福井県立大学水産経営学研究室のブログ(教員)

福井県立大学の水産経営学研究室(小浜キャンパス)のブログです。

1年ぶりの被災地訪問

2013-01-19 17:44:01 | Weblog
昨年の平成24年11月に岩手県盛岡市まで行き、
学会の大会で震災復興をテーマとする報告をたくさん拝聴しました。
震災後1年半が経過した今、復興がどのように進み、
何が問題なのか、何をなすべきなのかについて、
研究者だけでなく被災者や行政の方々からも、貴重な報告をいただきました。
 
漁業生産については、全国からの船の提供や共同利用などの努力により、
おおむね震災前の6割から7割程度まで回復しているという。
放射能汚染の影響を除けば、海の資源の回復は予想以上のものがあって心強く感じました。
市場や出荷施設を応急修理することによって、とりあえず出荷可能になっているという。
しかし、地元の冷凍加工施設の整備がおくれているために、
既存の流通ルートに乗れないケースも多いようです。

一番深刻なことは、津波の被害にあった沿岸地域の市街地が、
土地の嵩上げや大規模な防潮堤など安全面の整備がほとんど進んでいないために、
新しい施設や建物の建設が進まず、地域全体の復興が著しくおくれていることです。
被災地の現状を目の当たりにして、1年前とほんんど変化がなく、
言葉がでない状況に、かわりはありませんでした。
これをもって行政が悪いとか、国が悪いなどと言うことは不適切だと思います。
津波の被害が大きく、元の土地を再利用できるまでには、
残念ながら神戸の震災とは比較にならないほどの時間がかかると感じました。(T・K)

久しぶり

2013-01-19 17:04:17 | Weblog

昨年秋に、東北の被災地と、2回にわたってASEANの4カ国を訪問し、
その間、ブログの方はお留守をしました。
出張のあいだに大学で食文化のシンポジウムがあり、
私的には、実家のほうにも頻繁に帰省しなければならない事情ができてしまいました。
見ていただいている方には、更新がなかったことおわびします。


年末から出張の記録を整理していますので、
これからその一部をブログに掲載しようと思います。

本日と明日はセンター試験、
これからの1ヶ月は、4年生の卒論のまとめと発表、入試対応などで
学内業務がもっとも忙しい時期です。
学内業務が一段落する3月には、もう一度ベトナムへ行く計画なので、
その準備もしなければなりません。(T・K)



しばらくぶりです。

2012-12-11 23:56:57 | Weblog
教員のR・Hです。

自分のブログの方ばかり更新していて,
こちらはすっかりお留守になっていました。

さて,T・K先生は,
現在海外出張中。
たぶん今頃は帰国の準備かな。

先月は,マレーシアとベトナム,
今月は,タイとミャンマーへ。
いきなり国際化されております。

私は,研究室のお留守を守っているのですが
(それほど何もしていないけど)
学生の卒論もそろそろがんばってもらわにゃ
という時期に来ています。

私は,ここに勤めてもうすぐ10年ですが,
最近は卒論の進行が遅い。

というのも,就職活動が長引いているからです。
本当に就職戦線は大変。

就職氷河期という言葉すら聞かなくなるほどに
就職難は続いています。

がんばってくれ~ R・H

「食のまつり」で今年も海鮮シューマイを販売します

2012-09-09 14:45:50 | Weblog

実習「地域活性化演習A」では、10月6~7日の小浜市の食のまつりに参加し、

今年も、サゴシの海鮮シュウマイを販売します。

今年の受講生が試作しているものは、

サゴシをベースにして、カレー味と梅味をつけた海鮮シューマイで、

なかなか、学生らしい新感覚の商品になりそうです。

サゴシをすり身に加工するのは時間がかかるのですが、

調味料を加えて凍結保存し、当日は蒸すだけです。

 

サゴシは、サワラの小型サイズのもので、日本海でよくとれるようになりました。

しかし、漁獲時期が不安定で、地元で消費する食習慣がないため、

とれだすと価格が安くなってしまいます。

そこで保存可能で食べやすい加工食品を開発し、

地域の人々と交流しながら販売することをめざしています。

 

当日は、小浜キャンパスの大学祭と、本学の20周年記念イベントも同時開催されます。

当日小浜にいる方は、是非、小浜市の食のまつりにもご参加ください。

「食のまつり」は、旧西友跡地で10月6日と7日に開催、 時間は10:00~15:00頃まで。

出店は、30店舗のほかに物産販売もあり、参加者は1万人くらいかな?

