NPO法人石川県茅葺き文化研究会だより

茅葺き民家が繋ぐ人の暮らし、自然との関わり。

薪炭林と笹。

2012-03-29 | 茅つれづれ雑記

昨年の夏、能登町まで茅葺き民家の葺き替えのご相談を承りに行った帰り、

山道に迷いこんで通った林道の一隅にこんな場所がありました。

 

周囲とは明らかに植生が変わっており、ナラの若木と笹だけ。

きっと薪炭林として、

手入れをされてきた場所なのだろうと感じました。

 

笹葺きの笹は、このような薪炭林とともにあり、

循環させていたとききます。

4月7日(土)金沢湯涌江戸村で行われる

「旧園田家移築現場見学会」でプレゼンしてくださる立命館大学の学生さんからは

そんなお話もお聞きできそうでとても楽しみです。

 

この林を抜けた先にはトタンをかぶった茅葺き民家もあり、

もしかしたら中が笹葺きだったりしてと思ったり。

機会をみつけまた行って見たい場所です。

 

 

 

 

 


笹葺きを知る、見る、触る。

2012-03-20 | ワークショップお知らせ

茅葺き屋根の材料は、ススキやヨシがもっとも多く、

そのほかカリヤス、稲藁、麦藁などがあり、

暮らしに身近で毎年豊富に生えてくる 「草」 を屋根の材料にしてきました。

そして日本列島のなか、丹後半島と能登半島に2か所だけに今も伝わるのが【笹】による茅葺きで、

(北海道のアイヌ民族のチセ小屋もありますが)

4月7日に行われる金沢湯涌江戸村の「旧園田家現場見学会」の園田家は、

下屋の部分が笹葺きです。

 

茅文研が県内の現存する茅葺き民家を調査したおり、

津幡にかつて笹葺きだったというお宅が1軒、

そして田鶴浜に今も笹葺きの家が1軒だけあります。

園田家はもともと二俣にあった家なのですが、

この辺りも笹で葺く習しがあったのかどうかは、残念ながら今となっては不明です。

 

全国的にも珍しい笹葺きを知る、見る、触ることができる4月7日は、とっても貴重な機会。

当日は、丹後半島で町の活性化に取り組む一環として笹葺きを行ってきた

立命館大学の学生の皆さんのプレゼンテーションや茅葺き職人さんの解説もあり、

実際に笹を手にした簡単なWSもありそうです。

詳しくはこちら⇒茅葺き職人のブログ2

 

私たち茅文研も笹葺きを触るのは初めて。

とても楽しみにしています。

 

 


「旧園田家移築修理工事」現場見学会@金沢湯涌江戸村

2012-03-11 | ワークショップお知らせ
金沢湯涌江戸村にて
 
「旧園田家移築修理工事」現場見学会が開催されるそうです。
 
定員があるようですので、
参加希望者はお早めに金沢湯涌江戸村へ申し込みをどうぞ。
電話076-235-1267
 
以下、江戸村の案内より。
 
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◆開催日:平成24年4月7日(土) 
     午後1時30分~午後4時(終了予定)
◆場所:金沢湯涌江戸村 (金沢市湯涌荒屋町35-1)
◆内容:
 ・丹後村おこし開発チーム所属学生によるプレゼンテーション
 ・笹葺き作業現場の見学(職人による解説)
 ・笹葺き体験(縄結び、差し笹づくり等)
 ・茅葺き職人との懇談会
◆定員:30名 (定員になり次第終了)
◆申込み方法:電話076-235-1267(金沢湯涌江戸村)

*移築修理工事の現場見学会は5月中旬ごろにも開催予定。
*旧園田家は、江戸時代中期に金沢市二俣町に建てられた紙漉農家で、
 重要有形民俗文化財に指定されています。
*丹後村おこし開発チームは、立命館大学経営学部の学生による団体です。
 京都府宮津市の上世屋地区を拠点に、地域の活性化を目指した活動をしており、
 笹葺き民家の再生や活用などのプロジェクトを行っています。