマには美貌のヒロインは絶対必要なんじゃ。特に、ホラー系では逃げ惑う美女を襲う怪物、このシーンはこたえられん醍醐味じゃな。まあ、この「タイムリミット」という映画はホラーじゃあ、ないけど。

ハチくん: うう~む。やっぱ、じじごろうさんの映画の見方は変態的だね。

じじごろう: 何が変態的見方じゃ。エヴァ・メンデスの健康的な浅黒い肌に、ちょっと大柄に見えるナイスバディなボディーライン。キューバ系のアメリカ人らしいが、ラテン系の情熱的な顔だち。たまらん美女じゃのう。1978年生まれ、フロリダ州ヒューストン出身で、ノースリッジのカルフォルニア州立大学に通っておった時に、モデルにスカウトされたのが、女優業へのきっかけらしい。しかし、カルフォルニア大に通っておったとは知的でもある美女なんじゃのう。やはり映画は何といってもヒロインじゃのう。美貌のヒロインで決まる。

ハチくん: この場合映画評なら、先ず、主演のテンゼル・ワシントンの紹介でしょ?助演ヒロインをそんなに詳しく紹介しなくてもいいんじゃないの?普通は、映画のお話の内容紹介とかの方が、重要だと、思うんだけど。

じじごろう: そこが、このじじごろう様の映画評のひと味違うところじゃ。ワシの映画紹介は、その辺の凡百の映画評とは訳が違う。

ハチくん: そんな威張る事柄じゃないと思うんだけど‥。

じじごろう: 罠に陥り、殺人の容疑を着せられようとしている、テンゼル・ワシントン扮する、町の警察署長。断然不利な状況から、自分の潔白を証明すべく奔走する。崖っぷち危機的状況の中で、罠を暴き真犯人を捕らえるべく走る主人公の姿をスリリングに描く、ハラハラムービー。と、いうようなもんじゃ。内容はの。警察署の中で、何度も容疑者に決定されようとする危ない状況を、知恵を絞りその場しのぎの取り繕いを、冷や汗もので一生懸命やっておる主人公T・ワシントンの姿が、ハラハラしながらも笑える。面白いぞ。

ハチくん: ガンアクション?

じじごろう: 拳銃撃つシーンは、何度かあるが、アクション映画というよりは、サスペンス映画の類になるな。とにかく、自分の身の潔白証明に奔走する主人公の、ハラハラドキドキ感を楽しむ映画じゃな。それと、何といっても、別れそうな状況の女房で同僚刑事という役の、エヴァ・メンデス。これが一番良い。Out Of Time=タイムリミット、皆さんも楽しんでくだされ。

ハチくん: もう、きれいなねえーちゃんの話ばっかしだね。

Photo_6 「シークレット ウインドウ」・「アイデンティティー」

ジャック: あー、腹減った。

ハチくん: 解離性同一性障害、だね。

ジャック: へ?‥。いや、腹、減った。

ハチくん: いわゆる二重人格とか、多重人格という、ヤツ。

ジャック: いや、俺はいつも腹が減ってるし、あんまし満腹で幸福感じてる時って、無いから、二重人格とは違うな。いつでも腹が減ってる状態の自分だけだ。滅多に満腹で幸福な自分は出て来ない、な。ん。

ハチくん: そんなに症例は多くはないんだよね。映画やTVドラマ、小説、漫画に至るまで、この解離性同一性障害を扱った創作物語は多いけど、病気の症例としては滅多にないもの、らしい。多重人格の病気で困っている人って、実際は滅多に居ないんだ。

ジャック: 俺はいつも腹が減ってるけど、これは病気じゃないと思うんだが。いや、実際に此の頃は、いつも満足いくほど食べてないし‥。

ハチくん: ちょっと、調べてみたんだけど、病気としての解離性同一性障害は、1980年代から米国を中心に研究が進み、報告例も急増している。近年の報告では多数の人格の症例が見られる。人格の交替は突然起こり、言葉つきや態度まで変わる。幼い人格、敵対する人格などさまざまで、主人格は他の人格の記憶を持たないことが多い。従って日常生活に記憶が欠落した時間を体験することになる‥。と、解説してある。そういう病気なんだよな。これの主原因はPTSDらしいんだ。

ジャック: ああ、そうかい。ところで、そのPTSDってのはうまいのかい?デミグラスソースとか、掛かってたりして。

ハチくん: PTSDとは、訳すと心的外傷後ストレス障害と呼ばれている。医学用語だね。代表的なのが幼い頃の虐待体験とかだ。

ジャック: 何、街娼?じじごろうが喜びそうな事だね。街娼なんて、あの爺ぃ、相当なスケベだから。

ハチくん: いや、食べ物の話でも、街に立っている女の人の話でもないんだ。実は映画の話をしてるんだよ。この間、DVDで見た映画の話。ひとつはジョニー・デップが主演したサイコサスペンスの映画で、これは原作があのスティーブン・キングなだけに、怖かったよ。洋画タイトルは「シークレットウインドウ」。もうひとつは、主演はジョン・キューザックや、若い街娼女役のアマンダ・ピートになるのかな。こっちは、最初の設定は、幽霊屋敷ものホラーのような、逃げ場の無い閉ざされた地域で連続殺人が起こる、サスペンス映画なのだが、これが最後になって、話がひっくり返る。勿論、幽霊ものホラーじゃなくて、サイコサスペンスなんだけど、この物語のキーワードは、洋画タイトルの、「アイデンティティー」そのものだね。