昨年のペースなら、昼過ぎには売切れごめんになるかもしれません。

あしからず。(T・K)

水産経営学研究室大同窓会のお知らせへのリンク 


夏休みの講義予定

2012-09-06 15:24:39 | Weblog

久しぶりの投稿です。

8月の10日頃から、実質的に夏休みに入ったのですが、

講演会、講習会、非常勤講師、食品企業の調査2回と、

私は息つくひまがありませんでした。

 

今年の夏もあつく、小浜が全国最高気温の日もありました。

ところで、これから夏休みも後半です。

9月6日と7日の情報演習と、20日と21日の食品経済組織論が開講されます。

同じ分野の非常勤の先生の担当なので、

当研究室の学生や所属を希望する学生は是非受講してください。

 

9月17日から20日は、私が担当する流通調査実習です。

関西方面の流通関係企業を訪問します。

夏休み前に配布した予定表は、その後の打ち合わせで時間変更が多数でました。

集合時間や終了時間はかわりませんので、集合時に新しい予定表を配布します。(T・K)

水産経営学研究室大同窓会のお知らせへのリンク 

 


備えあれば、うれい無し

2012-07-21 11:01:12 | Weblog

福井県は7月18日に梅雨明けが発表されました。

小浜市では、このところ気温が高い日が続き、

18日は37.8度の全国最高を記録しました。

いよいよ、暑苦しい夏がきたと実感がしてきました。

 

しかし、暑いわりには天気は晴天とはならず曇りがち、

20日には武生市で集中豪雨が発生したようです。

全国的にも集中豪雨の被害が伝えられているので、

一人一人が気象変動に注意する必要がありそうです。

 

大学や地域の、災害に対する備えも、一応のものはありますが、

大震災以前のレベルのものしかありません。

まして福島原発事故を想定したような安全対策は存在しません。

大学が立地している小浜市は県の方針転換を待ち、県は国の方針を待ち、

国は、未だ方針が定まらない状況が続いています。

大学もまた、県や小浜市の方針転換を待つしかないような状況では、

きわめて、なさけないと言わざるをえません。

当地域では大震災の可能性は低いと考えていますが、

現状では大震災や原発の重大事故がないことをいのるしかありません。(T・K)

 

 

 

 


地産地消をめぐって

2012-06-30 15:47:10 | Weblog

このところ、地産地消をテーマとする活動を続けています。

6月16日の名古屋での学会のシンポジウムにつづき、

昨日6月29日は、小浜市で講演をしました。

小浜市長や商工会議所会頭のほか、

大学が日頃お世話になっている方々に聴講していただきました。

7月2日に予定しているFBCのラジオキャンパスの収録でも、

私の研究のテーマの一つとして地産地消をとりあげます。

 

ところで、地産地消は社会活動であっても、研究テーマにはなりにくいと長い間、考えてきました。

この認識を変えたきっかけは、福井県が実施した地産地消率の調査でした。

詳細な調査データにもとづいて出た結果が、非常に興味深いものであったからです。

それは、消費者の食料品消費量全体の中で、福井県産の比率が6割もあり、

そのうちの半分の3割もが自給とおすそわけが占めているという数字から始まります。

詳細は福井県のホームページにも掲載されています。

 

私見によって調査結果の意味することを、以下簡単に紹介します。

第一に、高い地産地消率が、自給とおすそわけによって支えられていることが、

きわめて福井県民らしいライフスタイルを示していること。

第二に、量販店の流通段階の地産地消率が、青果や水産物の卸売市場では10%台と低いのに、

消費者に近い段階になるほど高くなっている事実と、その不思議な理由?

