『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第3週目は、
5月25日[月] 上三川高校(栃木県)/ 同校体育館
5月26日[火] 日本大学第二中学校(東京都)/ 武蔵野市民文化会館
5月27日[水] 渋川青翠高校(群馬県)/ 同校体育館
5月29日[金] 東海大学付属甲府高校(山梨県)/ 同校体育館
で公演を行いました。
上三川高校
朝8時から、私たちは体育館で搬入・準備をしましたが、すれ違う生徒さんの挨拶が気持ちのいい、週明けでした。担当の先生はじめ先生方のお声かけもあったからでしょう、楽しみにしてくれていた、と嬉しく思いました。
開演前の生徒さんたち
この日は、2幕の開演直前に地震がありました。先生方の適切な指導の下、生徒さんたちは落ち着いて開幕を待ってくれました。スタッフが照明・大道具の安全点検を行って、予定より少し遅れて2幕が開演。そんなアクシデントがあったにもかかわらず、とても集中して、食い入るように舞台を見つめる生徒さんたちのまなざしに、この共有する時間を一緒につくっていきたいという思いが、いっそう強くなっていきました。舞台の余韻を残しながらの撤去・搬出作業には、女子バレー部はじめ部活動の生徒の皆さんが積極的に手伝ってくれて、あちこちに劇団員との会話の花が咲いていました。
劇場空間はもとの体育館に……
日本大学第二中学校
昨秋、日本大学第二高校の皆さんが『ハムレット ― to be or not to be』を観てくれましたが、今回は中学生。司会の先生からの「劇団の皆さんを拍手でお迎えしましょう」の呼びかけに応えてくれたのは、盛大な鳴り止まぬ拍手……。芝居が始まると、一瞬一瞬を逃すまいとするかのような眼差しを感じました。カーテンコールでは、生徒会長さんからお礼の挨拶をいただきました。“あたりまえだと思っていることの中に、幸せがあることに気がつきました“ という心に残るメッセ―ジでした。
渋川青翠高校
広大な敷地を持つ学校。そして、自分の興味や関心、生き方、進路などに基づいて、一人一人が独自の時間割を組める総合学科があります。私たちの控室に用意してくださった教室にも、介護用のベッドなどが置いてありました。まだ5月だというのに真夏のような暑さだったのに、生徒の皆さんは楽しそうに、そしてとても集中して見入ってくれて、ひとりひとりの生き生きした表情を見ることが出来ました。カーテンコールでは、花束とお礼の言葉をいただきました。
バックステージ見学
東海大学付属甲府高校
3年前には『肝っ玉おっ母とその子供たち』を上演した学校です。ご存じ、スポーツがとても盛ん。公演前日には、たくましい柔道部員が搬入作業を手伝ってくれました。体育館へ続く階段を昇る後ろ姿に惚れ惚れです。びっくりするほど速いペースでトラックの中は空っぽに。翌、公演当日の校長先生のご挨拶では、ご自身の高校時代の演劇鑑賞の思い出を語ってくださいました。リラックスした雰囲気で、反応を返してくれる客席でした。撤去・搬出作業は、野球部の1・2年生、総勢70名余が手伝ってくれました。マネージャーさんは公演後、KAZEのHPの掲示板に書き込みを寄せてくれました。
今週は4回の公演でした。舞台に注がれる視線から、そして笑顔から、さわやかな挨拶から、交わした短い会話から……、たくさんのことをもらいました。先生方、生徒の皆さん、ありがとうございました。ヘレンとアニーがつかみ取ったお互いの心のひびき合い― そんな芝居を見たなぁと、いつか思い出してくれたら嬉しいです。
ケート・ケラー:木村奈津子