1995年暮れに日本でWindows95が発売された。手に入れるため若者は会社を休んで朝から長蛇の列に並んだ。その実行者に「どうしたの?」と聞いたら「知らないの?日本には無いゲームが出きるんだよゲームが」との返事、「ふ~ん、そうなんだ」で会話は終わった。
それはゲームどころではない。今日のスマホ、インターネットに繋がるIT世界の始まりだったのだが、当時は誰も想像できなかったし、判っていなかった。私も近い将来、コンピュータの2000年対策で関わりを持つとは夢にも思わなかった。
私がパソコンと出会ったのは、当時自動車業界の営業をしていたのだが、T社の設計者から「電話は禁止。アポはメールでして欲しい」とか「フロッピー送るけどWord、一太郎どっち?」とか突然、意味不明、解読不可の質問を受けた。
なぜか判らないが「仕事を失う」と思った私は、当時8万円もするデスクトップをいきなり買ってしまい、そこからパソコンの猛勉強が始まった。
96年にデスクトップを買った。それから中味の濃い17年の付き合いになる。
今思えば、そのT社の設計者がずっと先を走っていただけで、世の中ほとんど普及していない。おかげで私は会社で業務を知る唯一のコンピュータ通になり、先に述べた2000年対策で本社システム部門勤務となった。
今もそうだが業務とコンピュータの両方を知る人は珍しい。好奇心の塊の成せる技だと思う。そもそも営業は面倒なコンピュータを猛勉強しない、時間がない。
会社のシステム部門といえば経理の財務諸表作成のお手伝いくらいに思われている。「システム構築と言ったってCD-ROMをインストールするだけだろう」と、頭の弱い人は平然と言う。
中小・零細でも企業と名が付けば、税務署に財務諸表は出さねばならない。企業のコンピュータ化は経理から始まる。システム = 経理ソフトを否定する戦いがスタートする。
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