現実ブログ 「遺品が語る真実」 遺品整理ブログ
遺品整理屋は見た”天国へのお引越しのお手伝い” 孤独死 自殺 遺品整理 不用品 遺言 ・・キーパーズ




ネコアレルギーであまり長時間ネコと室内に居る事が辛いのですが、仕事ですので頑張りました・・・・・・。


そのご自宅は公団の3LDKで、階段の3階でした。

亡くなった方は、まだ30代の女性でネコを20匹以上飼っていたようです。

ご親戚からのご依頼の遺品整理でしたが、室内には入ったことが無いとの事で玄関で待ち合わせをしました。

分っている情報は、ネコが沢山居る事と、死後1週間程度で発見されたと言う事だけであとは何も分っていません。

発見の原因は、本人のお勤め先からの警察への通報でした。

警察の方もびっくりした様で、遺体の引取りには大変苦労されたようです。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ご遺族の方と落ち合い、お話しをして中に入ろうとドアを開けたのですが、ドアを空けたとたんにネコが一匹出て来ました。
私は、思わず後ずさりしドアから離れました。

私も少し弱気になってきました
「何とか入りますが、どなたかネコに強い方はおられませんか・・・?」

しかし皆さん首を横に振るだけで声すら出してくれません。

開き直り、再度ドアのノブを握り突入しました!

お部屋の中は、一見整理されている様に見えましたが足元を見ると猫の糞と毛が絨毯のように何重にも重ねられて、固まっているのです。
ネコ臭が酷く、死臭が全く感じられませんでした。

玄関から見た瞬間に約10匹のネコがこちらを向いて鳴いています、リビングまでゆっくりと入っていくと流し台の上や、レンジの上、食器棚の上、リビングセットのイスの下などあらゆる所にネコ、ネコ、ネコ・・・・・・・・・・・・・・

全ての家財の上には、ネコの毛が積もっておりとても人間が生活できる状況では有りません、故人はこの部屋で何年も生活をされていたのでしょうが、これでは病気になってしまいます。
ネコに愛着があり手放す事が出来なくなる方も多いのですが、多くの方は自分で清潔に飼える程度で、ここまでの数を1人で飼っていた方は初めてでした。

職場でもネコの臭いが、ひどいので注意をしていたようですが故人にとっては家族になってしまっているのでどうする事も出来なかったようです。

私はあまりのネコ臭に耐え切れず家財のチェックのそこそこに室内に出て行きました。

「どんな感じでしょうか?」と、ご遺族がお聞きになりました。

私は、
「なかなかきついですね。・・・・・・荷物の量は一般的な量ですので普通の状態ですと4名で4時間程度で出来る作業なんですが・・・・・・・・・・。」
「先ずはネコを何とかしないと駄目ですね。保健所に問い合わせてみる事は出来ますが、引取られるのであればお任せしますが?」

ご遺族は、引取る意思もなく保健所へお願いする事になりました。

保健所は、本来連れて行かなければ受け付けくれないようですが、今回の事情をお話し特別に引取りに着てくれる事になりました。

しかし・・ネコが実際に何匹いるのかは分りません、多く場合隠れてしまい出てこないネコが必ず数匹は居るのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日、保健所の方が数人で網を持って連れて行ってくれました。
この時に連れて行かれたネコは、28匹でした。

翌日、ネコが居ない前提で作業を開始し部屋の半分も片付いたでしょうか、突然スタッフの1人が悲鳴を上げました。
「痛いっ!」

どうやら押入れの奥にネコが一匹隠れていたようで、布団を取り出そうと手を突っ込んだらネコに引っ掻かれたみたいです。

それからは大変です!ネコを皆で捕まえようと追い掛け回したのですが、ネコも必死に逃げ回りついには玄関の隙間から表に出て逃げて行ってしまいました。

私は少しほっとしました、保健所に連れて行かれなければこのネコは何処かで生き延びる事も出来るのではと思ったからでした。
仕方ない事とは言え故人の形見のようなネコですので、保健所に頼むのには正直抵抗があったのです。

作業は7時間をかけ終了しました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ネコたちにとっては居心地の良い住処だったのかも知れませんが、この公団のお部屋は当分の間誰にも貸せないお部屋になってしまいました。

ネコに臭いはきついのですが、清潔にしてあげれば殆ど匂わないようなお部屋もあります、飼い主次第ですね。

故人には申し訳ないのですが、もう少し前後を考えて飼ってあげればネコも喜んだのではないのでしょうか。



コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



« 叶わなかった... きつい・・・... »
 
コメント
 
 
 
TBありがとうございました。 (dayu)
2006-02-13 14:10:52
ウチの実家の庭にも昔はたくさんネコがいました。

ネコは大好きだし可愛いと思いますが、

記事の光景を想像すると、こんな私でもぞっとしました。



大変なお仕事なんですね。頑張ってくださいね。
 
 
 
Unknown (ボージー)
2006-02-13 15:15:46
キーパーくん様

いつも本当にごくろうさまです。

保健所にご依頼されるということ、そのひとつとっても、お辛い作業だったと思います。大変でしたね…



読んだだけでもとても辛い気持ちです。

猫に限らずですが、動物の命とその人生に責任を持てるヒトでなければ、その動物と一緒に暮らす権利はひとかけらもありませんね。



その猫たちの気持ちを考えるといたたまれません。
 
 
 
TBありがとうございました。 (竹夢)
2006-05-15 23:10:29
この記事拝見致しまして。。。

人は自分の人生という一本の線と同様に、

ネコのようなペットの命も線と考えてほしいですね。

線上の一つの点ではなく。

僕もあらためて考えてみたいと思いました。



今回、この記事だけでなく、

多くの記事を拝読致しました。

本当におつかれさまです。

またお伺い致します。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。