風のBLOG

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『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』 2015春 東日本地域巡回公演 第3週!

2015-06-07 23:26:29 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第3週目は、
5月25日[月] 上三川高校(栃木県)/ 同校体育館
5月26日[火] 日本大学第二中学校(東京都)/ 武蔵野市民文化会館
5月27日[水] 渋川青翠高校(群馬県)/ 同校体育館
5月29日[金] 東海大学付属甲府高校(山梨県)/ 同校体育館

で公演を行いました。

上三川高校
朝8時から、私たちは体育館で搬入・準備をしましたが、すれ違う生徒さんの挨拶が気持ちのいい、週明けでした。担当の先生はじめ先生方のお声かけもあったからでしょう、楽しみにしてくれていた、と嬉しく思いました。

 開演前の生徒さんたち

この日は、2幕の開演直前に地震がありました。先生方の適切な指導の下、生徒さんたちは落ち着いて開幕を待ってくれました。スタッフが照明・大道具の安全点検を行って、予定より少し遅れて2幕が開演。そんなアクシデントがあったにもかかわらず、とても集中して、食い入るように舞台を見つめる生徒さんたちのまなざしに、この共有する時間を一緒につくっていきたいという思いが、いっそう強くなっていきました。舞台の余韻を残しながらの撤去・搬出作業には、女子バレー部はじめ部活動の生徒の皆さんが積極的に手伝ってくれて、あちこちに劇団員との会話の花が咲いていました。

 劇場空間はもとの体育館に……

日本大学第二中学校
昨秋、日本大学第二高校の皆さんが『ハムレット ― to be or not to be』を観てくれましたが、今回は中学生。司会の先生からの「劇団の皆さんを拍手でお迎えしましょう」の呼びかけに応えてくれたのは、盛大な鳴り止まぬ拍手……。芝居が始まると、一瞬一瞬を逃すまいとするかのような眼差しを感じました。カーテンコールでは、生徒会長さんからお礼の挨拶をいただきました。“あたりまえだと思っていることの中に、幸せがあることに気がつきました“ という心に残るメッセ―ジでした。

 

渋川青翠高校
広大な敷地を持つ学校。そして、自分の興味や関心、生き方、進路などに基づいて、一人一人が独自の時間割を組める総合学科があります。私たちの控室に用意してくださった教室にも、介護用のベッドなどが置いてありました。まだ5月だというのに真夏のような暑さだったのに、生徒の皆さんは楽しそうに、そしてとても集中して見入ってくれて、ひとりひとりの生き生きした表情を見ることが出来ました。カーテンコールでは、花束とお礼の言葉をいただきました。

 バックステージ見学

東海大学付属甲府高校
3年前には『肝っ玉おっ母とその子供たち』を上演した学校です。
ご存じ、スポーツがとても盛ん。公演前日には、たくましい柔道部員が搬入作業を手伝ってくれました。体育館へ続く階段を昇る後ろ姿に惚れ惚れです。びっくりするほど速いペースでトラックの中は空っぽに。翌、公演当日の校長先生のご挨拶では、ご自身の高校時代の演劇鑑賞の思い出を語ってくださいました。リラックスした雰囲気で、反応を返してくれる客席でした。撤去・搬出作業は、野球部の1・2年生、総勢70名余が手伝ってくれました。マネージャーさんは公演後、KAZEのHPの掲示板に書き込みを寄せてくれました。

 

今週は4回の公演でした。舞台に注がれる視線から、そして笑顔から、さわやかな挨拶から、交わした短い会話から……、たくさんのことをもらいました。先生方、生徒の皆さん、ありがとうございました。ヘレンとアニーがつかみ取ったお互いの心のひびき合い― そんな芝居を見たなぁと、いつか思い出してくれたら嬉しいです。

ケート・ケラー:木村奈津子


2015年春『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎 』西日本地域巡回公演 第3週目

2015-06-07 20:43:14 | 全国巡回公演

今週は京都府、大阪府、岡山県、高知県で3週目を迎えました。

6月1日(月)北桑田高等学校(於 同校体育館)
6月2日(火)千里高等学校 (於 吹田市文化会館メイシアター)
6月3日(水)大阪薫英女学院中学校(於 高槻現代劇場)
6月4日(木)玉島高等学校 (倉敷市玉島文化センター)
6月5日(金)須崎高等学校 (須崎市立市民文化会館


北桑田高等学校

豊かな森林に囲まれた北桑田高校が3週目のスタートとなりました。
この日は体育館での公演でしたが、暑さにもかかわらず真剣に観ていた中での皆さんの素直な反応が印象的でした。
終演後には50人以上の有志の皆さんが片付けを手伝ってくれました。積極的に手伝いながら、劇団員と感想や質問など様々に話し、交流する姿がありました。
カーテンコールに花束と共に頂いたサプライズプレゼントは、森林リサーチ科の皆さんの手作りコースターでした。森林リサーチ科の皆さんどうもありがとう!

