心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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一晩泊めて

2017年06月22日 | 母のこと
先日、赤煉瓦を買って裏庭の端に並べた日のことです。
結構力仕事でしたし、その後はちょっとくたびれモードでしたが、午後には夕飯の支度も終わり、さぁて帰ろうかなと思っていたら、母が叔母に
「障子も外さなくちゃなあ・・・」と話しかけていました。
ははぁん、これは叔母さんというよりわたしにやってくれと言うことなのだなと思って、すぐさま行動に移しました。毎年、この時期になると暑い夏が来る前に障子を外して収納するのです。何度もやっているのでお茶の子さいさいです。
と思って、さっさと立ち上がり、ひとりでサクサクと片付けました。

ところが、最後の最後、収納段階で少し手間取ってしまい、思いがけない始末に。
右手の親指に障子の枠木のとげが刺さってしまったのです。結構痛くて思わず
「痛い!」と声を上げていました。
それを聞いた二人がびっくりしてどうしたどうしたと言うので、早速ふたりのそばに行き、右手を見せました。
そして左手の親指と人差し指でで右の親指をギュッと押して、刺さったとげが出てくるようにしてみせたのです。でも、相手も図太いものでなかなか出てきません。
そうしているうちに叔母が母から聞いてとげぬきのある場所から持ってきます。でもそのピンセット、先が平たく太くて・・・
「もっとちゃんとしたとげ抜きはないの?」と言うと、
「確かあったはずだけどねぇ。どこにしまったか・・・」となんとも情けない母の声。
叔母が
「針で皮を広げたらいいんじゃないの?」と針箱からまち針を。

叔母がやろうとするのですが、わたしの左手が邪魔でなかなか皮を広げることができず。
何度もあれこれやっているうちに、先に少し出ていたとげが折れて、中にはまだ残ったままに。母が
「こういう時は、とげが一晩泊めてくれって言ってるんだよ。明日になればとげが自分で出てくるもんだよ。とげなんて刺さったときは大きく見えるけど、抜いてみれば小さいもんだよ」と。

いやぁ、そう言われてもね~。
泊まってほしくないもんね~。
わたしの顔を見て叔母も「ちょっとしたことで刺さったところがチクチク痛むんだよね。一晩泊めてって言われてもね、泊めたくないよね~」と。

やっぱり、取る!
もう汗たらしていましたよ。
最後は可哀想だと思ったのか、一晩寝せておけばいいと言った母が、自分が押さえるからといって、不自由な手でわたしの右手の親指を押さえてくれました(よく力が出たものです)。
そして、わたしが左手でピンセットを持って何度も挑戦し、とうとう抜きました!

ピンセットの先にちょこんとついていたとげ、やっぱり母が言うようにほんのちょこっとした大きさでした。
それにしても「一晩泊めて」なんて話、聞いたことないんですけどと言うと、昔の人がよく言ったのだとか。
母も祖母から言われてきたのだろうなと、時代の流れをこんなところで感じた出来事でした♪

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道ばたの小花。黄色が可愛らしい。

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