ジャック: 何かよう解らんが、腹の太る話じゃないな。DVDってのはケチャップ掛けたって、食えねえもんな。

ハチくん: あんまり話しちゃうと、映画のネタバレになっちゃうからなあ、映画の話は難しいんだけど、これがまあ、冒頭に僕が話した、解離性同一性障害=多重人格が、二作品とも、重要な鍵になるドラマ=映画作品なんだよ。「シークレットウインドウ」も「アイデンティティー」も、こういったミステリサスペンス映画は必ず、最後近くのクライマックスで、どんでん返しやあっと驚く展開が設けてある。驚きの、実はこうなんだ、という解説だとかがね。どちらもホラー味のミステリサスペンスとしては面白い映画だけど、怖さでいうと、「シークレットウインドウ」の方が怖かった。 

ジャック: 今、小学館の漫画誌、ビッグコミックで山上たつひこ氏の「中春こまわり君」というのが短期集中連載でやってるけど、それの元漫画で、70年代後半大人気だったギャグ漫画「がきデカ」、それに出て来る、雑種の大型秋田犬、名前が栃の嵐。その栃の嵐と俺はよく似てるんだ。同じ雑種の大型秋田犬だし。ただ、色が俺は白いけど、栃の嵐は色つきだな。青っぽい灰色みたいな毛並みの秋田犬種だな。大型の日本犬だ。俺と同じ。でもあいつは金持ち犬でさ、うらやましいよ。話の途中から、グラサン掛けて、背広着ちゃってよ。

ハチくん: しかしこういったいわゆるサイコものって、言い換えれば狂人を扱った話だから、多重人格=解離性同一性障害とはっきりあらわしちゃうと、病人を狂人扱いする差別に繋がるという問題が発生してしまうから、そこのところを明確に解説は出来ないはね。つまり、多重人格の一つが殺人狂という事にして、ドラマを面白く作っている訳だから。サイコホラーには、こういうのは多いよね、「ジギル博士とハイド氏」の昔から。

ジャック: 何だか解んねえけど、俺は秋田犬種の大型日本犬だから、余計に腹も減るんだよ。

ハチくん: 創作物語の映画という、エンタティンメントとしては面白いけれども、症例は少ないとはいえ、世界中で考えればたくさんの、病気で苦しむ人達も居るのだから、あまりはっきりとは明確にしない方が良いよね、やっぱり。

ジャック: 映画の話は済んだのかい?じゃあ、何か食い物探しに行こうぜ、ハチ。

ハチくん: ああ。ミステリ映画につきものの美貌のヒロインがあんまし、これってのが両作品には居ないんだけど、まあ、「アイデンティティー」のアマンダ・ピートくらいかな。じじごろうさんが嬉しがる美女系登場人物は。ベッドシーンはどっちもそんなにないしなあ。

ジャック: ハチよう、じじごろう誘って、食い物探しに行こうぜ。早く。

ハチくん: ホラー系のサスペンス映画の好きな人は、この二作品、どうぞ。

Photo Photo_2 宇宙快速船

宇宙快速船

じじごろう: 60年代の初め、まだまだ日本のTV放送黎明期といってもいいような時代に、一つのSFヒーロードラマ番組があった。その前から「月光仮面」なぞの仮面ヒーローもの番組はあったんじゃが、これは宇宙が出て来る、初めてのSFものじゃった。

ハチくん: 昔の、オコチャマ向けTVドラマだね。

じじごろう: そう。それは「月光仮面」や「七色仮面」と同じく、TVの子供向け番組じゃが、ヒーローの相手の敵役が、宇宙人や海底人、地底人という、当時としては画期的なSFドラマじゃった。家電のナショナルがスポンサーとしてタイアップ、提供松下電器産業の「ナショナルキッド」じゃ。何と、仮面ヒーローの名前に、スポンサーの会社の名前が付いとった。正義の味方「ナショナルキッド」は、アンドロメダからの使者、不死身の超人じゃ。

ハチくん: ふう~ん、そうか。昔の、子供達の憧れのヒーローだ。ウルトラマンの兄弟達みたいな、宇宙人ヒーローのルーツみたいなもんだね。解る。

じじごろう: TV放送のな、番組始まりのナレーションのうたい文句がな、いいか、『四次元の世界を克服し、不可能を可能ならしめ、あらゆる化学兵器より強く、正義と平和のために戦

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