 


千里高等学校

2年前には『ヘレン・ケラー』を上演していますが、今回は1年生と2年生の学年が鑑賞しました。
リラックスしながら自由に観る皆さんを舞台上で感じていました。
また座談会では、ジャンヌ役の白根に「演劇とはあなたの人生にとってどういうものですか?」といった深い質問に、「自分以外の人についてや、役を通じて他の人生について考えたりすることは、自分にとって学ぶことが多く、人生の一部のようなものになっています。」と話したことと、「自分に自信をもって一歩踏み出すこと」は観劇後の皆さんの心に届いたのではないでしょうか。

 


大阪薫英女学院中学校

今回の公演は人権行事として『ジャンヌ・ダルク』が上演されました。
スタンバイする俳優にも、上演を待つ皆さんの盛り上がる声が届いていました。
劇中も驚いたり、たくさん笑ったり、恐がる姿が舞台上からよく見えました。
カーテンコールのあとに教頭先生が生徒の皆さんに「主題がこうだからこう観るということではなく、人それぞれひとりひとり違う感じ方があっていいので、帰りに色々話してみてください。」と話していました。
その言葉には生徒の皆さんへの愛情を感じるとともに、学校で取り組まれている行事のひとつとして関わった私たち自身の喜びも感じられるお話でした。
また終演後の舞台裏で教頭先生は、二次元に慣れすぎている生徒たちにとって、生の演劇はすごくよかった。
とおっしゃっていました。
それは、たとえ煩わしさを感じることがあったとしても人が関わることでしか生まれ得ないものや、俳優の身体、声、また言語以上に感じる空気など、アナログな世界でしか経験できない演劇の力がそこに存在していたのだと思います。
次はまた新しい作品でお会いしましょう、個人的には『肝っ玉おっ母とその子供たち』が気になるとのことでしたが、是非また違う作品をもって伺いたいと思います。その日を楽しみに待っています。

 

玉島高等学校

風初めての上演となった玉島高校。
開演直後から、客席を通り舞台へ登場する旅役者に盛大に盛り上がっていました。昂揚感をもって始まり、すぐに舞台に集中する客席の空気が舞台上に伝わってきました。皆さんの反応とともにつくった公演でした。そしてまたカーテンコール前に客席を通る旅役者に沸く皆さんの表情や笑い声、カーテンコールの盛大な拍手に、2時間を物語るものがあったのだと感じました。
終演後にはジャンヌ役の白根と演劇部との座談会が行われました。また片付けを終えた劇団員との交流もありました。その中に、「声や表情、体からたくさんのことを感じました。」「ものすごい迫力で舞台に引き込まれました。」「影絵の部分では表情や声は見えなくても、影絵を見ながらシンプルに言葉が入ってきた。」など思い思いの感想が話されていました。

 

須崎高等学校

須崎高校と近隣の須崎中学校の2校での観劇となりました。
そしてこれから何が始まるのか観察するかのように舞台が始まりました。集中して観ている皆さんがつくった空気を感じながら、力強く進む時間でした。
高校生の皆さんとは、終演後舞台に上がってステージを見たり、楽屋近くに来て劇団員と交流する時間がもてました。中には、フランスの文化や歴史に興味のある生徒さんや、授業で時代について聞いたことがあるという生徒さんもいました。休憩に入る前の1幕の終わるまでがあっというまでした。という感想など先生方を交えて話が弾んでいました。
先生方と生徒の皆さんが話している内容や、お互いに親しさをもった関係が、見ているこちらが清々しくなる程いい関係を日常から築かれているのだろうと感じました。

今週も心に残る言葉や様々な反応がありました。ツアーも中盤に差し掛かります。

また次週もたくさんの出会いに期待しながら4週目と続きます。

 

シャルル7世役   田中悟