第三に、消費者ばかりでなく、量販店や外食店でも地産地消を拡大したいと考えているにもかかわらず、

店頭の県内産割合は低い事実があり、県内産品の供給網が整備されるなら拡大余地があると考えられること。

第四に、直売所は地産地消比率が8割と高いけれども、取り扱い量は全消費量の2%程度しかなく、

さらに地産地消を拡大するなら量販店や外食店などの地産地消の推進が必要であること。

第五に、既存の卸売市場や、そこから仕入れている八百屋さん、魚屋さんたちも、

工夫すれば卸売市場を経由する地産地消も可能なのであり、

生産者や消費者とのネットワークを構築し、地産地消に取り組んでほしいものです。

これが、私の言う「地産地消の多様な取組み」の概要です。(T・K)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大飯原発再稼働  その3

2012-06-10 16:37:18 | Weblog

先週末に再稼働にむけて野田首相の記者会見がおこなわれ、

大飯原発3号機、4号機が再稼働にむけて動きだしました。

この夏に稼働できる全国唯一の原発になりそうです。

首相の発表をうけても世論は二分されたままですが、

国の方針が示されたことは必要なことだったと思います。

今後何十年かは原発を重要なエネルギー源の一つと認めるかぎり、

いづれ全国の原発のうちの半分程度は再稼働させることになります。

大飯原発が福島の事故以後、全国最初に再稼働するということは、

むしろ安全性が高い原発であるということの証明でもあります。

 

もちろん大飯原発といえども100%の安全はないし、

組織再編や、安全対策が道半ばであることも事実ですが、

われわれのような10km圏内の居住者としても、

再稼働するからといって今更不安になる理由はないと思っています。

福島の事故を教訓とした原発推進政策の転換が必要ですが、

ただちに脱原発に転換する必要はないし、現実的な選択でもないでしょう。

 

それよりも重要なことは以下の三点。

1)安全神話を排除し、既存の原発の安全性をいかにして高めるのか、

2)古い原発を廃棄し、長期的に原発依存度を引き下げることができるか、

3)核燃料サイクルの見直しや、核廃棄物の処理を進めることができるか、

これらが進展するなら、安全神話を前提にしてきた原発政策の大転換になります。

そのために原発のコストが高くなって電気料金が値上げされるのなら当然であり、

その結果として、代替エネルギーの開発が進み、

長期的に、そして確実に脱原発が進むことことを期待したいと思います。(T/K)

 

 


地域活性化演習A

2012-05-29 16:00:08 | Weblog

久しぶりの投稿です。

ゴールデンウイーク以後、土日祝日のたびに県外へ行っていましたので、

投稿しない週が続いてしまいました。

 

ところで、

今年の「地域活性化演習A」の実習を6月1日の3限と4限におこないます。

実習内容は、秋に販売する海鮮シューマイの製造実習です。

サワラのすり身などをシューマイで包んで冷凍しておき、

店頭で蒸して販売します。

昨年は好天にもめぐまれて、計画どおり販売できました。

 

サワラは福井県でもたくさん漁獲できるようになりましたが、

地元に消費文化が定着していないこともあって、

産地価格が不安定で特に小型魚が安いことが問題です。

実習のねらいは、地域の食材を調理加工して地域内で販売することで、

地域の活性化に多少なりとも貢献することです。

また、地域の人々にも福井のサワラをみじかに感じてもらいたいからです。

学生たちには、製造販売を通じて魚の調理加工に親しみ、

採算がとれる製造販売活動をおこなうことを学んでほしいと思います。(T・K)

 

 

 

 

 

 


大飯原発の再稼働 その2

2012-04-22 13:47:08 | Weblog

先週の4月14日に枝野経済産業大臣が福井県を訪問し、

福井県知事や大飯町長と会見して再稼働の要請をしました。

その後、枝野大臣は、20日に「大飯原発以外の再稼働が今夏は困難」だと答えたそうです。

それに対して、立地市町村からはなぜ大飯だけがよいのかという批判があり、

周辺市町村や関西圏からは、大飯もダメという批判が多いようです。

 

4月7日の当ブログに書いたとおり、

安全性の対策や評価の実施が、いまだ途上にあること、

新しい国の組織である「原子力規制庁」ができていないことや、

周辺市町村の了解が得られていない状況では、

政府も夏までの大飯以外の再稼働は困難だと認識しているということですね。

 

では、なぜ政府は大飯は再稼働OKと判断したのでしょうか。

1次のストレステストが完了し保安院がこれを認めた全国3カ所のうちの一つであり、

大飯発電所の3・4号機は、設備が新しく、立地条件がよく、より安全性が高いから、

ということであれば、納得したいと思います。

電力が不足するからとか、立地地域の経済に悪影響があるからということだけでは、

立地の周辺市町村や消費地の関西圏の多数の賛成は得られないでしょう。(T・K)