風の声

想いつくまま

魅了した真鍋さんの語り

2021年10月07日 | 日記

ノーベル賞に輝いた真鍋淑郎さんの語りに惹きつけられた。

「日本では好奇心にもとづく研究がやりにくくなっている。政治家と科学者のコミュニケーションがうまくいっていないのも問題だ」

と語り、アメリカではアカデミックと政治の独自性が確保されているが、日本の現状はそうではないとして、研究環境の改善を促した。

国籍を変えたのはことを、

 「日本の人々は、非常に調和を重んじます。お互いが良い関係であるために、他人を気にし他人を邪魔することはやらない」

「アメリカでは、他人を気にする必要はない。私は他人のことを気にすることが得意ではない。だからアメリカでの暮らしは素晴らしい。私のような研究者にとっては、好きな研究ができる」

研究者や研究にとって環境が重要であることを明快な喋りで語った。

「私は他人と協調して生きられない。それが日本に帰りたくない理由の一つ」と、会場の笑いを誘った真鍋さん。一途に研究の道を貫いた人生の達観とユーモアがあった。

真鍋さんの喋りに思い浮かぶのが、菅総理が就任早々に強行した学術会議委員の任命拒否だ。大きな混乱となっても拒否理由の説明は一切しなかった。

かつて政治が学問を弾圧し暴走した先は戦争だった。歴史の教訓に無知な菅総理の愚かさを露呈した学術会議騒動だったが、そんな独裁的な政治姿勢が国民から支持されるはずもなく、わずか1年で退陣となった。

この、真鍋さんの言葉を菅やその取り巻きだった面々はどう受け止めただろうか。

「政治の権力」と「学問の権威」、そこには不可侵の掟がなければならない。

時の権力に迎合し、政治家に忖度するような学問は自滅するだけだ。

 


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